北ア縦走・黒部五郎岳〜針ノ木岳
(クリック地図) (えぼしだけ2628m−みなみさわたけ2625.3mーふどうだけ2595m−ふなくぼだけ2459m)
          7日目(烏帽子小屋〜針ノ木谷)
 山行は既に後半に入っていますが、実はこれからが厳しいコースです。天気が良かったお陰で予備日にも余裕があり、エスケープすることもなくずっと順調に進んできましたが、これからがいよいよ佳境!?・・・緊張感を要するエリアに突入です。何しろ長期縦走の装備、デカザックというリスクと共に山を越えなければなりません。さて・・
H19年8月10-18日(金ー土)八泊九日
  天気;全日概ね快晴
  Member.2人

【コ ー ス】(〜は歩、休憩時間含む) 

8/10(金):折立〜太郎平テント場
8/11(土):テント場〜黒部五郎岳〜黒部五郎テント場
8/12(日):テント場〜三俣蓮華岳テント場〜鷲羽岳ph
8/13(月):テント場〜黒部源流地標〜岩苔乗越〜祖父岳〜雲ノ平〜高天原(山荘泊)
8/14(火):高天原〜岩苔乗越〜水晶岳〜野口五郎岳(小屋泊)
8/15(水):野口五郎小屋〜烏帽子小屋テント場
8/16(木):テント場〜烏帽子岳〜南沢岳〜不動岳〜船窪岳〜針ノ木沢(ビバーク)
8/17(金):針ノ木沢〜針ノ木峠テント場
8/18(土):針ノ木峠〜針ノ木岳ph〜蓮華岳ph〜扇沢
↑ 針ノ木岳〜蓮華岳、船窪岳方面:不動岳より

 前日船窪のテント場から来た若いご夫婦の話でも道のりはかなり厳しかったらしい・・・ひょうきんな語り口に空気は和みましたけど、早く出発した方が良さそうと判断し、2時おき、4時発としました。

 テント撤収はてきぱきと済み、3時半には完了。ヘッデンをつけ、小屋の方に向かいます。

4:00
 少し小屋の前で時間を潰し、4時になって出発。このくらいなら歩いている内にすぐ明るくなってきます。

 4時半くらいには山並みの上に太陽の光が伸びてきています。

 烏帽子岳分岐。目の前に烏帽子岳が見えます。ザックをデポして空身で山頂に向かいます。

【↑ 】
 山頂直下は垂直に近い岩場を登って行きます。チョットビックリですが、鎖がついていますし、スタンスもしっかりついていました。

 カニの横ばいのような?^_^;

 山頂へ。

5:00−10
 烏帽子岳山頂。この左の岩の上に攀じ登る人もいるのでしょうか?私たちはここでストップ。黄色い杭が山頂標識になっています。

 山頂からのご来光!

ご来光の右に富士山が見えていました。




稜線の右側(手前)から赤牛岳、水晶岳、奥には鷲羽岳も見えているようです。




赤牛岳、右奥は薬師岳




 気をつけて下ります。







【↑ クルマユリ】

【↑ エゾノレイジンソウ】

【↑ ツマトリソウ】

【↑ リンネソウ】・・・群生してました♪

昨日歩いた稜線。雲から頭を出している左側は今日通過してきた前烏帽子岳。




 トシちゃん朝からハイテンション!

 5:44
 地図で確認し、分岐を出発。大分明るくなりました。

ここも見事なお花畑です。クルマユリ、トリカブトなど♪



 池がいくつかありました。すると・・・

 新しい糞。熊のようです・・・(~_~;)

 大きめの池、ここが四十七池?テント場になりそうなスペースもいくつか見つけましたが熊との遭遇率が高そう・・・あくまでも非常事態のビバーク用でしょうか。

 南沢岳に向かう途中もコマクサがいっぱい咲いています。

【↑ コマクサ】

 ちょっと分かりにくいですが、南沢岳山頂の一つ手前のピークでブロッケン現象、虹もきれいに出ています。

 雲海の上に立山方面。

 白いコマクサもありました。

振り返ると歩いてきた山が見渡せました。足元にはコマクサ。



7:00
 南沢岳山頂。

【↑ ?】

【↑ ハクサンフウロ】

【↑ チングルマ】

【↑ ミヤマコゴメグサ・イブキジャコウソウ】

 登山道は谷側に斜めですので注意しながら進みます。

【↑ イブキジャコウソウ】

【↑ カンチコウゾリナ】

【↑ エゾリンドウ】

【↑ ホツツジ】

↑ こんなのはまだ序の口

7:40
 暑くなったので上着を脱ぎます。草の中にツエルトのようなものが見えたのはデポ?よく分かりませんでした。

 トリカブトがたくさん咲いています。

【↑ オオヒョウタンボク(赤い実になっています】

【↑ シモツケソウ or オニシモツケ?】

【↑ マルバダケブキ & ?トリカブト】

【↑ ギンリョウソウ】

右側、乳首のように見えるのは烏帽子岳かな?
左奥に槍ヶ岳



 高瀬ダムと槍ヶ岳が見えます。



8:30−40
 不動岳が見えてきましたが、手前で休憩です。

 側にはキヌガサソウがまだ咲いていました。

 黒部湖を挟んで立山方向も見えます。

 不動岳に登りながら、背後に立山周辺の山並みが壮観。

 不動岳の稜線に出ました。歩いてきた稜線も一望。

 一人休憩していた男性に、コレからが正念場ですと言われます(~_~;) 反対方向から来た人で、この先私達の歩いてきた山並みがハイキングコースに見えるとも・・・!(汗;

ここもコマクサがいっぱい。




9:30−40
 不動岳山頂に着きましたが・・・・

手前の山並みがこれから行く船窪岳へのコース。
その向こうが針ノ木岳と蓮華岳!

厳しいコースというのが頷けました(~_~;)

とんでもないところへ来てしまった!・・・

聞くと見るとでは大違い!
我ら行けるんかいな!



 こちらは今日歩いてきたコースと奥の山並みは水晶岳、赤牛岳の展望。不動岳山頂より。

 さて、ザックに振られないようにベルトをしっかり締めて、この方向に出発します。立山連峰を眺めつつ、気になるのはこれから進むコースです。

【↑ トウヤクリンドウ】

【↑ カニコウモリ】

【↑ タカネナデシコ】

【↑ シナノナデシコ】

 写真を撮るのも結構大変ですが、トシちゃん頑張っていっぱい撮ってくれました。

【↑ タテヤマウツボグサ(白)】

【↑  タテヤマウツボグサ】

【↑ シュロソウ?】

【↑ シュロソウ?】

 振り返ると不動岳が見えます。

 不動岳の上は雲の浮かんだ青空。

【↑ ヤマホタルブクロ】

【↑ コバノイチヤクソウ】

【↑ ウスタケorウスフジタケ】
heppoco隊長さんありがとうございます♪

【↑コキンレイカ】

【↑ タカネマツムシソウ】

【↑ キバナカワラマツバ】

【↑ クロトウヒレン?】

【↑ ツルリンドウ】

13:35−45
 船窪第二ピーク。実際にはこちらの標高が地図に記載されているようです。何故に第二ピークなんでしょう?

 アップダウンを繰り返してようやく到着です。あともう少しだ〜と思ったここからがまさに緊張の連続になるのでした。

 この最初の下りで悲劇は起きました。いきなり垂直に近い下りです。ロープがありました。慎重に下りるトシちゃんが一先ず安全なところまで辿りついた後、sanaeも下り始めました。

 が、片足がちょっと滑ってしまいました。その瞬間、斜面というより壁のような下りで顔が前に行き、そこに運悪く飛び出ていた石にぶつかってしまいました。

 なんでもないような・・・と、思えますが、とんでもない急斜面の下りでした。ロープや梯子が一度ならず容赦なく続きます。

 この時点でザックの重さはまだ25キロくらいあったと思われます。それからはより慎重に下っていきます。神経が磨り減るような思いでした。

 平坦なところでトシちゃんに消毒して貰いますが、右頬と唇が軽い擦り傷でした。その程度で済んで良かったのですが、女の命が台無しです(笑)

 下って登り・・・をもう少し繰り返します。かなりしんどい!

 ここは息を呑みました。

 振り返るとこんな感じなんですから・・・汗;

15:40−45
 船窪岳山頂。慎重に歩いてきたので第二ピークから倍以上のコースタイムです。

 地図を見て、またまた計画の見直しをします。翌日の行程を考えて、針ノ木谷へ向かうという選択肢を検討しながら山頂を下ります。

16:05−10
 針ノ木谷出合分岐。

 沢に行くコースも計画の段階でチラリと考えてはいたのですが、トシちゃんはいつも標高差のある登り返しをイヤがるので、船窪小屋経由七倉岳〜北葛岳〜蓮華岳〜針ノ木峠(天幕)の予定でした。

 でも翌日の行動時間が短い方が良いということで、沢へ下ることに決定。ここからは大きい熊鈴を出して、先に行くトシちゃんが鳴らしながら行きます。

 船窪小屋へいくのと同じくらいのコースタイムですが、下り始めてまもなく、尾根に一旦上がってからの下りになります。登山道はあまり使われていないのではないかと心配でしたが、整備されてました。この日船窪小屋の主が草刈りをされたそうです。一方踏み場も無いくらいイワカガミかイワウチワの葉がありました。その時期に見たらさぞやきれいなことでしょう。

 肩が痛くなって遅れがちなsanaeですが、トシちゃんの熊鈴は水先案内人のように聞こえました。

17:50
 下山。下りてきた所を、沢から振り返ったところです。

 ちょうど一張り分のスペースがありますので急遽ここでビバークです。

 快適な場所でした。

 ホッと一息(^^ゞ

 (ナゼ鼻じゃない?(^^ゞ)

 今晩のメニューはそうめん、焼き豚、海藻サラダ、コーヒー・・・お腹空いていたので棒ラーメンもペロリ。

 熊の存在も沢音ももはや遠くへ追いやられ、この夜は朝まで爆睡でした!ZZZZZZZ・・・・・・
8日目につづきます。

※お花はしっかり観察できていないので間違いもあると思います。ご注意ください。