北ア: 涸沢&天狗原の紅葉
(からさわ小屋 2350m & てんぐはら 2500m クリック地図(涸沢)
 
 四年ぶりに涸沢の紅葉を見に行ってきました。今回はピークを踏まず、横尾テント泊で、涸沢と天狗原の紅葉をのんびり楽しんできました。涸沢は四年前と比べ二三日早かったように思いますがきれいでした。天狗原は赤が多く鮮やかで素晴らしかったです。
  H24年10月5-8日(金ー月)
  天気;晴
  Member.2人

【コ ー ス】(〜は歩、休憩時間含む) 

一日目:上高地1505m〜横尾1620m(所要時間約3時間・・休憩含む)

二日目:横尾1620m〜涸沢2350mピストン(所要時間約12時間・・休憩含む)

三日目:横尾1620m〜天狗原2500mピストン(所要時間約10時間30分・・休憩含む)

四日目:横尾1620m〜上高地1505m(所要時間約3時間・・休憩含む)

 
↑ 涸沢


トラック(赤)



 今年の夏はどこにも行けなかったから秋の紅葉はのんびりとたくさん楽しみたいなと、涸沢を混雑覚悟で久々に訪れる気になりました。
 【一日目】
   静かなところで楽しみたいのと気持ちは裏腹ですが、どっぷりとした紅葉の中に身を置きたい気持ちで・・・。

 思い切って一日早めに休みをとり、木曜日夜に出発しましたが、夜3時ごろの沢渡中駐車場は既に満車。さすが・・・と唖然!

 ようやく停めて3時間ほど仮眠。支度して出発します。
   今回はデカザック。乗り合わせる人がいれば一緒にタクシーでと思いましたが朝7時にはもう誰もいませんで、バス停に着くや空いているバスが到着。あら嬉しやと往復乗車券(2000円)を買って乗り込みます(タクシー片道4000円)。

 車窓から大正池を眺めながら上高地のバスターミナルへ。
   バスを降り、思わず買ってしまった河童焼き(200円)^^; えっ?このアングル悪意はありませんって!(^^ゞ

 重量感たっぷりで美味しかったです。これで持ってきた朝食はそのまま行動食に。

 河童焼きを食べながらこの日の予定を再確認。計画では涸沢でテント泊。のんびりまったりしてテントでゴロゴロしながら紅葉見物しようじゃないか・・・というのが目的でした。飽きたらその辺を散策して、気力があればピークを目指すのもいいし・・・いや、それは無いな(^^ゞ

 でもこのザックで6〜7時間歩けるか?天狗原も行きたいねという腹案もあって、ここで横尾テント泊に決定。
   8:15

そうとなれば気も足取りも軽くなるというものです。

 朝8時過ぎ。休日だと当然混雑のはずですが、一日早めたことで上高地にしては静寂。気持ちよく歩き出します。

 気温は12、2度。Tシャツ&長袖シャツに一枚薄いジャケットを羽織っただけでした。
   土日月の三連休ですが、混雑を考慮して帰りも一日早めて金土日の二泊三日のつもりです。この時はそう思っていたのですが・・・(^^ゞ

 久々のデカザック。15分でテント場に着いた三週間前の白駒池の時のような、ざっくりという訳にはいきません。食糧は予備食を含めきっちり詰めてきました。

 ザックの重さは共に20キロほど。コース予定が半分になり、きつい登りがなくなりましたから気が楽になりました。涸沢までのんびり行けばいいと思いつつ、状況によっては柔軟に変更可能なのも魅力な今回のエリアです。
   明神岳を眺めながら河童橋へ。
   まだ観光客も少なく静かな河童橋。チト寄り道をして河童橋からの景色を眺めていきます。



 

 小梨平。ここでのキャンプもいいなと思いながら通過(^^ゞ


 

 


明神岳と青空


 
 9:10−18 明神。

 大勢の人が寛いでいます。

 ちょうど良いところに休憩ポイントがあるのも重宝です。

 一休みして歩き出すとあちこちにお猿さん。人馴れしていて逃げる様子が全くありません。


 
 
   さりげなく脇を通り過ぎますが、お猿の仲間です(^^ゞ

青空と白い河原、この広々とした空間が気持ちいい。

 
 

   10:12−20 徳沢。

 ぽつぽつ綺麗な紅葉が見られます。
  

道端にはノコンギク
 
   11:21 横尾に到着。

 順調にコースタイム内でした。でもこれ以上歩くのは無理(笑)

   さっさとテント設営(一人500円。トイレ使用料込)。今回も広々と4人用の豪邸(^^ゞ
   早速大菩薩で手に入れてきた丸鍋デビュー。3合のお米をといでスタンバイです。

 二人で3合って多すぎませんか?と思うでしょ?もちろん一度には食べられませんけど翌日の朝食とお昼のお弁当にもなります(^^♪
   片隅にはリュウノウギク。この辺りにはまだ可愛い野菊がたくさん咲いていました。癒されます。
   お昼は簡単にコンビニ調達のパンを食べ、おなかも癒されたらお昼寝。この日は陽射しが暑いくらいでしたが傘で日よけにして気持ちの良い微睡タイム。テントの中は暑くてとても眠れません(^^ゞ

 初日はどうしても寝不足なのでこんな時間が嬉しい。日頃の疲れも乾きも満たされます♪
 
   テント場は相変わらず空いています。平日ですからこんなものなのでしょう。

 バックの建物は右から避難小屋、トイレ&水場、横尾山荘。テント場はこの他に、横尾大橋側の河原近くにもあります。この日は空いていましたが、翌日からはいっぱいでした。

 3時を過ぎて、早々に夕飯の準備にとりかかります。



 
 丸鍋の使用感は満足。大きさはチタン鍋の大きい方とそれほど変わりなく、入れ替えてきただけでした。おこげができても鍋底にこびりつくことなく久々のおこげの味も最高でした。お米は山ですと無洗米の方が良いかもですね。今回は四国のお米でしたよ〜美味しかったです<m(__)m>

 ガスの火加減が微妙に難しいですけどあとは慣れでしょうか(^^ゞ


 お昼寝してのんびり夕飯を楽しんで、6時には就寝でした(早っ!^^;)。でもって時々目が覚めましたけど、ぐっすり眠れました(^^ゞ

 【二日目】
   2:35

 温かい雑炊で食事を済ませ、いよいよ涸沢へ。モルゲンロートを見たかったので早朝(夜中?)出発です。

 気温は8、5度。
   当然真っ暗、ヘッデン装着。

 熊鈴はデカザックのほうに忘れてきました(^_^;)
   3:40 本谷橋に到着。
   本谷橋通過。見上げると星が少し。満天の星というのではありませんが、月がきれいでした。

 人の気配はまだ全くありませんで・・・当然か(^_^;)
   5:18 涸沢

 涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐につきました。


 モルゲンロートを見るのでヒュッテの方へ。
   5:32 涸沢ヒュッテ

 ヒュッテのテラスにスタンバイ。既に大勢いましたが、なんとか良い場所に座れました。

 でも空は曇り模様。

 寒くなる前にフリース、ダウン、合羽、マフラー、手袋・・・持ってきたものをすべて着込み、温かいスープを飲みながら待ちます。

 

昨日は既に陽が出ていたという声を聞きながら待つこと数分、
一瞬雲が切れたのかパァ〜っと明るくモルゲンロートを見ることができました。
紅葉の輝きは無理でしたがほんの数分のショーでした。


 
 

   じっとしているとやはり寒い。6時少し前で気温は9、3度でした。

 時間はたっぷりあるし、歩けば温かくなるのだけれどと稜線を見ますがトシちゃんにその気なく、私も一人で行く気力なく・・・(^_^;)
   のんびり涸沢小屋の方へ移動しました。
   温まろうとおでんを注文。ガスも持ってくれば良かった・・・残念(^_^;)

それにしてもこのロケーションですよ♪奥穂ですよ!
プハッとオールフリーは持ってきたのに・・サブッ!
結局下山するとき飲みました(笑)

 

昨日炊いたご飯は五目寿司の素を入れてお稲荷さんにしてきました。
これが冷めても美味しいのです( ^)o(^ )


 
   素敵な景色を眺めているとヘリの音。荷揚げではなさそうだから報道のヘリかななんて思っていたら、涸沢ヒュッテ側のヘリポートに着陸。救助ヘリでした。

 そばにいた人が長野県警のヘリだと言っていましたが、いくらかかるのかな?無料かな・・・なんて下世話なことを考えてしまいました。見ていた感じでは足を痛めた方のようでした。上高地まで通常6時間くらいかかりますから良かったですね。
   こちらお気楽に、お次はソフトクリーム♪ 何しろ時間はありますし、予定のスケジュールはこなさないと(笑; あっ、中央奥はソフトでなくて涸沢カールの残雪、雪渓・・・って言うまでもないですね^^;

で、その雪渓の上を歩いてみました。
翌日のテントはこの上にもめいっぱい張られたのではないでしょうか?



 
 
あちこち散歩


 
パノラマで。(写真クリック拡大)


 
涸沢岳と紅葉


 
動画(音量にご注意ください)




屏風の頭方面 
 
 
 
 
 
 
 
 
再び涸沢ヒュッテから見納め。
テントは平日でもこの数、今夜はどうなることやら・・

 
11:50 
そんな思いを抱きながら下山しますが
この後のすれ違いは大変でした。
しかもテント泊装備の人の多かったこと!
いったいテン場は足りたのでしょうか?
それよりトイレに並んで大変だっただろうなぁ・・・(・_・;)

 
もっと早くに下りればよかったと後悔するほど
登ってくる人は数珠つなぎ。。。でした。

13:20−50 時間をかけてようやく本谷橋。


 
暑かったのでここで喉潤しました(^^ゞ


   14:40 横尾に到着。

 横尾大橋の入り口には14時以降の涸沢への入山は控えてくださいと書いてありますけど、まだ向かう人はいました。

 小屋もテン場もエライことになっていそう・・・(^_^;);
   横尾にして良かったと思いながらテン場に戻るとここもいっぱいでした。まだ余裕はありましたけど。


 最近のテント事情はグループで来てもマイテントを持っている人が多く、小さいテントが数多く並ぶ傾向だそうです。荷物を分担して軽量化より気楽さなのかもしれませんね。

 今夜のメニューはコチラ(^^ゞ


 
 この日もエネルギー消費より補給の方がオーバー気味なような(^^ゞ 何が楽しみで来ているのかと言われればこれもまた楽しみでして。

 明日は天狗原の紅葉をみて帰る予定ですが、ここで予定変更。疲れたまま帰るよりは、ここでもう一泊して翌朝帰ろうということになりました。その方が体力的に楽だし早いうちなら渋滞にも合わないだろうと思ったのですが、渋滞・・・これは誤算でした(^_^;)

 この日も6時頃には就寝(^^)v 夜は雨。昼間は晴れそうですが、山の上は雪かな・・・三段紅葉見られるのかな・・・日程を逆にすれば良かったかな・・・と、うつらうつらZZZZZ(山頂では5センチほどの積雪になったそうです)
 


 【三日目】 
   この日はゆっくり起床。

 5時半ごろにはさすがの横尾もトイレに行列。女子はこの時が最高の4人待ちでした(私の場合)。あぁ、涸沢にしなくてヨカッタ!
   5:35 横尾出発 気温は14、2度。

 涸沢に向かう人の行列が既に大橋を渡り始めていましたが、槍ヶ岳方面へ向かう人は少なくて静かでした。
   ところが30分ほど歩くと急に前で歓声があがりました。驚いて前を歩くトシちゃんの前を見ると、なんとみちほさんではありませんか!まさかこんなところで会うなんて!

 こんなシチュエーション前にもありました。日光にクリンソウを見に行ったときもまさかのバッタリでしたけど、まさかまた!!!とビックリでした。

 みちほさんはこの時、私たちの直後に歩いてきた女性とも知り合いで再びの歓声!
    合羽を脱いでて遅れてきたご主人と揃ったところでその女性に撮って戴きました。

 槍沢ロッヂに泊まってこの日は涸沢に行かれるとのこと。互いに情報交換し、またの再会を楽しみにとお別れしたのでした。
    6:28 一の俣
   地図には槍ヶ岳が見えると書いてありますが山頂部分に雲がかかっています。どこからどう見えるものやら、このコースは約20年ぶりで記憶にありません。というよりその時も台風が近づいていて天気は良くなかったのでした。
   6:35 二の俣
   7:02−17 槍沢ロッヂに到着
   キャンプ地はこの先30〜40分のババ平になりますが、テン場代はここで支払っていきます。
    さて、いつぞやみちほさんに戴いた塩飴をなめながら行きましょうか。
    コウゾリナ?
    7:49 ババ平

 ここも思った以上にテントが多く、この下の河原の方にもたくさん張られていました。
    トイレもありますが一つだけのようですね。
   雪渓が残っているところもありました。
    カラマツソウ、サラシナショウマ、クルマユリ・・・厳しい冬を前にまだ咲いていました。
   
   8:15 水俣乗越分岐 

ぱっと前が広がって本来なら槍ヶ岳が前に見えてきそうな場所です。
陽射しが暖かく感じられますが、山頂部には濃いガスがかかっています(涙)


 
 
大喰岳でしょうか、その下にきれいな紅葉(ズームで)
   途中すれ違った人が槍ヶ岳は吹雪いていたと言っていました。5センチほど雪が積もったそうですが、装備はしっかりしたものが必要になってきますね。そういえば岩用でなく縦走用(登山用)のピッケルを持っていた人も見かけ、どこで使うのだろうと思っていましたが、もう必要な時も近いのかもしれません。それだけ高山はあっという間に雪に包まれてしまうのでしょう。

 この日はまだ秋の花が幾種類か見られました。
 ミヤマアキノキリンソウ(コガネギク)
 エゾリンドウ
  

パノラマ(写真クリックで拡大) 

   槍沢ロッヂ辺りから前後して歩いていた外人さん、写真を撮ってあげたことで会うたびに「Hey!」と挨拶を交わしながら登って行きました。

 スローであまり休まず登る私たちに対し、デカザックでペースが速く早めに休憩するお二人で、その様子を手真似で表現する女性のキュートだったこと。
   9:22 分岐で彼らは槍ヶ岳へ。「bye-bye!」と別れて私たちは天狗原へ。

ちょうど見ごろのナナカマド
真っ赤です!

  
 


 
 
 
 
 
 
10:05−11:30 天狗池

 
あそこが南岳かな。。。
南岳には行けるかなという気持ちは遠のきました(^_^;)

水面に映る紅葉


水面に映る槍ヶ岳が見たかったのですが
相変わらずのガス
 
    食べながらしばらく待つことにします。

 お弁当は海苔をつけて五目御飯のおにぎりと、梅キュウ、牛肉大和煮の缶詰。

 
   中岳の方向に青空が見えて期待しますが
   槍ヶ岳はいっこう姿を現す気配がなく、諦めて引き返すことにします(T_T)
    遠くの山から眺めて目立つ槍ヶ岳ですが、こんなに側にいて見ることかないませんでした。

 今日は紅葉だけ楽しんで!ということでしょうか(^^ゞ
 

 槍ヶ岳にはまだ二回しか登っていませんが、またいつか登って、あの山頂からの壮大な眺めを楽しんでみたいものです。正直肩の所まででもいいですけど(^^ゞ

 最後に美しい紅葉を目に焼き付けながら。槍が見えれば絵になるのだけれど・・・と、尚も見上げる人は私たちだけではありませんでした(^^)
   
  

   反対側は青空が広がるだけに残念で・・・(・_・;)

 何気に足元を見たら10月だというのに可愛い花がいっぱい咲いていました。紅葉にばかり目が奪われていましたが、思いがけないことでした。





 
 コキンレイカ(ハクサンオミナエシ)?
 キンポウゲ
  ミヤマアキノキリンソウ(コガネギク)
 
  クロトウヒレン
 
 


 

 
動画(音量にご注意ください)


 
   裾野もきれいです。
 ミソガワソウ ハクサンフウロ
 
 

 

 

   今さらですが、ババ平を過ぎたころになって「ヘッデン付けっ放しだった」とトシちゃんが気づきました。カメラを向けていた私全然気づきませんで、どこ見ていたのだろう、アハハ・・・^^;
 ツリバナ
マユミ 
   16:08 登りで気づかなかったツリバナやマユミを見ながら横尾へ戻るとまた更にテントが増えているようでした。 
 
 この日は途中いろいろな人と話したような気がします。外人さんや南岳にテント泊のご夫婦、50キロの機材を背負ったカメラマンの方、トシちゃんと同郷の愛知の方などなど、ほんのわずかなひと時でしたが他にも一期一会の出会いがいっぱいありました。これも紅葉三昧という時間に余裕のあるハイクだったからかもしれません。

 もしこの日予定通り帰るならばもっと急がなければなりませんでしたから、挨拶だけで通り過ぎたことでしょう。

 みちほさんご夫妻にバッタリは本当にびっくりしました。会う人はこうして不思議と会うものなんですね(^^ゞ

 
  この日あった楽しいことなど話しながらのんびり飲んで食べて・・・こんなふうに過ごす時間がいいっすね(^^♪

 そしてこの日も6時には就寝・・・なんて健康的な生活! (笑)

 【四日目】 
    ノンビリ起床。簡単に朝食を済ませテント撤収して出発するころにはテントの数が昨夜よりだいぶ減っていました。
   7:12

 横尾を後にします。
 
    二日目の夜雨が降ったのと、天狗原で霧雨が少しあった以外はどうにか天気に恵まれた四日間でした。
   食料が減った分軽くなったザックを背負って、ペースの遅い歩みで他の人に迷惑をかけないようトシちゃんの後ろを歩いていたら声をかけられビックリしました。

 fu-coさん、お目にかかれて光栄です。お花の名前に詳しくて、いつも凄いなと思っていました。トシちゃんと二人だと名刺かざして歩いているようなものですね(笑) 声をかけていただきありがとうございました。今回は行きと帰りでゆっくり話せませんでしたがまたお話しできたらうれしいです。
 
    徳沢を通過し、明神で少し休憩。観光客で賑わっている河童橋を通り過ぎ、バスターミナルへ。緩やかなアップダウンがあるので帰りもしんどかったりして(^^ゞ
    10:15 上高地に着くと焼岳がきれいに見えてました。

〆はまた河童焼き(^^ゞ

 
    順調に来たのもここまで。

 この後お土産買って昼食を済ませ、一気に中央道で帰るつもりが見事渋滞にはまり帰宅は18時ごろでした。