八ヶ岳・阿弥陀岳〜赤岳〜旭岳〜権現岳〜編笠山〜西岳(前編) 
(あみだだけ2805〜あかだけ2899.2〜あさひだけ2672〜ごんげんだけ2715〜あみがさやま2523.7〜にしだけ2398)
(クリック地図)
  後編(二日目)はコチラへ
新しい靴の足慣らしを兼ね、八ヶ岳へ。天気は曇りがちだったが両日の山頂及び稜線からは、奥秩父から富士山、南ア、中ア、御嶽山、乗鞍岳、そして北アのずっと日本海よりの方まで一望。編笠山では雪がパラリ、すぐに霙から雨に変わったが、10月に入った途端に雪!と驚いた。紅葉はこれから!しかし秋は短い・・・
 H18年09月30日-10月1日(土ー日)
  
天気;初日曇り時々晴れ、二日目曇りのち雨
  Member.2人(夫婦)

【コ ー ス】(〜は歩、休憩時間含む) 
30日:舟山十字路5:25〜(御小屋尾根)〜御小屋山7:35-45〜不動清水8:35-50〜中央稜分岐11:08〜阿弥陀岳11:21-46〜中岳12:33-40?〜分三郎分岐13:14〜キレット分岐13:30-40〜赤岳13:56-14:17〜キレット分岐14:32〜キレット小屋16:00(テント泊)・・・所要時間約10時間35分

1日:キレット小屋6:30〜旭岳〜権現岳8:30-50〜のろし場9:29-32〜青年小屋(到着?)-10:02〜編笠山10:28-11:16〜青年小屋11:35-55〜乙女の水12:00-03〜西岳12:58-13:10〜千枚岩(信玄の隠れ岩)14:39-49〜広河原15:34〜舟山十字路15:58・・・所要時間約9時間30分
【↑ 阿弥陀岳山頂から赤岳に向かう】
 今回は別の山に行きたいと思っていた。しかし新しい靴の足慣らしを兼ねて、もう少し近場の行き慣れた山域に変更。八ヶ岳がリストに上がる。このコースは雪の時期に歩きたい、こっちは紅葉の時期・・・などと選りながら、どこにしようかと検討。八ヶ岳の赤岳〜権現岳の間がまだ歩いていなかったのでずっと気になっていたのだが、折りしも輝ジィ〜ジさんが新潟から一泊二日で歩かれたというレポートを拝見。靴の慣らしにはどうかと思ったが、その詳細な記事、及び数々の情報より、大丈夫だろうという確信をもってコースを考えた。車利用で可能なコースは舟山十字路基点が一番効率的と思い、御小屋尾根から登り、阿弥陀、赤岳、権現とまわり、西岳を経由して戻ることにした。

 御小屋尾根は美濃戸口から昨年2月に歩いている。あの時は積雪期でラッセルが大変だった。今回は雪がない分楽だろう。それにしても長丁場でしかもキレット越え!新しい靴の足慣らしというにはいきなりの激しい洗礼。しかし晩秋から冬に向かって、これからの山中テント泊となればシュラフや防寒着など、さらに重くなる。水漏れの心配がないかも試したい(一度クレーム交換している)。二日目の天気予報は下り坂、雨が降ればなおさらけっこう!ということで敢えて負荷をかけた。靴が足に合わなければ阿弥陀に行き着くまでに分かること、そうなればそのまま戻れば良い。少々のことはテーピングなどのケアでなんとかなる。あるいは阿弥陀か赤岳で行者小屋に下り、美濃戸山荘まで行けばタクシーを呼べる。だがその心配は先ずないだろう。

 前夜の内に舟山十字路へ。既に一台駐車。ちゃんとした駐車場ではないが4、5台くらいはおけそう。道端にも何台か停められそうだ。雪山の時期には南稜を攻める人たちでいっぱいになるのだろう。今回もそのコースを行く人がいた。今の時期なら私たちでも行けるかな・・・

【一日目:9/30】
5:25
 4時半に起床。朝食を済ませ準備をして約一時間後出発。ザックは思いっきり負荷をかけてトシちゃん21、4キロ.、sanae23キロ。sanaeの方が重いからといって、「もう少し持つよ」とはけっして言ってはくれない。これでもうトシちゃんに弱音を吐かせない(笑)
 ・・・ったく、なんでこうなるのかなぁ・・・

 舟山十字路から歩き出しゲートの脇を通ってから左へ曲がる。わき道がいくつかあるが、しっかりした道なりに登っていく。

【↑ ホタルブクロ】
 まだ薄暗かったので写真は撮っていないがトリカブトの花が目に付いた。

 そしてホタルブクロやノコンギク、アキノキリンソウなども。段々花も寂しくなる。

7:22
 この道は南稜などを登った人の下りに使われる道だそうで、夏道とは別に稜線直登の道筋も出来ている。テープなども張られているので分かるが、ザックが重い今回は素直に夏道の緩やかな登山道をゆっくり登っていく。

 周りは落葉松林に囲まれ登山道はその落ち葉でフカフカ。歩きやすい。もう少したてば黄金の落葉松ルートだろう。

7:35
 美濃戸口分岐。昨年二月は美濃戸口から登ってここに出てきたのだった。そしてここが御小屋山。 

 分岐の少し先に覚えのある広場。ここで小休止していると同じ方向から登ってくる男性が一人。「阿弥陀岳ピストンしてくるだけ」と、身軽だったが手には何やら収穫物が!気持ちよく見せていただいたがハナイグチ(ジコボウ)という食べられるキノコだそうな。これは分かりやすいからと教えて貰った。登山道沿いにあったという。

 この先はしばらく平坦な尾根道。気をつけてキョロキョロ見ながら登っていったがそのキノコは見つけられなかった。

 見覚えのある開放部。南アルプスの山並みが見える。

 思いザックにも関わらず、デジカメを向ける。よくぞ押しつぶされないものよ!

 ところがこれよりもっと上の方でちょっとバランスを崩した時、ザックに振られてしまった。たいしたことは無かったが、これが良い教訓になった。この先、足の置き方に気をつけて登っていく。


8:00
 ここは去年ビバークしたところ。あの時はラッセルでここまでくるのも大変だった。それにしても無雪期の今歩けば8時に着く場所だったとは!思わず笑い出してしまった。でもこのテント場は充分なスペースがあり快適だった。
 このビバークした地点からはこうして阿弥陀岳が見える。雪の阿弥陀岳は圧巻だったっけ・・

 道端の所々にはまだこうしてマツムシソウが咲いている。

8:35-50
 不動清水入口。登山道沿いにあり、そこにザックを置いて休憩。

 水場の状況がつかめず、水は持ち上げているが、見に行ってみた。

 下にかなり下るのかと思ったらトラバース気味に歩きやすい道がついている。

 間もなく沢音が聞こえ、水の流れている様子が見えてきた。

 近寄るとしっかり給水OK!しかも登山道から2,3分しかかからない。

 登山道に戻り、再び歩き出す。徐々に登りがきつくなり、振り返ると中央アルプスから北アルプスが一望。
           ↓

【↑御小屋山(中央)を振り返ると彼方に左から中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプスが一望】

 紅葉と中央アルプスと青空

 シャクナゲの木も多い。

 花は少なくなった。ゴゼンタチバナの赤い実が目を引く。

 阿弥陀岳に近づいた。紅葉はまだこれから楽しめそうだが大分色づき始めている。

 ここまで来ると八ヶ岳の南端、編笠山や権現岳、北端の蓼科山が見えてくる。
      ↓

【手前南稜の向こうに、左から権現岳、編笠山、西岳・・明日行く山々。その奥に南アルプス。】

 北側に蓼科山方面。

 自然林に囲まれた気持ちの良い登山道。

 森林限界に近づく。


 ウラシマツツジも赤く色づいてきた。

 秋の空。

 森林限界を越えると登山道は脆く崩れやすい石がゴロゴロしている。6名ほどのグループが先行していたが、やたら「ラクー(落石の意)」の大声が飛ぶ。彼らから少し距離を置いて登っていくことにする。

11:08
 中央稜分岐。背後はより広く日本アルプスが一望。

 そして目の前のここを通過すれば阿弥陀岳山頂(写真右端)

 一見なんでもないような通過点だが・・・

 振り返ればこんな場所
        ↓

【↑ ここまで来れば赤岳も目の前にド〜ン!と見え、八ヶ岳は一望】

11:21-46
 阿弥陀岳山頂。山頂は大勢の人で賑わっていた。

 目の前には大きな赤岳。

 

 そして富士山も。

 山頂で昼食のサンドイッチを食べながら赤岳から権現岳への道のりを確かめる。キレット小屋は見えないがあの下りは間違いなく通らねばならない・・・
     ↓

【赤岳山頂(左)からの下り・・・そして一度登り返してトラバース気味にキレット小屋、今宵の宿泊地。右端は権現岳】

 その前にこの阿弥陀岳を下り・・・

 手前の中岳を越えて赤岳に向かわなければならない。

12:33-40
 中岳山頂。阿弥陀岳を振り返る。雪の下りも緊張したけれど、今回もこの下りはイヤだった。ザックが重いので慎重に時間をかけてゆっくり下りた。梯子はいつから付けられたものだろう?ここを通ったのは今回で3回目。昨年は雪で当然分からず、11年前、息子と来た時もついていなかった気がする。梯子はまだ新しいようだった。

 次は赤岳。文三郎尾根分岐が上に見える。ふぅ・・・中岳山頂で一休み。

 中岳を下って登っていく。文三郎尾根分岐がまだはるか上。

13:14
 文三郎尾根分岐。横岳から硫黄岳、その向こうに天狗岳が見える。

 まだまだ登る・・・

13:30-40
 山頂直下のキレット小屋分岐でザックを下ろし、座り込むトシちゃん。そして、「休んでいるから山頂に行って来いよ」

「また出た〜!」

 もう山頂が見えるのに。いいもん、一人で行ってくるもん。八ヶ岳の主峰だもんね♪空身で行けば楽だし〜♪・・・・・と、カラ元気!(バックは阿弥陀岳)

 10分ほど休んだら行く気になったらしい。

 行く気満々だった私・・・空身だというのに思ったよりツライ!

13:56-14:17
 やったね!赤岳山頂♪

 充分山頂展望を楽しんで分岐まで戻った。

【↑阿弥陀岳(赤岳山頂より)】

【山頂のこのアングルは初めてかも!】

 権現岳方面を見ると鞍部にやっとキレット小屋が見えた。あとはあそこまで下るだけ♪

 ところが、この下りがもの凄いガレ場で一番大変だった!もう言葉はいりません・・・
      ↓

↑分岐から歩き出す

↑少しガスが出てきたが一時的なものだった









↑ ガレ場でとにかく大変だった。バランス崩さないように注意して下る・・

 ガレ場を過ぎてようやくホッとした。

 下る途中、キレット小屋から赤岳をピストンしてきたという若い男性が、キレット小屋の水場はチョロチョロしか出ていないと教えてくれた。「持ってきて正解ですよ」と、にこやかに言い残してあっという間に下りていってしまった。彼は何も持っていなかったのでとにかく早かった。

 小屋まで、あと少し。

16:00
 ようやくキレット小屋。ザックが重かったため、ガレ場の下りにはけっこう神経を使い、案の定コースタイムより時間がかかった。しかし予定通りに到着。(16:30着ぐらいになると思っていた)

 テント場は左側に少し下ったところにある。小屋は営業していないからテン場代はかからない。その上トイレが使えるので有り難い。水場の確認はしていない。テントは全部で5,6張りあっただろうか。充分余裕があった。予想より多かったので意外だった。

 テント場から仰ぎ見る赤岳。左端が山頂。いつもとは違った赤岳の姿を眺めながらテント設営。そしてお楽しみの夕餉。


焼肉、マーボーナス、野菜たっぷりうどん(缶詰の焼き鳥入り)
発泡酒(ビールを持ってくれば良かった・・・・泣)と梅酒
そして左下は湯気の向こうに赤岳・・・・何よりのご馳走!

 靴の足慣らしと言いつつ重いザックでヒーコラ担いでキレット越えかい!と笑ってくださいますな!いやいや笑ってくださいませ!これで今日の山行の疲れも吹っ飛び、明日の活力も出てこようというもの!一泊だからこその贅沢!

後編:二日目へ