左【薬師岳山頂で】
山頂から眺める展望は少しガスが流れているものの、周囲の風景は望めた。赤牛岳〜水晶岳(黒岳)の稜線、折立へ向かう登山道のなだらかな山並みと有峰湖など久々に見る伸びやかな風景だった。後は下るだけ。山頂で思いっきりのんびりする。
下山途中、愛知大遭難碑に手を合わせた。碑に刻まれた言葉に情景が目に見えるようで、目頭が熱くなる。ここからは近いと思われたキャンプ場だがここもまた意外と遠く感じられた。
太郎兵衛平テント場は広かった。水場とトイレはほんの少し離れた所にある。トイレはペーパー付きで清掃が行き届いており、とってもきれい。ここで前日雲ノ平から来た人から雲ノ平のトイレは最悪だったと聞く。ショック!テン場に着いてすぐ行ったときは清掃中で入れなかった。テン場には受付所の建物があるが、時間で開くようだ。そこではビール(500円)とジュースなど飲み物が用意されていた。テン場も一人500円。天気が予想以上によくなり、着替えて洗濯。濡れたものもしっかり乾かせて良かった。
食事:朝 野菜入りラーメン(キャベツ、人参、タマネギ、ピーマン、ソーセージ)
昼 パンと飲み物、他随時行動食
夜 蕎麦、野菜とソーセージ炒め、みそ汁
日本最後の秘境?の雲ノ平へ
7日目(8/14水)晴のち雨
太郎兵衛平キャンプ場4:20〜黒部五郎岳分岐5:25〜薬師沢出合?〜薬師沢小屋7:00-10〜木道〜アラスカ庭園9:35-55〜雲ノ平山荘10:40〜雲ノ平キャンプ場11:05・・テント設営後、祖母岳へ(テント泊)
(所要時間約6時間45分・・休憩含む)
早めに出発。ずっと木道で歩きやすい。まだ薄暗い中、太郎平小屋は灯りが点っていた。側に流しっぱなしになっている水場には「飲めます」と書いてあった。剱沢では確か加熱して飲むようにというようなことが書かれてあった。水にあたると辛いのでしっかり煮沸し、ウーロン茶やポカリなどにして飲んでいたのだが、ここではそのまま飲んでみた。美味しい。
黒部五郎岳へのダイヤモンドコースを分けて、私たちは雲ノ平へと向かった。相変わらず木道が続き誰もいない静けさの中をトントンと小気味よい。途中今回初めての朝日を見た。やはり清々しい。
沢音のする方へぐんぐんと下り、沢に出会ったところで休憩した。トリカブトが美しく咲いていた。私たちが最初でまだ誰もいない。朝5時半、ここで山入り後初めて頭を洗った。もちろんシャンプー無しの簡単な水洗い。それでもサッパリして気持ちよかった。この時ひょっこりオコジョが顔を出したという(夫目撃)。雨の後など、沢は徒渉注意とあったが、すべてに橋がかけられてあった。しっかりしたもの、丸木で作られたもの、様々であったが。沢を通過するたびに登り返しが急で、階段など取り付けられてあった。
この早い時間にすれ違いが多くなった。薬師沢小屋から早々に来た人だろう。周囲のカベッケヶ原と呼ばれている場所は河童が出ると言い伝えられているそうだ。間もなく私たちも薬師沢小屋に到着。下りきった場所にあり、ここに泊まったらどちらに行くにも朝一の行動は辛そうだ。ここにも水が飲めますとご丁寧に書かれてあったので戴く。美味しい。谷底で、展望といってもきれいな沢を眺めるだけだがしばらく休憩し、出発。
左【薬師沢小屋前の吊り橋】
目の前のしっかりした作りの吊り橋を渡る(一人ずつ)。そして今度は垂直な梯子を伝って河原へ下りる。これは高天原へ行く登山道ではないかと地図を確認するが、そこから5〜6mほどの所で高天原と雲ノ平の分岐があった。高天原の温泉に入りたいと思う気持ちを抑えて雲ノ平へ。しかしこの温泉は誘惑だった。けっこう魅力的な温泉のようだ。今でも思う、行ってみたかったなぁ・・・。
そんな願いを断ち切って、雲ノ平へ向かったが、登りはずっと急だった。石や木は苔むしていて、ここは下りの方が気を遣うかもしれない。雲ノ平から下りてくる人は慎重に下りていた。休憩しているとき、若い女の子二人が重そうなザックにもかかわらず軽快に登っていった。しかもスピードがある(@.@)。
私たちはゆっくりコンスタントに登っていく。ん?今日は調子がいいぞ!約2時間、予定より早く木道に到着。あとは緩やかな傾斜の木道を登っていくだけ。スゴ乗越のテン場にいた男性に教えてもらったブルーベリーの実をつまみながら歩いていった。
左【アラスカ庭園】
アラスカ庭園で休憩。雰囲気がとてもよい。ここにいた人からも雲ノ平のトイレの不評を聞く。そこからゆっくり散策を楽しみながら、とりあえず祖母岳を通過して進む。早めに着いたのでもう少し先に進もうかという気持ちになりながら雲ノ平山荘まで来ると、なんと立て看板にカツ丼、カレー、ケーキセット・・・など魅力的な言葉が目に飛び込んできた。「カツ丼食べたい・・」という夫を「ダメダメ・・」と引っ張って今宵の宿泊地は雲ノ平にしようか、三俣蓮華岳キャンプ場に変更しようかと迷っていた。
左【雲ノ平キャンプ場と正面は祖父岳】
雲ノ平キャンプ場は広かった。着いた時点でまだ11時。時間がもったいないが、三俣蓮華のテン場までとなると無理。結局そこでテントを張ることになった。周囲の人たちと話しながらやっていたため、とりあえず水晶岳(黒岳)だけでもピストンしてこようか、という目論見も時間的に不可能になったため、雲ノ平散策をすることにした。テン場の申し込みに行きながら祖母岳に登ってきたのだが、カツ丼の誘惑から逃れられなかったのは言うまでもない。しかし残念ながらカツ丼は売り切れ、二人ともカレーだった。十分な量で1000円なり。久々にボリュームのある食事にありついた。北アルプスならではである、歓喜、感涙!(オーバーか・・)。テン場は一人500円。自主申告しないと、回収には来ない。トイレの清掃しながら来ればいいのに。トイレは聞きしに勝る汚さだった。
祖母岳山頂はアルプス庭園となっていた。なだらかでゆっくり登っても往復30分とかからない。登ったとき水晶岳にはガスがかかっていたが、天気なら展望よく気持ちがよさそうだ。この時は誰もいない中、しずかな雰囲気が楽しめた。お花もまだ沢山咲いていたが、咲き残りという印象。やはり7月の海の日辺りがきれいだと聞く。雨が降り出し、慌てて戻るがすぐに止んだ。
食事:朝 野菜入りラーメン(キャベツ、人参、タマネギ、ピーマン、ソーセージ)
昼 カレー(雲ノ平山荘で注文)、他随時行動食
夜 白めし、麻婆春雨
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