朝起きるとマイナス2度。シュラフは3シーズン用でしたがホッカイロを使わずに気持ちよく快眠♪とはいえ、夜中の12時ごろ隣のテントの話し声で起こされしばらく続いたのは迷惑でした。

 朝食はラーメン、体が温まります。予定より30分遅れの4時半出発。横尾山荘も早々に灯りが灯っていました。
 ヘッデンつけて暗闇の登山道。十三夜の月は既に沈んでしまいました。十五夜に続いて早朝のカモシカ山行♪整備されていますが気をつけて進みます。

 前にもヘッデン、後ろからもヘッデン・・・と数名のお仲間はいました。しかもこんな時間で早くも屏風の中腹にも灯りが動いています。クライミングは場所取りで早いのでしょう。

 前方の上の方に北穂高山荘の明かりも見えてきます。穂高に行くと、山の燈台のような感じです。ここの食事は今でもレストランみたいなのかな?クラシックが流れ、優雅な雰囲気だったのを思い出します。また行ってみたい♪


 本谷橋まで行くと明るくなってきました。少し休んでからまた歩き出します。

早朝の明るさではせっかくの紅葉が
きれいに写りませんでした。

それでも何枚写したことか!

モルゲンロートは諦めていましたが
幸いにも途中から少しだけ
垣間見ることができました。



こればかりはやはり涸沢にテントの方が良さそうです^_^;

 霜もおりて・・・

日陰になっているのできれいに写りませんが、
素晴らしい紅葉です。

 振り返ると歩いてきた両脇も紅葉づくし!

 すごい、すごい・・の連呼です(^^ゞ
 ドライフラワーになっていました。こちらもきれいな黄色です。



 写真を撮りながらゆっくり登って、涸沢ヒュッテには3時間ほどで到着。

ヒュッテのテラスから目の前に広がるテント場
このどこかにカズさんたちがいるのでは?と
目を凝らしますが、当然分かりません。
これでは遭遇の確率はかなり低そうです。


カラフルなテント場です。
500張りくらい張れるそうですが
これでいったいどのくらいあるのでしょう?
 ヒュッテは眺めが良かったのですが、日陰で寒いため、7時半ごろ涸沢小屋の方へと移動しました。移動しなければどうやらカズさん達と遭遇のチャンスはあったようですが、こんなものです^_^;

 穂高山荘へと続くザイテングラード、あんなに急だったっけ?と安堵の胸をなでおろすトシちゃんでした。

そうなのです。今回は高みを目指さず
涸沢でマッタリタイムを過ごすことにしています。

ということでジャ〜ン!やっぱ涸沢といえば
ソフトでしょう♪


10時ごろまでゆっくりしよう〜なんて、
珈琲もいただいたりして♪


 涸沢山荘からは屏風の陰に常念岳も見えました。
 あまりの天候の良さに、テラスでのんびりはもったいないようでしたが最高の時間でした。2時間ほどまったりしてそろそろパノラマコースへ。涸沢カールの景観を楽しみながらのんびり移動です。




右の建物がキャンプの受付。13時からですが先に設営可。
(大人500円、子供300円)

ココには貸しテントがあるのですね。
初めて知りました。
受付前の緑色のエスパースがそうなのかな?
テントの下は板敷きになっていて快適そうです。
(3人用5000円、4−5人用6000円、6人用8000円)

ぐるり涸沢の紅葉


 ふたたび涸沢ヒュッテ。

 ヒュッテの周辺は丁度最盛期、とってもきれい♪





 パノラマコースの先には形良く聳えている屏風。
 初めて通るパノラマコース。名前だけはまるで気楽に歩けるハイキングコースみたいだけど・・・

かなり際どい。

下を見れば限りなく美しく

 ホッとする場所もあるけれど・・・

 谷間の紅葉に励まされて進む道は・・・
 緊張を要します。

 雨や雪など降ろうものなら・・・
 通りませんって、こんな道。

 あの方も登られたこのコース。事前の情報があればこそのトライです。


 素晴らしいじゃありませんか〜♪ あっ、アナタのことじゃありませんから、ちゃんと前向いて!足を滑らせたらキケンですからね。
 あぁ、キケンなのはワタシの方でした(汗;

 足を滑らせたら間違いなく滑落。でも気をつければスタンスはありますから大丈夫です。

 要所にはロープがついていますが、野晒しで劣化の可能性が高いですから、あまり頼りにしない方が良いです。新しくったって何度も岩で擦れれば分かりませんからネ。

 小説『氷壁』となった実話のザイル事件は前穂とばかり思っていましたが、このコースにそのケルンがあるのを後程知ることとなります。
 緊張と安らぎのフルセット。

 吸い込まれそうな美しい涸沢の谷間。吸い込まれてはいけませんが・・・(^^ゞ










 前の方でつかえているようです。渋滞になってしまいました。前の様子が見えないので、大きなザックの人は「前進んでいますか〜?」とか「ロープに頼っちゃいけませんよ、古いのもありますから」と、前に声をかけていました。

 それにしてもテント泊装備でこのルートは通りたくないっす^_^; ワタシなど緊張倍増ですよ〜!!!


 待つ間に目を転ずれば槍が見えてました。
 \(^o^)/

 青空にすっと指しているようです。しばし見とれてました。この後も前がストップするたびに稜線と紅葉の景観を楽しみ、まったく退屈しない良いコースでした。
 このコース、一方通行ではありません。時々すれ違いもありました。下りの方が圧倒的に多いのですが、涸沢へ向かう時は時間帯や時期を考慮した方が良さそうです。



稜線に出ると富士山や南ア、中アの山塊が!


槍ヶ岳


左奥が屏風の頭、手前が屏風の耳


 大勢の人でビックリしました。此処が屏風ノコル。
 ザックを置いて空身で登る人が多いようです。

 私たちはアタックザックなので背負ったまま登って行きました。

 すれ違いの多い中、頭の上から「トシちゃん!」という声。見上げるとにこにこ笑っているカズさんの顔! OH!ビックリです。まさかこんなところで会えるとは思いませんでした。間もなくシェフさん、プーさん、ケロヨンさんも下りて来ました。

嬉しい遭遇!
今回は会えそうで会えないだろうと思っていただけに
ビックリするやら感激するやら。

(phot by カズさん)

我らの情報は駐車場の車でいち早くキャッチされていたようでした(笑)
 狭い登山道の途中でしたので、少しでも邪魔にならないようにと脇へ寄り、互いに歓声をあげて話していると、拙ブログを見てくださっているというカブさんから声をかけていただきました。

 同時に二組との遭遇!なんて奇遇でしょう!カブさん、どうもありがとうございました。ゆっくり話せなかったのは残念でしたが、これからもよろしくお願いいたします。


サイの河原展望台までで良いと言っていたトシちゃんでしたが
カズさんの言葉に促されて屏風の耳に行ってみました。

ここは登って正解!!!
素晴らしい展望が待っていてくれました♪





富士山と南アルプス


手前は屏風ノ頭から延びている尾根。
その向こうが天狗原へ続く横尾尾根、
槍から西岳をつなぐ東鎌尾根。
そして、
奥に見えるのはまさしく野口五郎岳から不動岳の稜線のようです。


 思いがけなく、間違えて持ってきてしまった『剣・立山』の地図が役立ちました。二人で大笑いです。

キレット。二年前に通りました。


屏風の耳より360度の展望
(屏風ノ頭と言っていますが、屏風の耳からです)

屏風の耳より展望と紅葉

 昨夜炊いたご飯の残りで作ったおにぎり。
 
 ゆかりと自家製梅干と海苔。北アルプスの名峰を眺めながらなんですから最高の味です(^^♪

もう一つの耳


そちらにも行ってみました。
誰もいません、独り占めでした(^^ゞ


逆に最初の耳を写します。
トシちゃんが手を振っていますが、
後からコチラへやってきました。

正面に前穂高岳と北尾根、このコースも行く人がいるんですね。
そちらはキャリアと技術を伴わないと無理ですが、
通常は右の奥穂高とつながっている吊尾根が一般ルートです。
私が歩いたのはもう十数年前・・・


トシちゃんも奥の方の耳にやってきて、
昔は北尾根を登ったことがあるという男性に
下2枚写して貰いました(^^ゞ


 明日、登る予定の蝶ヶ岳。

 麓には我らがテント場の横尾が見えます。
 蝶ヶ岳から常念岳(左)へ続く稜線。ここもかつて残雪期に歩きました。いろいろあって大変でしたが感激の大きい山行でした。(読んだ本、ノンフィクション『いまだ下山せず!』を思い出します)

 屏風の耳で1時間以上ものんびりと堪能して、ようやく下山。こんどは目の前のサイの河原に寄っていきます。
 サイの河原より眺める屏風の耳。左側は南岳から槍ヶ岳。

 下り、「この辺りは随分葉が落ちて白くてトシちゃんみたい!」に思わず頷いてます(^^ゞ

 コルに戻ってからは紅葉のきれいな気持ちの良い登山道が続きます。





 河原で小休止。

 しっかりと確認はしていませんが、水は枯れていたと思います。
 ※ナイロンザイル事件

 ここだったのですね。井上靖の『氷壁』、昨年でしたかリニューアルされNHKでK1を舞台にドラマ化されてました。この小説を読んだのは中学の頃だったと思いますが、当時はおそらく旬の作品だったのですね。物凄く引き込まれた作品でした。


 新村橋を渡れば上高地や横尾の分岐。
 初日に確認した場所です。工事用車両の道があり、通れれば近道でしたが立ち入り禁止になっていました。




テント場に戻り、見上げる屏風は一際実在感がありました。


テントは前日より減っていました。

今日はテント場着4時半。
またまた楽しみな夕食は今日もテントの外で♪


メニュー
・・
おでん(レトルト)
アボカドサラダ(前日と同じ)
ウィンナー
つまみ(柿の種)
味噌汁(即席)
ビール、梅酒
お汁粉(ゆであずき缶、餅)
コーヒー(インスタント)


おでんで乾杯!(^_-)-☆




 翌日は蝶ヶ岳へ

北ア:涸沢〜蝶ヶ岳(2日目:横尾〜涸沢〜屏風の耳〜横尾)
(からさわ2309mクリック地図 〜びょうぶのみみ2565.4mクリック地図〜ちょうがたけ2677mクリック地図

 涸沢でゆっくり紅葉を楽しむため、朝は早めに出発。モルゲンロートは間に合わず途中から少し垣間見ただけでしたが最盛期の紅葉を楽しめました。この季節は初めてなので例年との比較はできませんが今年はきれいとの噂です。パノラマコースから下山しましたがなかなかスリリング。屏風の耳からの涸沢と山岳展望は圧巻。
 H20年10月11-13日(土〜月)
  天気;快晴
  Member.2人(トシちゃん&sanae)

【コ ー ス】(〜は歩、休憩含む。・・・時間は所要時間) 
1日目:沢渡p⇒上高地バスターミナル8:30〜明神9:28-35〜徳沢10:25-35〜横尾キャンプ場11:28(テント泊)・・・3時間

2日目:横尾キャンプ場4:25〜本谷橋5:30〜涸沢に約3時間(小屋分岐7:15〜ヒュッテ7:26-30〜小屋7:50-10:00〜ヒュッテパノラマ分岐10:25)〜屏風のコル11:30〜遭遇11:40(20分くらい立ち話)〜屏風の耳12:14-13:28〜サイの河原13:40?〜屏風のコル13:56〜横尾キャンプ場16:35・・・約12時間

3日目:横尾キャンプ場6:32〜(遭遇6:55〜7:25頃)〜横尾分岐9:50〜三角点9:58-10:16〜分岐〜山頂(最高地点)10:50-11:30〜分岐11:50〜横尾キャンプ場13:20-14:25(テント撤収)〜徳沢15:10〜明神15:52〜河童橋16:30〜バスターミナル(約30分待ち)17:00頃発⇒沢渡p・・・約10時間

↑ 涸沢