奈良県;吉野山〜青根ヶ峯 (よしのやま あおねがみね 858.0m) (クリック地図 ) |
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いつか見てみたいと長年思いつつ、今年こそと予定に入れていた吉野の桜を見に行ってきました。例年は10日前後?に満開のようですが、今年は開花が少し遅く下千本、中千本、上千本が丁度見頃でした。奥千本はまだ蕾でしたので、一週間後くらい?には楽しめそうです。 (翌17日:岐阜県根尾谷の淡墨桜他) | ||
H23年4月16日(土) 天気;曇り Member.2人(トシちゃん&sanae) 【コ ー ス】(〜は歩、休憩時間含む。=は乗り物) 下千本P6:40〜如意輪寺〜後醍醐天皇陵〜中千本〜水分(みくまり)神社〜高城山展望休憩所〜金峰神社〜青根ヶ峯11:06-50〜奥千本、西行庵〜金峰神社12:46-13:02〜水分神社〜中千本〜金峯山寺蔵王堂〜下千本P15:30 |
↑ 中千本の桜 |
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トラック |
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前夜出発し、途中休憩しながら夜通し走って朝6時過ぎに下千本の駐車場に到着。 隣で睡魔に負けていたsanaeですが、トシちゃんは一睡もしないまま。途中運転を代わりましたが、トシちゃん全然寝る気配がありません。なのですぐまたトシちゃんに代わってしまいました。出発前に少しだけ仮眠したので大丈夫だったそうです^_^; 新しくしたカーナビが目を覚ましてくれていたのかもしれません(^^ゞ |
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6時を過ぎ、仮眠する時間ではないから・・とそのまま支度して出発します。朝早いので駐車場はガラガラ。ところどころにある駐車場は一律1500円。 | |
コースはささやきの小径(というらしい)。吉野温泉元湯方面へ。 | |
舗装された道路ですがまだ人も車も少ないので気持ちの良い朝の散歩。苔むした山肌がしっとりした雰囲気で、奈良にキターッと感じさせてくれます。 標高は低く関東でいえば昨年歩かれたcyu2さんの言われるように、高尾山を歩いているような感じです。山野草もなじみのあるタチツボスミレやジロボウエンゴサクが満開。バイモがこんなにたくさん咲いているのを見るのは初めてでした。 |
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【タチツボスミレ】 |
【ジロボウエンゴサク】 |
【バイモ】 |
【バイモ】 |
前日の雨のせいか空気が澄んで気持ちの良い朝でした。でも少し靄がかかっています。 | |
吉野温泉元湯。今日あたりは泊り客で混んでいるのかもしれません。日帰り湯は無理だろうねなんて話しながら通過です。 | |
淡い桜の色合いがとても素敵です。 | |
吉野は全体に山桜(シロヤマザクラ系)がいっぱいとは聞いていましたが、早くもいっぱい咲いています。どのあたりまで咲いているのかワクワクしながら進んで行きました。 | |
関東には東海道自然歩道というのがありますが、こちらは近畿自然歩道。 | |
目の前に広がる桜、さくら、サクラ・・・ |
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素晴らしいです。来た甲斐がありました。 | |
時間が早いですからのんびりとあちらこちら寄り道しながら行きます。先ずは如意輪寺へ。 ザックは山用をそのまま持ってきましたが、小さいものに移しかえるつもりでした。でも必要なものを選ぶのが面倒で結局そのままです(^^ゞ |
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如意輪寺の山門。上千本、中千本が見渡せるようです。 | |
まだ静かな如意輪寺境内。正面に本堂。 どこから眺められるのだろうと見回すと、この左側には宝物殿がありました。せっかくですから入ってみます(@400円) |
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宝物殿の天井に描かれている油絵。寝ながら眺める“寝おがみの観音”モデルは御本尊如意輪観世音。下の台に寝て上を向いて、拝みます。 | |
吉野大曼荼羅。 | |
金剛蔵王権現木像など。 他にも楠正成、正行(まさつら)親子に関する絵画や短刀、正行の辞世の句など展示してありました。 歴史との出会いは思いがけない所にあるものです。 |
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【カキドオシ】 |
【庭園内】 |
多宝塔 |
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残念ながらガスが上がって 展望は駄目でした。 でもそんな中に咲く桜はきれいでした。 |
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楠正成、正行父子の像。 | |
※如意輪寺HPより 「建武3年(1335)5月21日、楠木正成公、湊川の決戦に向かうにあたり桜井の役で、長男楠木正行と今生の別れを告げる。 正行は父に従わんと願ったが、正成曰く「後に残り忠孝を励め」と短刀一振りを与えて河内へ帰す。 時に正行11才である。これが、有名な桜井の別れである。」 |
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後醍醐天皇御霊殿。 | |
中には後醍醐天皇御自作の木像が安置。 | |
後醍醐天皇御陵。宮内庁管轄です。 その昔、皇室が二派に分裂し、京都の北朝に対し吉野を南朝とした南北朝時代がありました。その南朝側が後醍醐天皇でした。鎌倉幕府から室町時代へ変わる頃のこと、鎌倉幕府を倒して一時は建武の新政を布いた後醍醐天皇ですが、その後も混乱が続き、吉野に逃れて朝廷を開いたのでした。戦いの一生であり無念の末期だったのでしょう。 |
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その後朝廷は一つになりますが、約半世紀の間この吉野も都だったのだと改めて思い出し、当時からこの山桜の風景だったのかなぁ・・と思いを馳せてしまいます。 太閤秀吉が吉野で派手にお花見をしたとかいう話は有名ですが、いろいろ歴史も重なって、なかなか興味深い所だと思いました。 吉野山というものの今では誰でもこうしてバスや車で立ち入ることができるのですから過去の偉人はびっくりしているかもしれません^_^; |
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車道を避けて散歩道を行きますが、早目に歩きはじめていた お陰で静かな散策が楽しめました。 | |
ソメイヨシノの華やかさとはまた違って山桜はとても清楚な印象でした。山歩きをしていると山肌に散らばる山桜が素敵なのですが、こんなに山一面が桜色に染まっているのを見るのは初めてです。 | |
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ヤマザクラに混じってミツバツツジも。 |
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イロハモミジの新緑も |
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ミツバツツジも満開。周囲には山野草。 | |
【ショウジョウバカマ】 |
【ヒナスミレ】 |
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水分神社方面へ。 | |
柵など無く、どこでも自由に歩けて自由にシートを敷いてお花見しているのがとても懐かしい風景でした。 | |
もし青空だったらピンクが映えてもっと素敵だったでしょうに、ガスがあがって時々見えなくなるのが残念でした。 | |
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何を採っているのかはわかりませんが、山菜採りをしている人もたくさんいました。急斜面でも慣れているようで地元の人なのかもしれません。 |
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滝もあるようですが、パスして水分神社へ。 | |
日拝地蔵。 | |
吉野といえば吉野杉。日本三大人工美林(吉野杉・静岡の天竜杉・和歌山の尾鷲檜)の一つです。 ここ数年おさまっていた花粉症ですが、今年は珍しく重症の私(涙) 気になりましたが恐れていては山歩きができません^_^; こういうときはマスクもしませんが、幸い花粉症が酷くなることはありませんでした。前日の雨がよかったのか、あるいは時期的に少なくなっているのか分かりませんがホッとしました。 |
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静かなコースでしたが場所によってはカメラマンがまとまってスタンバイしています。みなさんちゃんとベストスポットをご存じのようで、そうなると私達も同じようにカメラを(コンデジですが)構えてみますが出来栄えは同じというわけにはいかず残念(^^ゞ | |
展望台へ。 いろいろな歴史の説明書きが要所に。 |
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展望所に向かうと小高い場所に三郎鐘。その下にはぜんそく地蔵尊。 世尊寺跡に残る梵鐘は「吉野三郎」と呼ばれ、平忠盛(平清盛の父)が寄進したものだそうです。この吉野にはいろいろな時代の史跡が残っていて驚かされます。 ※奈良・東大寺の鐘を「奈良太郎」、高野山金剛峯寺大塔の鐘を高野二郎、そして「吉野三郎」。(唐から日本へ運ぶ途中に海に沈んだという巨鐘を「海に太郎」と呼び、「海に太郎、奈良次郎、吉野三郎、高野四郎」と称する場合もある)。・・・Wikipediaより |
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世尊寺跡の展望台。花曇りで遠望は利きませんでした。 | |
展望台より(帰りに写したもの) この辺りの桜を「雲井の桜」と云い、遙か下に蔵王堂を望みます。 |
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正面に水分神社。手前にはお好み焼き屋さんの旗^_^; なのでこのコースを歩いている人は皆さん街中を歩くような服装です。私達は浮いていた?^_^; | |
水分神社。この辺りが上千本。桜はきれいに咲いています。 | |
水分神社(みくまりじんじゃ)・・・読めません^_^; |
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中に入るとまるでお屋敷のようです。 |
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西行法師像。 | |
神輿?珍しい形です。 | |
本殿は屋根の葦替中でした。こちらは国の重要文化財。 | |
中庭 | |
再び杉林を通って奥千本へ。やはり山というより観光地。 | |
疲れたね・・・と言いつつ高城山展望休憩所へ。ちょっとした登りですが、立派な休憩所で椅子もテーブルもあり、ゆっくりと一休み。 | |
すっきりと晴れていないので見えるであろう遠くの山並みはぼんやり霞んでいました。この辺りまで来ると桜は蕾。咲くのは一週間後くらいでしょうか? | |
さらに奥へ。修行門と書かれていますが、ここはそもそも大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)。吉野と熊野を結ぶ大峯山を縦走する、修験道の修行の道です。 以前(1999年5月・・・12年も前^_^;)その奥駈道を前鬼から釈迦ヶ岳、八経ヶ岳、行者還岳、大普賢岳、和佐又山へと縦走したことがあります。ここからその稜線へと続くのですが、途中の山上ヶ岳は女人禁制。 今回も女人結界を避けて縦走の計画もあったのですが一か月以上歩いていなかったこともあり、日帰りに変更しました。 |
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その修行門前の広場にはたこ焼き屋さん。此処までバス(ケーブルバス)も入るようです(有料)。 | |
金峯山寺。金峯とはこの辺りから大峰にかけての総称で、昔金脈があったことからついた名称だそうです。 世界遺産となった熊野古道の一部ですが、その熊野古道をいつかまたゆっくりと歩いてみたいと思っています。いつのことになるか・・・ |
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もちろんお参りしていきます。側には義経の隠れ塔というのもありますが、そこはパス。 それにしても鎌倉幕府が始まる頃義経が追われてこの吉野に隠れ、鎌倉幕府が後醍醐天皇によって滅ぼされ新しい時代に代わる頃その後醍醐天皇が吉野に逃れていたわけですから、何とも妙な廻り合わせです。義経の隠れ塔に寄ってみれば良かったです(^^ゞ |
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右西行庵、苔清水には帰りに回ることにして先に青根ヶ峯へ。 | |
吉野杉と笹の道はようやく山という雰囲気になりました。金峯山寺からこちらへは途端に人が少なくなります。 | |
昔は青根ヶ峯の直下が女人結界だったようです。今では山上ヶ岳の麓が女人結界になっています。 | |
青根ヶ峯へ。 | |
昨夜家を出てから一睡もしていないトシちゃん、途中足が攣ったりしてこのわずかな階段も辛そうでした^_^; 梅干を口にして凌ぎます。 | |
青根ヶ峯山頂。展望が無くて残念。どっちにしても曇り空でしたけど・・・ | |
間もなく反対側から大勢次々に登ってきて狭い山頂はすぐにいっぱい!お陰でお互い写真を撮りあいお昼にしますが、殆どの人はちょっと休憩してすぐ下りて行きました。吉野からの人は少なく蜻蛉(せいれい)の滝の方から登って吉野へ向かう人が多かったようです。お花見しながらお昼にしたのかもしれません。 | |
山頂でのんびりして同ルートを戻ります。 ここまで何も持たず手ぶらで来る人も数名。人が多いですし、少し下ればお店もいっぱいありますから手ぶらで十分かもしれません。 |
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寒くなってきたと思ったら、間もなくパラパラとヒョウのようなものが落ちてきたので早目に合羽を着ました。でもすぐに止みました。 | |
苔清水。飲んでいる人がいて、冷たくて美味しいと言っていました。 | |
西行庵のある奥千本。ここの桜はもちろん蕾。咲いたらお花見に丁度好さそうな広場です。 この格好、やはり浮いてましたが我等はノープロブレム^_^; |
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西行庵。 西行は武士であり、僧侶となって、歌人でもありました。世の無常を儚んで23歳で出家ですか・・・ “願わくは花の下にて春死なん そのきさらぎの望月の頃”と詠んで、まさにその通りの最期となりますが、こういう場所に住んでいたら、その気持ちが分かるような気がします。1190年、73歳で亡くなったそうですから当時としては長命だったのですね。平安時代末期に生きて、源頼朝とも会っているそうですからこの吉野に縁のある人だけでも面白いつながりがあるものです。 |
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西行庵から少し登り返してようやく下りになりました。 | |
金峯山寺の休憩舎で合羽を脱いで小休止。この頃には大勢の人で賑わっていました。 ここにはトイレ(水洗)もあります。少し並んでいましたが、ここで済ませて正解でした。この後下山するとお花見でいっぱいでしたから、どこのトイレも長蛇の列! |
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犬を連れていた人も多かったです。 | |
こんな大型犬も。 特別規制はされていないのかもしれませんね。 |
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水分神社前を通過して |
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下りは賑やかなメイン通りを行きました。 |
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手に持っているのは吉野杉の割り箸です。 | |
小さな坊やが自宅の庭先でお手伝いしていたので買いました。 吉野杉の間伐材で作っている割り箸は輸入品より高いですが、その利益金は日本の杉林の整備など守る為に使われるので国産を買ってほしいと聞いたことがあります。今、災害の後で日本経済が大変ですから余計心がけたいと思い購入・・・ってわずかな貢献ですが^_^; |
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【コミヤマカタバミ】 |
【ユリワサビ】 |
この桜の下に行き、私達も一休み。 こんなところでテント張れたら最高ですけど それは許されないのでしょう。 火器も禁止でした。 |
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お土産屋さんの通りはとても混雑していました。のんびりと一軒、一軒見て歩きたくなりますが、トシちゃんはどんどん先に行ってしまいます。見失わないようについて行きますが、写真撮ったりしている間にも見えなくなってしまうのでした。 |
どのお店も大繁盛。柿の葉寿司のお店が人気あるようでしたが、私達は早目に上の方で購入済み。翌日食べましたが美味しかったです。 | |
蔵王堂への登り途中で振り返ったところ。山には桜が咲き、通りには人の花。 | |
蔵王堂。 どんどんと大太鼓の音が鳴り響いていました。 |
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人込みを避けて先に進み、蔵王堂正面の階段。 | |
七曲から下りて行くとこちらも桜が満開できれいです。 | |
今回丁度良い時に来ることができて最高でした。 | |
キランソウ(ジゴクノカマノフタ)。 側にはネコノメソウもありました。 |
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七曲を下りると下千本。駐車場は近いです。振り返るとケーブルカーが丁度見えました。 | |
駐車場に戻ると車が満杯!コースでは途中通行止めの場所もありますから車の場合は早目に行った方が良いです。遅くなった場合は大和上市駅側の吉野川河川敷駐車場に車を置き(1500円)、シャトルバス(無料)で移動という手もありますが、シャトルバスの終了時間、駐車場の営業時間が決まっているので要注意です。 | |
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