冨士方面・三ツ峠山
(みつとうげやま1785.2m)
四季それぞれに歩いてみたい宝北口登山口からのコース

 H13年12月16日(日)
  天気;快晴
  Member.2人(夫婦)

 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)

宝北口登山口7:20〜千段の滝始まり7:45〜初滝8:15-20〜七福の滝8:45〜白竜の滝9:15〜(休憩9:20-40〜想い出記録ノートBOX10:05-10〜稜線(御巣鷹山直下)11:20〜開運山〜三ツ峠山山頂10:35-40〜御巣鷹山山頂10:50-11:40〜白竜の滝12:10〜初滝12:50〜宝北口登山口13:20
(所要時間約6時間・・休憩含む)

  【白竜の滝、凍っている】右


 三ツ峠山は既に二回登っていたが、今回の宝北口コースは知らなかった。Martyさんの行ったという記録を読んで、ここは是非行ってみたいと思っていた。超オススメということだったが、その期待を裏切らない素晴らしいコースだった。山頂の賑わいとは裏腹に登下山どちらも一人も出会わぬという、静かな、珍しくも嬉しいコースだ。Martyさんが行ったのは先月(11月)の22日(木曜日)。おそらくその頃とはまた様相が違っていたことだろう。しかし、ここは四季を通して歩いてみたいコースだと思った。沢沿いを登っていくコースで、最近ではriwaさんに教えていただいた丹沢の札掛から行った境沢コース(13.10.20)に似ている。ここも素晴らしかったのを思い出す。

左【初滝の側の梯子】

 前日三方分山足和田山を登り、途中で温泉と食事をすませ、宝鉱山の登山口まで移動した。車は登山口に2,3台、その先にも2,3台は置けそうだ。夕方の7時前には着いたが疲れていたため夫はドタンキュー。早いと思ったが私も7時半には眠ってしまった。夜中に何回か起きたがそのたびに眠り直す。目覚ましをセットせず、11時間近く寝て、起きたのは6時。まだ暗かった。のんびりとお湯を沸かしたりして支度し、7時20分出発。前日よりは寒くなかったがそれでも零下2度。少しの間フリースを着たまま歩いた。でもすぐ暑くなり、脱いでしまった。

 コースは要所に標示されており、分かりやすかった。しかし途中、本社ヶ丸へ行く破線のヤブルートへの道が分からなかった。初滝までの間徒渉2回とあったが、水はなかった。この沢は今の時期涸れているのかと思ったが、間もなく水音が聞こえてきた。水受けの石とかかれているのを妙に感心しながら先に行くと、千段の滝始まりと書かれている。ここはいやにこじつけの名前が書いてあると思わぬではなかったが、この千段の滝、なるほど・・・これは素晴らしい!と思うことが続くのだった。沢水は木や岩と絡み合って凍りつき、見事な造形美を見せてくれている。朽ちかけた小さな赤屋根の祠と、鉄の梯子が見えてくるとそこは初滝だった。大きな岩の上に登って、滝を見ながら休憩。これでもう満足モード。

左【この小さな梯子の前後が要注意】

 梯子を登って少し横へ捲き、尚も登山ルートを登っていく。前日の三方分山の荒れた急な登山道を歩いた後のせいか、歩きやすく感じる。また一箇所徒渉。水が少ないのでまたげるが、水が凍りついているので滑らないように注意が必要。渡るとちょっと登りにくい所があった。何とか登って小さな梯子を登り、崩れた登山道を少し回り込むと正面の滝がつららの連なりで表面は氷瀑となっていた。既に陽が射し込んでいたが溶ける様子はない。カチカチだ。その奥に水の滴り流れる音が響いている。

 その驚喜は尚も続く。次から次へと氷の滝が連なって出てくるのだ。七福の滝、白竜の滝と、カチンコチンに凍りついて、それはそれは見事だった。写真を撮るのと眺めるのに夢中でなかなか先に進まない。

 白竜の滝の少し先の日当たりの良い場所で休憩。雑木林はすっかり落葉して、見晴らしがよい。街並みや遠くの山並みを山座同定しながらのんびりと風景を楽しんだ。このコースは新緑も紅葉もきっと見事だろう。夏も涼やかでいいかもしれない。また季節を変えて来てみたいものだと思った。

 再び歩き出して、沢音とも離れつつ尾根に向かうとやがて想い出記録ノートの入っている箱が見えてきた。これだと思い、中を見てみる。あった!Marty(とは書いてなかったけれど)さんだ。その後に翌日の23日に3パーティの記録があるだけだった。私も記帳。多分書いていない人もいるだろうけれど、やはりここを歩く人は少ないのかも知れない。

 ここまでくれば尾根までは近い。稜線に出ると正面に富士山が美しく見えた。今回のコースの難を言えば、登る途中富士山が見えないことかも知れない。でもこうして対峙する喜び、楽しみがある。この日の富士山は雲一つかかっていない。真っ青な空に、真白き冨士の嶺。しばし見とれた。

左【三ツ峠山山頂からの富士山】

 先に三ツ峠山山頂へ。辿り着いた頃、小屋の方からも大勢登ってきた。静かな山頂はやはり無理だった。残念。ここからの富士山は絶品だったが、小屋の方には団体も見え、とちゅうにも途切れることなく大勢登ってくるので、5分ほど眺めてから御巣鷹山の方へ行くことにした。山頂はさすがに寒かったのでフリースを着た。気温は氷点下8度くらい。

 三ツ峠山は大きな鉄塔が建っているので周辺の山からはよく目立つ。それだけに山頂は味気ないものがある。開運山といったって、標識は見あたらず大きな鉄塔だけ。御巣鷹山も標識があったのかどうか気づかなかった。鉄塔の北側に行ってみると、南アルプス・八ヶ岳が見えた。すぐ目の前には本社ヶ丸がある。ここから行ってみたいが今日は無理と諦める。

 三ツ峠山山頂よりこの御巣鷹山の方が穏やかだった。少しでも冷たい風をよけ、鉄塔の階段の所で温かい飲み物を飲みながらサンドイッチを食べ始めた。すると、山頂にいた団体が一度にこちらへやってきた。やはり風を避けたかったのだろう。鉄塔脇に一列に座って賑やかな昼食となった。正面に富士山が見えたが木があるので三ツ峠山山頂のようにきれいには見えない。それも落葉時だから見えるのであって、葉のある時期はもっと見にくいだろう。

 ゆっくりしてから同ルートを下山。それぞれに1,2回尻餅をついて、再び景観を眺めながら下っていった。登りでは見えなかった風景、下りでは気がつかなかった風景を感じつつ。

 人気の山だけに、下りも登りも誰一人出会うことなく静かな山歩きが出来たのは思いがけなかった。そして素晴らしいコースだっただけに最高だった。

 下山後、時間が早かったので、もう一座という欲も出るがそのまま帰路につく。道なりに都留市に向かえば中央道の下を通り、左折すれば、そのまま中央道に入っていける。交通の便はよい。道路も空いており、約2時間後の3時半過ぎには自宅(川崎)に到着。