富士山眺望の山歩き
大菩薩:小金沢連嶺〜南大菩薩縦走
後編クリック地図
【全コース】小金沢山(こがねさわやま・雨沢ノ頭2014.3m)〜牛奥ノ雁ヶ腹摺山うしおくのがんがはらすりやま1994m)〜川胡桃沢ノ頭かわくるみさわのあたま約1940m)〜黒岳くろだけ1987.5m)〜白谷丸しらたにまる約1920m)〜大蔵高丸おおくらたかまる1781m)〜ハマイバ丸(1752m)〜大谷ヶ丸おおやがまる1643.8m)〜滝子山たきごやま1590.3m)


 石丸峠から湯ノ沢峠に至る尾根を小金沢連嶺と呼び、湯ノ沢峠から滝子山に至る尾根を南大菩薩と呼んでいるそうです。その両方をつないで歩き通したことは大変でしたが、期待通りのきれいな富士山を前方に見ながら歩くことが出来て満足でした(小金沢連嶺:前編〜南大菩薩:後編)。 
H22年3月20-22日(土〜月)
天気;下記
Member.2人(トシちゃん&sanae)

【コ ー ス】(〜は歩、所要時間は休憩時間含む) 
1日目(晴):裂石8:08〜上日川峠11:00-30〜石丸峠14:35〜小金沢山麓(テント設営)15:30-16:00〜小金沢山16:58-17:08〜小金沢山麓(ビバーク)17:53(所要時間約9時間45分)

2日目
(雨のち曇り):小金沢山麓9:46〜小金沢山11:09-25〜牛奥ノ雁ヶ腹摺山12:25-13:00〜川胡桃沢ノ頭13:54〜黒岳14:38-55〜白谷丸15:14-16:00〜湯ノ沢峠16:33(所要時間約6時間47分)


3日目(晴):湯ノ沢峠6:30〜大蔵高丸7:27-45〜ハマイバ丸8:14-24〜米背負峠9:25〜大谷ヶ丸9:54-10:17〜滝子山11:44-12:33〜コンビニ寄り道〜初狩駅14:59(所要時間約8時間30分)

大蔵高丸山頂より

赤線が今回のトラック
(青線は入れていったルート)



【三日目】

 夜中はかなり風が強く、その音であまり眠れませんでした。5時前には皆起きてそれぞれに朝食としたくを済ませ、お二人は大菩薩へ。
 私達は小屋のノートにお礼と登山道情報を少し書いてから最後に出発しました。

 天気は良さそうでしたので温泉コースは取り止め、予定通り縦走を続行します。


 小屋内に汲み置きの水が凍っていてビックリしましたが、歩き始めたとき気温を見るとマイナス7度。

 登山道はコチコチで固く、シモバシラもたくさん立っていました。
 歩き始めのコースは緩やかで無理なく身体になじみます。広がる草原はお花畑のようです。ロープで保護されていましたがどんなお花が咲くのだろう?

 寒いですが風はすっかりなくなり、明るい陽射しと青空が気持ちいいばかり。

 いきなり「オォ〜」と声を上げてカメラを向けた先には・・・


南アルプス


振り返ると昨日最後に歩いた白谷丸。
小屋で会ったお二人は見えるかな・・と
話しますが、見えるはずもなく(^^ゞ


 こちらは笹の刈りばらいが丁寧にされて歩きやすい登山道でした。湯ノ沢峠を挟んで大きな違いです。
 北斜面はやはり少し雪が残っています。

 GPSのバッテリー交換中。

すっきりと美しい




こちらは南アルプス


ズームで白峰三山

 最初のピーク、大蔵高丸。

 見飽きない風景に、最初から魅入ってのんびりしてしまいました。

晴天に恵まれて嬉しい限り。
この後何度、「引き返さないで良かった」という
言葉を繰り返したことか!


 白谷丸と雁ヶ腹摺山。雁ヶ腹摺山は二男と二人で歩いた山。その二男も今は二人の父親。

 ハマイバ丸山頂。漢字で破魔射場丸。

 弓矢(破魔矢)と関係あるのでしょうか?弓を射る場所にしては狭いですが、歴史や昔話など調べたら面白いのかもしれません。


 ハマイバ丸山頂からも!
 落葉のこの時期ならではの展望。今回の選択は正解でした。

 シモバシラ。足元がサクサク。暖かくなったら大変です(^^ゞ


 落葉樹の間からも富士山や南アルプスがずっと見えています。新緑や紅葉もきっときれいに違いないのですが、この木の間越しの解放感は気持ちのいいものでした。

この辺りの南斜面はぬかるんで
下るのに神経を遣いました。
シモバシラがとけてぬかるんだのでしょう。

幸いなことにこの斜面を過ぎてからは
これほどぬかるんだ所はありませんでした。

 天下石。でも天下石山頂って!?

 天下石山頂といっても、登り登山道の途中にある大きな石なんですけど。
 気持ちのいい樹林帯。

 木の間越しに南アルプス、向かう先にも富士山が見えて心ウキウキ。
 たまに雪が残っていますが概ね夏道。





 米背負峠(1538m)。ここもエスケープルートとしてチェックしていたところでしたが使うことなく当然前進します。やまと天目山温泉にはまた改めて行きたいところです。
 あとは大谷ヶ丸と滝子山だけ。と、すっかりリラックスモードです。

 アーチ〜なんてふざけたりして(^^ゞ
 でも忘れてました。けっこう大変だったということを。

 標高がだんだん下がっているとはいえ、デカザックで疲れ始めている身体をいじめ始めてきます。小さなアップダウンが大きなアップダウンに感じられて、またもやトシちゃん言葉少なになりました^_^; 


 大谷ヶ丸山頂か?と何度も騙されて滝子山分岐。そのまま滝子山に行ってしまっては目の前の大谷ヶ丸をスルーしてしまいます。右へのルートを辿って大谷ヶ丸へ。山頂まではほんの数分。
 大谷ヶ丸山頂に到着



ここでも南アルプス一望です。


ズームで白峰三山


八ヶ岳も


富士山は木の間越しでしたから
葉の茂る頃には見られないのでしょう。

 山頂で甘いインスタントしるこを食べて元気注入!いざ最後のピーク滝子山へ。

近くに見えた滝子山ですが・・・
 




 滝子山と大谷ヶ丸間のエアリアマップでのルートは以前破線でした。破線だった頃道証地蔵から滝子山〜大谷ヶ丸を周回したことがあります。その時は山仲間の後をついて歩いていたので不明瞭な道という印象を持たなかったのですが、体力的にきついコースだとは思った記憶があります。

 今では通常の登山コースとして実線で載っていますように分かりやすくはなっていると思いますが、今回もまたやはり楽なコースではありませんでした^_^;

 その道証地蔵への分岐で滝子山まであと20分の表示。
 鎮西ヶ池。小さな池ですが、今も変わらず水をたたえています。

 側には祠と鳥居が祀られています。
 鎮西ヶ池から回り込んで山頂に向かいますが、足を滑らせたら左に落ちそうなその道がヨタヨタしている我らには恐ろしく思えました。疲れている時、重いザックのとき、残雪や凍っている時は特に要注意です。

 左、初狩駅への分岐の尾根に出て正面に富士山が見えた時はホッとしました。


 滝子山へは尾根を右へ。
 滝子山山頂。あと20分と書いてあった分岐から、それでもほぼそのタイムで来れました。

 私はもう何度も来ている滝子山ですが、トシちゃんは初めて。「もうこれで来ないぞ」と辟易していましたが、この下りでさらにその思いを強くしたようです(笑) それにしてもこの私、よくぞ懲りずに何回も・・・^_^;

 狭い山頂ですがやはり大勢の人でいっぱい。人気の山です。湯ノ沢峠の小屋を出てからは、ここで初めて人に会いました。空いているところで昼食をとりながら富士山を見、歩いてきた道のりを振り返り、周囲の山座同定したりして疲れた身体をやすめます。


滝子山山頂より



 滝子山山頂で休んだ後は下るだけ。初狩駅へのルートを選択です。

 途中女坂と男坂に分かれますが、楽そうな女坂へ。
 ブナ、ミズナラなどの落葉樹の森はステキです。カサコソと落ち葉のラッセルは足を根にひっかけないよう気を遣いますが、木の間から太陽がさしこんで明るくとても気持ちが良いです♪

 こうして見るとザックが歩いているみたいですね(笑; でも1日目よりかなり軽くなっているはず・・・


 この山が人気なのは、やはりこの落葉樹。新緑と紅葉時期もまた素晴らしいです。
 
 途中男坂と合流したところが桧平。

 少し歩いて、バックにさっきまでいた滝子山。下るだけでつま先が痛くなりました^_^; 


 初狩駅との分岐で電車の発車時間を確認。15:41発なら無理なく下りられますが、頑張れば15:08発大月行きに乗れそうです。大月ならすぐ始発電車に乗り換えで楽だからと頑張ることにp(^-^)q
 九十九折れの長い下りでした。その上倒木が多く、沢を横切ることの多いコースでした。

 痛くなったつま先をかばいながら歩いてようやく林道終点。電車に間に合うか時間を確認。コースタイムぎりぎりでまた急ぐことに^_^;
 それでも駅に向かう道すがら、やはり白い富士山がくっきりと見えて、カメラをパチリ。今回は最後まで富士山眺望を楽しめた山行でした。

 途中のコンビニで飲物を買って駅到着は発車時間の10分前。上出来です(^^ゞ

 ということで乗り換えしながら自宅には明るい内に帰り着くことが出来ました。