中信高原 ;霧ケ峰
 (きりがみね1925m)
 ニッコウキスゲで彩られていた車山

 H11年8月1日(日)・ 天気; 快晴 : Member.3人


【八島湿原】右

途中の休憩時間含む 。=は車の移動。〜は歩。
美ケ原、いこいの広場駐車場から移動
八島14:30〜八島湿原〜車山肩16:00頃〜車山(1925m)16:35-50〜車山高原駐車場17:40=河童の湯=諏訪IC19:40=調布IC23:00

(登山所要時間 3時間10分)


 八島の駐車場はいっぱいで南下する車は右折のため入れなかった。北上する車のみ順番待ちで並んでいる。そのため観光バスまで入れず停まっていて、通り抜けるのもやや大変だった。仕方なく素通りして置けそうな場所を見つけて路駐。湿原から車山迄ぐるりと回る予定だったが、時間的に難しかったのでそれぞれ別に行くことにし、再び八島湿原入口まで歩いて戻る。

 正面、霧ケ峰の山容はとても美しかった。なだらかな丘が幾重にも並んでいるという感じで同行の史さんが、「わぁー外国みたい」と感嘆。彼女は事実アメリカ、カナダ、アラスカ、イギリス等、外遊していてその美しさに触れている。確かに日本離れした風景かなと、立ち止まったまま、しばしその雰囲気を楽しむ。

 湿原の周りは尾瀬などより幅の広い木道で、歩きやすい。すれ違いも出来るようになっている。人は多かったが立ち止まるほどのこともなく、順調に歩を進める。側に咲く花には所々名札がついていて分かり易い。

 湿原の折り返しと車山へぐっと近づいた分岐で、このまま車山まで足を伸ばしたくなった。夫はもう歩きたくないらしく、車を転送すると言う。それで解決、そこで夫と別れ、私達は車山へと向かうことにした。

 今回幾度か、観光地の場合こうもエアリアが頼りないものかと思うくらい、標識とのギャップで迷った。分岐がある筈の所がなく、なぜこんな所に?と思うような場所に林道がある。しかし私達が向かった旧御射山(みさやま)の方のコースも人が少なく、自然で素朴な野の花が咲き乱れる中を、のんびりとおしゃべりしながら歩くことが出来た。

左【ニッコウキスゲ】

 車山肩へ行くコースを辿ると意外にも若者のカップルが多い。山頂に何やら黒い建造物のあるのが気になるが、そのなだらかな山容の中に、遠目にもはっきり分かるほど、オレンジ色が散らばっていた。一面にニッコウキスゲが咲いている。こんなに咲いているとは思わず、八島湿原はもう終わってしまったのかとがっかりしていたところだったので、 美ケ原で感激した以上の驚きだった。丁度いい時期に来あわせたようだ。

 肩まで来ると、ビーナスラインが側を通っているため、スカートの人や、ヒールを履いた人、小さな子供連れの人などもいる。エアリアには肩という標示がない。ちょうど監視員の腕章をつけた若い男性がいたので、一応山頂を確認する。間違いなくあの黒い建造物のあるてっぺんが山頂だ。しかしルートは右へ緯度に平行に続いているように見える。左にもあるがほとんどの人が右方向へ歩いている。以前は直登ルートもあったのか、または残雪期の傷跡か、登山道らしき跡がついていて今はロープで遮られている。「本当はこの方向に浅間山が見えるんですけど今日は残念ながら見えませんね」と説明してくれるので、話のついでに車山まではどのルートが最短かと尋ねた。彼は分からないらしく、側にいた少し先輩らしい若者に聞いた。するとその若者が突然「リフトの時間はちゃんと調べてきたんですか?もう4時ですよ」とするどく詰問してきた。リフト?何が言いたいのだろう?今4時と言ったって、冬じゃあるまいし、時間的には充分明るいうちに下りられるではないか?こんなに大勢の人がいて、なぜ私達が叱られなければならない?「車山の下に車が来ていますけど・・」と言いつつ、なぜこんな釈明をしなければならないのだと、彼の言わんとするところが分からないまま不愉快な印象だった。今度は強い口調のまま、「歩いて下りるんですか?」ときた。当然リフトで下りる観光客と思いこんでいたのだろう。「ええ(当然でしょう、ムカムカ・・・、でもこの時までリフトが動いているなんて知らなかった)」。彼はちょっと驚いたようだった。その表情が読みとれたので、そこでお礼を言って右へのルートをとる。もう少し、言い方を勉強して欲しいと腹がたったが喧嘩する気にもならない。監視員とかの腕章をつけて、居丈高な物言いをする人を今までに何回も見かけている。自然や登山者を守っているようでいて、人の気持ちを踏みにじっている場面を何回か見てきた。せっかくの親切心や気高いこころざしが台無しだ。

 気分を切り替えてゆっくりとニッコウキスゲの山を楽しむ。遠回りのようだが、無理のない傾斜のまま山頂に到着。ここもやはり大きな建造物にがっかりだった。しばらく山頂からの展望を楽しむ。どちらかというと、午前登ってきた美ケ原やアルプス方面にばかり目が行く。ここでも30年前はどのコースで来たっけ?と遠い昔を振り返る。スキー場がもう始まっていて、雪の中を一人で歩いた記憶が蘇る。かなり無謀だった。もちろん独身の時代で、連れの史さんがまだ生まれる前の事だと話して思わず笑ってしまった。

 山頂から車山高原駐車場までのルートはいくつかロープで通行止めになっていた。植生保護の為だろうが、稼働しているリフト脇を歩いていると、営業利益のため?と勘ぐりたくなるほど遠回りのルートに変えられている。私達は人工のスキー場の迂回コースをしっかり歩かされているのだ。スキーと登山との共存?

 予定の時間をかなりオーバーして駐車場に到着。夫は待っている間に車中で気持ちよく眠り、丁度目覚めたばかりだった。私達の時間超過は良しとしよう。

 今回は観光地ならではの失敗もあったが、花見山行で最高だった。温泉は河童の湯へ。500円。シャンプー、石鹸あり。ボディシャンプー、ドライヤー無し。ジュースとアイスの自販機あるがビールは無し。中央道の渋滞50数キロ・・・。