秩父・金峰山〜瑞牆山
(きんぷさん2599m〜みずがきやま2230m)
 紅葉はまだほんの少し早いようだった。 天気は快晴で最高の展望!

 H14年10月12-13日(土日)
  天気;両日快晴
  Member.2人(夫婦)

  【金峰山山頂】右

 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)

一日目(10/12)
瑞牆山荘7:20〜富士見平小屋(テント設営)8:05-25〜大日小屋9:15〜休憩9:30-40〜大日岩9:45〜小川山分岐9:55〜休憩10:40-55〜金峰山小屋分岐11:45〜金峰山山頂12:15-13:10〜大日岩14:50-15:00〜大日小屋15:20〜富士見平小屋(テント泊)15:55
(所要時間約8時間35分・・テント設営時間20分、休憩含む)

二日目(10/13)
富士見平小屋5:30〜ヤナギ坂5:50〜沢出合5:55-6:00〜休憩6:25-35〜瑞牆山山頂7:20-8:40〜沢出合9:45-50〜富士見平小屋(テント撤収)10:15-40〜水場10:42〜里森宮11:00〜瑞牆山荘11:20
(所要時間約5時間50分・・テント撤収時間25分、休憩含む)


 紅葉が見頃だという情報を得、週末間際になって日月の連休に行こうと決めた。ところが土曜日に快晴になるという天気予報。しかも台風が近づいている。ということで土曜の用事を後回しにして急遽一日繰り上げ、土日に変更(台風は太平洋を北上したため影響はなかった)。前夜10時頃出発。瑞牆山荘には深夜1時過ぎに到着。山荘より100m先に無料駐車場あり。整備されていて広い。1時半就寝。

一日目(10/12)
 6時半起床。用意、朝食を済ませ、駐車場入口にある登山者カードに記入。登山者が沢山いたにも関わらずこの日は私たちが最初だった(翌日、下山記録をしようとして見たら、なんとそれ以降の記録はなかった@_@)。 トイレは山荘の隣にあり水洗でペーパー付き。女性の方は更衣室まであってきれいだった(男性はないらしい)。

 今回夫は一ヶ月ぶりの山行になる。そのうえ二週間前に軽いぎっくり腰をやったため、荷物はいつもより軽くした。富士見平ですぐテントを張ってしまうので、私とて重いのは1時間ほどだ。苦にはならない。軽くて速い人にはどんどん先に行ってもらい、のんびりと歩き出す。黄葉が少しあるが、多くは黄緑が多く期待したほどの紅葉風景ではなかった。

 富士見平でテントを張り、必要なものだけ持って日帰り装備で金峰山へ。先を行く夫は快調に歩いていく。最初は緩やかな登りでペースもやや早かった。落葉松の落ち葉を踏みながら後をついていくが、その辺りはコメツガやマキ、ヒノキなど針葉樹が多く、上に行くほどに見えてくる紅葉もわずかでちょっとがっかり。でも今回のコースは初めてだったので新鮮だった。何より予報通りの快晴が嬉しい。

左【大日小屋のすぐ上の岩場】

 大日小屋は登山道の右下(南側)にあり、テン場は左上(北側)にあった。テントが一張りあったので気がついたが、登りの場合は気付かずに通り過ぎてしまいそうだ。小屋は青い屋根でここも水場あり、運んでいる人がいた。後ろから来る人の鈴の音がずっと耳につき、離れたくてそのまま先に行った。小屋から少し行くと岩場でロープが垂れ下がっていた。ちょっとだけ借りる。

 1時間ほど歩いて一本とるが、そのあともう5分ほど歩けば大日岩だった。南西方面が開け、南アルプス、八ヶ岳が見える。北岳はうっすらと冠雪していた。眺めがいい。今回初めての景観だ。大日岩を捲くように行くとすぐ小川山との分岐になる。ベンチがあった。休まずに通過。途中澄み通った音色が響いてきた。曲はたしか「もみじ」、♪秋の夕日に照る山もみじ・・・♪という歌。はじめは口笛かと思ったが、少し前で休んでいた方(ご夫婦二人連れ)の吹くオカリナだった。こんな所で思いがけなく聞くことができた。

左【紅葉の樹間に見える五丈岩】

 しばらくは尾根づたいに緩やかなアップダウンがあり、樹間から見える五丈岩を眺めながら進んでいけるのは何とも楽しい。ところどころでナナカマドやブナの紅葉、黄葉も美しいが全体的には針葉樹が多かった。

 二回目の休憩をとり、再び歩き出したときだった。夫は足がつると言い出した。様子をみながらゆっくり進み、森林限界を越えた辺りで休憩。バンテリンを塗ろうと薬ケースを出したが夫も私も入っていない。八月の北アルプスで使ってしまい、二人とも補充をしていなかった。やむを得ずムヒでごまかす。そこへ先ほどのオカリナのご夫婦がやってきて、様子が分かるとバンテリンを貸してくださった。有り難くお借りする。足をさすりながら休んでいたがそこで目の前に富士山が見えるのに気付いた。真っ青な空に姿のいい富士山がすっきりととっても素晴らしい。

左【山頂を目指して】

 間もなくその富士山を眺めながら金峰山山頂へ。そこからは両脇にハイマツの茂る岩尾根となった。両手両足を使いながら四輪駆動で進んでいく。振り返ればダイナミックな山容の瑞牆山、金峰より低いが優しい名前に似合わず人を寄せ付けない威圧感がある。とても魅力的だ。快晴の中、特徴のある五丈岩がずっと見えていた。山頂で手招きしているようだ。それにしても雨やガスが出ていたら、嫌なコースだ。まして雪時、残雪期などには歩きたくない。しかし岩にはアイゼンの痕がたくさんついていた。こちらのコースはそれでも登山者が少なくて幸いだった。一箇所下ってきた団体が休憩していたが、行動中だったらすれ違いが大変だっただろう。たしか間違えやすい場所があったと聞いていたが、それがどこかはっきりしないままアップダウンを繰り返してようやく山頂へ。夫の足が回復したようで良かった。

左【金峰山山頂、五丈岩の前で】

 金峰山山頂には人が多かった。ほとんどが大弛峠からだろう。前回(8年前の10月)は私たちもそちらから来ていた。残念ながら記録は残していないが、記憶では今回の方が登りごたえのあるコースだった。山頂は二回目。やはりぐるりと展望が素晴らしい。五丈岩の上にも登れるようだが怖いので今回もパス。でも登ってみたい気もする。富士山の見える場所で昼食にした。ここからみる富士山のなんと姿のいいこと。ゆっくりと休みながら山座同定を楽しんだ。

左【懐かしいキスリングのザック】

 この眺めも午後になると雲が出て下山する頃には富士山も瑞牆山方面も一時見えなくなってしまった。のんびりと同ルートを下山。途中、珍しいことに80Lのキスリングのザックを背負っている人に出会った。30年前のものだそうだがまだとてもきれいだった(5,6年に一度くらいしか使っていないそうだが、それにしても保存状態がとてもいいのに驚いた)。そのあとにももう一人、少し小さめのキスリングザックだったが背負っている人にも出会った。私も捨てないで、とっておけばよかったなぁ・・・妙に懐かしかった。

左【テン場で】

 富士見平小屋に戻ってテン場代(一人500円)を支払い、ビール(450円)を買って飲みながら夕食のしたく。水場は1,2分下ったところでふんだんに流れていた。この日のメニューはカレー。いつものレトルトではない。本物の生の肉、野菜だ♪。そしてご飯はこれも先週巻機山に行ったとき買ってきた魚沼産の新米♪出来は上々、さすが美味しかった。

【二日目(10/13)】

左【瑞牆山の紅葉】

 予定より少し早めに目が覚めたので、用意をしてうす明るくなると同時に瑞牆山へ出発。辛うじてヘッデン無しで歩ける明るさだった。夫の足の状態は良いようだった。小屋から20分ほど登り少し下ると沢へ出る。この途中空身の男性に抜かれる。この辺りから紅葉がきれいになった。沢を渡り登りにかかるとやはり針葉樹が多く、紅葉は所々で出会う程度だった。先週上越の巻機山で素晴らしい紅葉を見た後だけに見劣りしてしまうのは金峰山、瑞牆山の責任ではないし、申し訳ないのだが、正直ちょっとがっかり。

 瑞牆山も9年前の10月に登って以来、私は今回2回目になる。わずか2時間足らずの登りだが、岩や倒木、階段や梯子、お助けロープなどあって、けっこうしんどい登りだ。大変だったという記憶はあるが、これほど大変だったかなぁ・・・と改めて感じた。

 以前は途中で道を間違えていたのでどの辺りかと気にしながら歩いたり、片手のない人とすれ違ったことを思い出しながら登っていった。この時も同じ所で道を間違えている人がいた。やはりいるのだと可笑しく思った。

左【富士山:瑞牆山山頂より】

 ヤスリ岩をいつの間にか通り過ぎ、右手の裏側へに回り込めば山頂は近い。この岩だらけの山頂の印象は強烈だ。今回も好天に恵まれて、雲一つない青空に富士山、南アルプス、中央アルプス、御嶽山、八ヶ岳、わずかに北アルプス、浅間山方面(その陰に谷川?)などきれいに見える。富士山やアルプスは冠雪している。御座山、四方原山〜茂来山、男山〜天狗山、飯盛山なども一つ一つ思い出深い山々だ。山座同定、デジカメ撮影などして朝食を用意していると、4人ほどだった山頂に何人か人が登ってきた。先生に引率された男子中学一年生の数名もいて、先生をハラハラさせていた。生徒が恐々と覗く南面はまさに絶壁。上から見ても紅葉はイマイチ。少し早かったように思う。

左【南アルプスと手前ヤスリ岩:瑞牆山山頂より】

 風のない爽やかな山頂で食べるインスタントラーメン(生の野菜と肉入り)の美味しいこと。このあとコーヒーをいれて、この山頂からの眺望を心ゆくまで楽しんだ。7時20分から8時40分くらいまで。その間にも次々に登山者が登ってきていたが、山頂は混み合うほどではなかった。充分堪能して下山すると、やはり登山者が多い。待つこと多く、下りに時間がかかった。

左【瑞牆山】

 途中で前日の金峰山の登りで出会ったご夫婦に出会った。オカリナを吹き、バンテリンを貸してくださった方だ。改めてお礼を申し上げる。この時夫の同郷の方と知り、驚きつつ少し立ち話。 その立ち話をしている脇を、尚も登山者がすり抜けていった。ツアーらしき団体が来たのをきっかけに上と下へと分かれたが、それにしても登山者の途切れることがなかった。3歳、4歳、5歳くらいの小さい子まで歩いていたのにはびっくり。ちょっと大変そうで可哀想な気がしたが、親は時間的に手頃な山と思ったのだろう。50名という団体とすれ違ったときは「山頂が崩れないといいですね」なんてジョークを言ったりしたが、その前に休憩する場所があるだろうかと思うほどの混雑ぶりだった(あなたが登って崩れなかったから大丈夫ですよって言われなかったか?と後から夫の弁・・^-^;)。早朝出発のおかげで私たちは静かな山歩きと静かな山頂を楽しめた。つくづくよかったと思った。

 沢で休憩した後再び少し登り、富士見平小屋へ。ここでテントを撤収し、下山。やや黄葉がかった樹林帯をのんびりと下っていった。テントなど入れたにもかかわらず登りより食料が減って、さすがに荷物は軽くなった。

 瑞牆山荘から車で温泉へ。途中歩いている男性を一人拾って一緒に行ったのは増富の湯。中央道須玉ICに向かう途中にある。日帰り温泉施設で700円。食事も出来るが混んでいたので私たちは別の所へ行った。といっても結局双葉のSAになってしまったが・・・。中央道は少し工事渋滞があったが、17時前に帰宅。