前夜の天気予報では早めに登れば天気は持ちそうだった。4時ごろには出たかったがトシちゃんが4時起きで良いよと言う。天気が不安だから早めの方がいいんだけどな・・・と思いつつ、私は風の方が気になっていた。吹きさらしの山だから強風では困る・・・ |
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4時に起きると、隣の車の人も起きて出発の用意をしていた。広い駐車場に車は5,6台だったろうか。この登山口にもトイレがあり便利だ。 隣の単独男性と、別の単独男性が同時に先に歩き始めた。お二人とも小さなザックにお一方は長靴といういでたち。軽装だ。 私たちも常よりは軽くしたが、それでもツエルトや軽アイゼン(6爪)、薄手のシュラフなどは持っていく。時と場合によるのだから、さっさか登ってさっさか下りてこようよ、と思うのだが、慎重で頑固なトシちゃんは譲らない。風が強いと飛ばされるから少しでも重くしていったほうがいっか・・・と諦める。 |
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そんな夫唱婦随の二人が空を見上げながら登山口へと歩き出す(まったく、私の言うこと聞かないんだから・・・言い出したら聞かないし、すぐ文句言うし、すぐ怒るし・・。私の意見を通すとすぐツッコミが入るし・・もう疲れるよ(-.-;)。なんてことはおくびにも出さずに!)。 予報より雲の出方が早いようだ。下山までもってくれると良いのだけれど・・・。やっぱり風の出方も気になる。少しでも危険と思ったらさっさと下りてこよう。 |
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駐車場から登山口に入り歩き始めると間もなく登山者カードの投入箱があり、人が来ると自動的に感知されるらしくスピーカーから「登山者カードに記入して投函してください」とアナウンスの声が流れる。記入して投函。ここはしっかり鍵がかけられ、勝手に他の登山者に内容を見られることは無い。 ここから岩手山がまだきれいに見えている。 |
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少し下って登りにかかる。見覚えのある風景、ここはまだトシちゃんも知っているから懐かしく思い出話などしながら登っていく。 平野の方もまだ視界の中。 |
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最初に目に付いたショウジョウバカマ。キクザキイチゲもあったが、夜明けのせいか閉じたままうな垂れている。まだおやすみのようだ。 | |
早くも雪の上を歩く。木々はまだ冬の装いのまま。一ヵ月後には新緑が芽吹いているのだろうか。 | |
岩手山はまだきれいに見えている。こうしてみると山頂は近くに感じられ、すぐに登れてしまうように見える。 | |
今回は6爪アイゼンにしたので軽登山靴。スタンスはあり、雪もまだ締まっていたので歩きやすい。 | |
この時期なればこそ、木々の合間にいつまでも山頂方向が望める。 | |
早くも途中からは夏道となっており、 | |
このようなガレ場が続く。この時期でも晴れていれば直射日光で暑く感じる場所だ。 | |
眼下にはややモヤった中にも広がる平野が見える。独立峰ならではの景観。 |
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肉眼では昨日登った姫神山が見える。が、上空の黒い雲が気になる。姫神山よ怒りを静めて・・・と伝説を気にしない私もチラリと願う。そういえば、このとき既に早池峰山は見えていなかった。 寒くなってきたので上着を羽織り、空模様を気にしながら小休止。途中夏道と雪道とあり、雪道でアイゼンを装着。夏道を辿っていればアイゼンはまだ必要なかった。 |
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大岩のある六合目に到着。ここは雨宿りや風除けの避難場にもなったそうだが落雷の後、姿が変わり、今は危険な場所となっている。 7合目に近づいたところで雨がポツリポツリ降ってきた。早すぎるよ・・と言いつつ早めに合羽を着た。ガスも出てきたので湿るよりは早目がいい。ところが雨のような、霧のような湿っぽさがたちまち合羽を濡らす。 |
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「ここで下山しよう」と私。ヤダと首を振るトシちゃん。「じゃ、もう少し行ってみる?」と私。「ウン」と言って歩き出す。 益々の濃霧に「登りは良いけど、下りの道を誤ると大変だから下山しよう」と再度言ってみる。「もう二度とぜったいここ(岩手山)は登らないぞ」というのがトシちゃんの返事!(笑)売り言葉に買い言葉を言ったって仕方ないので無視。私はもう登頂しているからいいんだも〜ん♪ |
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じゃ、ここで温かいコーヒーでも飲もう。ぼんいぢ奥さんが用意してくれた差し入れのおにぎりを食べ、一休みしてから下山することにした。 少し冷静になったトシちゃん、「sanaeの言うとおり、下山が正解だな・・・・」。ウン・・・・ そこへ先行者の一人(長靴の人)が下りてきた(その前に若い男性二人とすれ違っていた)。その人は火口迄行ったけれど強風で山頂まで辿りつけず断念してきたと言う。 |
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間もなくもう一人の先行者が下りてきた。とても上まで行けず、小屋で一休みしてから下りて来たという。夜明けと共に出発していたとしても山頂は強風だったかもしれない。 気持ちを断ち切ったように潔く?下りていくトシちゃん(左)。 |
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ここまで登れただけでも満足!な私。でもトシちゃん同様、今回初めて山頂を目指していたら悔しかったろうな・・・ホント! | |
下りはもうこの通りの濃霧。 | |
先を行くトシちゃんを見失わないようについていく。 | |
【濃霧】 |
【一合目も濃霧】 |
【もう危険なところもないけど視界数メートル】 |
【シリセード♪】 |
キクザキイチゲと思ったこの花は葉が少し広いような・・・アズマイチゲ? | |
トシちゃんも納得の下山。 | |
岩手山はすっかり隠れてしまった。 さて、連休はまだ残っている。このあとどうするか?車に戻り、片付けた後車中で食事。天気予報を調べながらガイドブックや地図と照らし合わせ、二人で相談した。 秋田駒ケ岳もいいし、まだ行っていない和賀山塊も興味がある。でも秋田駒は行ってるし、和賀は下調べが充分ではない。その上悪天候・・・ 温泉にでも入ってのんびりするのもいいっか〜。と言いつつ、天気予報を無視して今回の山旅で気になっていた秋田、森吉山の麓に向かうことにした。 |
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【追伸】 ぼんいぢさんのメールに 『「トシちゃんさんは、未踏のようなので岩手山リベンジと早池峰チャレンジの際に是非お会いしたい」と、まりな から、テレパシーで伝言をうけておりますので、お伝えしますね。』 と、ありました。犬と美人好きのトシちゃん、美人のまりなちゃん(犬)の誘いを断るわけがありません(^o^)v |
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