箱根;湯坂道
(ゆさかみち)
鎌倉古道と言われるハイキングコースを行く。

 H6年8月29日(月)当日発 ;
 Member.計4名

 【コース】(=は乗り物、〜は歩き)
箱根湯元駅10:10=(バス)=湯坂道入口(800m)10:50〜飛竜の滝(700m)11:10〜湯坂道入口11:40〜鷹巣山(834m)12:00-40〜浅間山(802m)13:20〜湯坂山(546m)14:20〜箱根湯元駅15:30


 小田急湯本駅集合。夏休み終盤の混み合う小田急湯本駅を後に、バスで40分ほど乗り、湯坂道入り口に降り立った。観光地化した箱根でも、バス停から一足舗道を離れれば鎌倉古道と言われるハイキングコースになる。一度飛竜の滝の方に足を運び、もと来た道に戻るのだが、その往復は歩き応えのあるものだった。階段状の所がやはり歩きにくい。滝には先客がいていつもより水量が少ないとのことだった。スズメバチが一匹いたため落ち着かなかったがそこで少し休憩。雨不足をここでも目のあたりに見た訳だが普段はどんなに見事な滝なのだろうと思い描いて見る。

 再びもとの道に戻っていよいよ山へと向かう。でもなだらかな道でいつの間にか鷹巣山に着いてしまった。山頂は日当りが強く暑かったため木陰を求めてもう少し先に進んだ。ハギやコバギボシ、アキノタムラソウ、サワヒヨドリ、オミナエシなど眺めながら、飽きることがなかった。ようやく木陰で休み、昼食をとる間も目の前にアキノタムラソウが目の前で揺れていた。なんと心を和ませてくれる優しい花かと思いつつも、音を出すお腹。メンバーにしっかり聞かれてしまい、大笑いしてしまった。食欲がないというメンバーにひきかえ私はしっかり食べた。私が予備に作ってくるおにぎりも全部食べたのは珍しい。四人並んだ所をカメラにおさめて出発。

 この後は目の前にある浅間山を目指す訳だが一見大変な登りのように見えた。ところが両脇の花々を眺めながら登っているうちにいつの間にか山頂に着いてしまった。あまりに簡単に着いたので、メンバーが「今日は来て良かった」と喜んでらした。花を見るのにもゆとりがあって、今回のコースは体を慣らすのにちょうど良かったかもしれない。初めて見るメドハギ(白に紫色が混ざって小さいながら大人の雰囲気を持った素敵な花だった)、ヌスビトハギ、名前は忘れたがバナナのような形の赤い実(アケビの仲間だったように思うが珍しいものだそうで先生がとても喜んでらした)、コオニユリ、ツリガネニンジン、ガンクビソウ、ヒキオコシ、コアカソ、オカルガヤ(メカルガヤがなかった)、ワレモコウ、キンミズヒキ、ミズヒキ、マツカゼソウ、タムラソウ(アザミに似ている、とげがない)、ダイコンソウ、ハンゴンソウ…と、思いつくままに並べてもこのように楽しくなる。

 暑い山頂を避けて再び木陰で休んでいると若いカップルが登ってきた。健康的でいいなと思いつつエールを送って見送る。若い笑顔が爽やかで眩しい。何となくおばさん(自分)を思い出してしまった私は思わずヨイショと腰を上げ、さあもう一息最後まで頑張りましょうと出発した。

 そこから湯本駅まで高を括っていたらとんでもない。その下りは石畳のようになっていたから、予想をはるかに超えて足にこたえた。バスで登った分を下りるのだから距離の長いのは当然なのだが軽く考えていたのはうかつだった。

 大体予定の時間に下山でき、ひと風呂浴びるのを楽しみにしていたが、一人がやめるというので全員帰ることにした。行きは一人で小田急、帰りは皆と東海道で帰ったが、自宅着はそれでも6時20分。早く帰ってきて良かったかもしれない。シャワーでさっぱりした後のビールもまた美味しかった。

     “箱根路にすすきの揺れて行く夏を胸に残して花とたわむる”
     “花無くば踏まれし小さき姿して歩みの下にメドハギ咲けり”