箱根;矢倉岳〜金時山
(やぐらだけ870m、きんときやま1485m)
   矢倉岳、金時山ともに富士山の好展望場

 H12年1月29日(土)当日発・ 天気;快晴 :Member.2人(影山、石原)

【矢倉岳山頂】右

 【コ ー ス 】
(=は乗り物、〜は歩、休憩時間含む)
横浜駅6:13=(東海道線)=7:16小田原駅7:24=(大雄山線)=7:45大雄山駅7:55=(バス)=矢倉沢BS8:10〜矢倉岳870m9:45-10:50〜足柄万葉公園11:45〜万葉公園BS(10分くらい休憩)〜聖天堂(足柄関所跡)〜夕日の滝分岐962m〜ゲート12:50-13:00〜金時山14:05-35〜矢倉沢峠15:12〜金時山登山口15:30〜温泉(健康山荘700円)〜仙石BS=(バス)=箱根湯本駅=(小田急線)=小田原駅=横浜駅19:55

(所要時間約7時間20分・・休憩含む)

 【ひとこと】
 箱根の矢倉岳から金時山を歩いてきました。どちらも積雪のあるところは5cm〜10cmくらいでしょうか。山頂には少し残っている程度でした。
 矢倉岳はアイゼンなしで登下山してしまいましたが、山頂近くはあった方が安心です。
 金時山は人が多かったのでしっかり踏み固められており、滑りやすいので軽アイゼンを着けた方が安全です(実際には登山靴でない人が多く、何人かは山頂の小屋で購入した縄を滑りどめにしていました。アイゼンを着けていた人は、少なかったように思います)。
 一日好天で展望はどちらも良好、とくに(矢倉沢から登った)矢倉岳は山頂に着いた途端、目の前に富士山の全容が現れ感激しました。


 【レポート】
 自分のHPを通じて知り合ったメールのお友達と、箱根の山を歩こうということになった。今回が初対面だったが、同年輩の女性で話が合いそうだなと感じていたので会うのが楽しみだった。

 互いに目印を決め、横浜駅東海道線ホームで合流。先に待ってらしたKさんが気づいてくれて、互いに半信半疑の気持ちで見つめあう瞬間があってから、遠慮がちに確認、ほっとして挨拶をかわす。その間に電車が滑り込み、山とパソコン等趣味の合うところから、車中では比較的スムーズに会話が進んだ。

 話が弾んでいるうちに小田原駅に到着。大雄山鉄道、バスと乗り継いで、矢倉沢バス停から歩き出す。300メートルほど先の矢倉沢本村バス停との間に矢倉岳ハイキングコースの大きな看板がある。曲がり角の家にも大きな字で書かれているが、なぜか写真撮影はお断りとあった。その先の分岐で早めに右へ曲がったため少し戻ることになったが、要所には標識がきちんと立てられていた。

 植林の中を歩いていくが、話しながらなのであまり気にならなかった。天気は快晴で気温も高くゆっくりと歩いていてもすぐに暑くなった。樹林の合間から見えた海は駿河湾?と勘違いしたが相模湾(このあと、金時山頂から見えたのは駿河湾)だった。上に行くにしたがい落葉樹林と積雪があらわれ、冬山の日溜まりハイクを楽しめた。その情景を思わずカメラに収める。アイゼンをつけなかったので多少はペースが落ちたが、そのまま山頂へ。

 木で出来た小さな展望台のようなものが目に入り、もうすぐだと思いながらぱっと開けた山頂に出た途端、眼前に見事な富士山が目に飛び込んできた。二人で思わず歓声をあげる。それはそれは美しかった。真っ青な空に山頂から7〜8分雪化粧して、裾野まできれいに姿をみせている。しばらくその姿を眺めていたくて、そこで早めの昼食とした。幸い暖かく、うどんにしたのは誤算だったかなと思ったが座っている内にさすがに上着をはおる。富士の南方方向に愛鷹連峰が見え、矢倉岳山頂の南側はこれから登る金時山から明神ヶ岳にいたる箱根外輪山、そしてその奥に箱根火山中央部の駒ヶ岳・神山が見える。既に歩いている山々だが、本当に歩いた山?と不思議に思えるほど新鮮に映った。

 足柄万葉公園に向かうが山頂直下も積雪があった。下ればまた雪はないと思い、またアイスバーンではなかったのでアイゼンはつけず下った。行き交う人は多かった。万葉公園は白い雪でおおわれ、樹林の合間からは富士山も見える。万葉歌碑がいくつかあり、側には口語注釈文も書かれていた。それによるとなかなか深い味わいのある恋の歌ばかりのようだった。舗装道に出ると駐車場やバス停、トイレ(ペーパーつき)まであった。私の1993年版エアリアマップを見る限り、その辺りから又普通の尾根道になるのかと思っていた。ところがずっと車の通る舗装道が続き、途中にはいくつか広い駐車場がある(駐車はどこも多かった)。道を間違えているのではないかと思ったくらいだ。林道の上に赤いルート図が引かれて分かりにくいのか、古い地図だからなのか、ちょっと分からない。それにしてもがっかりだった。ときどき右手に大きく見える富士山を楽しみながら歩いた。

 夕日の滝分岐は富士山の展望場にもなっていた。そこを通過するとすぐゲートになり、車はそこまでとなっている。小休止してから金時山山頂へ。しばらくはアイゼンなしで歩いたが登りになってから装着した。登下山者は多かったが、アイゼンを着けている人は少なかった。縄を靴に縛り付け、滑り止めにしている人が多かったので途中聞いてみると山頂小屋で買ったとのことだった。効果のほどはどうなのだろう?それにしても登山靴ではない人も多く、見ている方が不安だった。登山道はしっかりしており、階段もしっかりしたものが設置されている。登り優先とはいうものの、すれ違いやアイゼンなしの先行者のペースダウンで時間がかかった。12個目の階段で「階段終わり山頂まで5分」とあり、ほっとする。

 山頂はまだ大勢の人で賑わっていた。お昼時は座る場所を捜すのも大変だったようだ。午前中よりはやや霞んではいたが、金時山頂もまた富士山が間近に見えて素晴らしい。ここは三回目だが、3度目の正直にしてようやくここからの富士山全景を眺めることが出来た。芦ノ湖とそして駿河湾が見える。相模湾は確認しなかった。有名な金時娘さんにもお目にかかり、ひと休みしてから矢倉沢峠方面へ下山。雪で尻餅つく人もいる中、アイゼンをつけたまま安心して下りていった。途中乾いた道や、雪解けのどろどろ道もあったがアイゼンは着けたままにした。どろんこ道で滑ってはたまらない。ところが矢倉沢峠から下も雪道で滑りやすく、やはりアイゼンの威力発揮だった。

 仙石でバスに乗る前に温泉に入っていきたいと思っていたので登山口近くの健康山荘に寄った。野天風呂もあり一人700円。内湯と両方あるが、空いていたので私達二人だけの貸し切り状態だった。ここを案内してくれた下山者は金時山にはもう220と数回来ているそうだ。そういう人がいるとは聞いていたが、今回出会えたというのもまた面白い。人様々、一つの山に通い詰めるという登り方もあるのだなと改めて思った。

 インターネットを通じて良い出会いがあり、今回は天候にも恵まれて充実した山行だった。