H15年5/3-4(土日)
天気;両日晴
Member.夫婦
【和名倉山(左の一番奥中央):西御殿岩から】右
【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)
一日目(5/3) 一ノ瀬中川橋6:20〜登山口6:30〜牛王院下7:08〜(七ツ石尾根)〜将監峠分岐8:30〜山ノ神土8:38〜東仙波10:30〜和名倉山山頂13:00-20〜東仙波15:20(天幕) (所要時間約9時間・・休憩含む)
二日目(5/4) 東仙波5:15〜山ノ神土6:37〜西御殿岩分岐7:17〜西御殿岩7:40-8:07〜唐松尾山8:50-9:20〜笠取山(埼玉県側)11:20〜笠取山(山梨県側)11:25-12:15〜笠取小屋分岐12:23〜(黒槐尾根)〜中島川橋14:07〜一ノ瀬中川橋14:17 (所要時間約9時間・・休憩含む)
今回も前日になって決定。しかしこの和名倉山は大分以前から気になっていた山だった。笠取山は何回か行っており、飛竜に至る唐松尾尾根の稜線から目にしていたが、なかなか登る機会がなかった。
車は中央道勝沼ICでおり、R411を北上。大菩薩方面への分岐を通過して、鶏冠山登山口のある柳沢峠(きれいな公衆トイレあり、広い駐車場もあり)も通過。落合から左折出来るが今回はその先のオイラン淵から一ノ瀬に向かった。10年以上前の同時期に笠取山に登ろうとここを通ったのを思い出す。道路は相変わらず狭いが、当時よりきれいに整備されている。その時は一ノ瀬キャンプ場でキャンプし、翌日登ろうとしたら何と5月とは思えないような降雪!山歩きの慣れていない友人が一緒だったのでこの時は取りやめたのだった。その後何度かチャンスに恵まれ、笠取山は今回で5,6回目くらいと思う。しかし今回笠取山は予定していなかった。単純に和名倉山をピストンのつもりだった。
一日目(5/3)
前夜発だったので一ノ瀬の中川橋そばの空き地(数台おける)で3時間半ほどの仮眠。以前登ったことのある師匠の話ではこの中川橋から上流へ向かって歩き、仕事道を利用して牛王院平へ行ったそうだ。彼は山慣れしていてペースが速い。テント泊の予定で7:20に登りはじめ、11:40には山頂到着、早すぎたのでその日の内の15:50には下山してしまったそうだ。人間業と思えない偉人の真似はできない我々はおとなしく道路を歩いて戻り、一般ルートの登山口へと向かった。約10分ほど。周囲はまだ桜やトウゴクミツバツツジが満開だ。登山口の近くでは民家(茶店あり)の駐車場に有料で置けるようだ。もう少し下方にも空き地があり、そこにも置けそう。
左【気持ちの良い七ツ石尾根】
林道を登って行くと将監峠方面への林道と七ツ石尾根との分岐あり、そこが牛王院下。林道は以前通ったことがあり遠回りなので、七ツ石尾根へとルートをとった。自然林豊かな気持ちの良い尾根だ。足下はフカフカで、芽吹き出した落葉松の新緑がとてもきれい。登っていくと落葉松の芽吹きがまだこれからという状態だが、コメツガも多い。
一度休憩したとき単独の男性がやってきた。この人も和名倉山だった。亀の私たちは道を譲り、のんびりと後を行く。今回は久々(一ヶ月ぶり)のテント泊山行で荷が重い。その上寝不足で全くペースが上がらない。将監峠で設営して空荷で和名倉往復したかったが、非常時に備えてテントを持ち歩きたがる夫が納得しない。確かに安心だけれど、あ〜ぁ、またヤドカリ山行だ・・・。私はこの落胆も尾を引いた。あ〜ぁ、水の豊富な将監峠、あ〜ぁ、冷たいビールがまっている将監峠が遠くなっていく・・・。今度はツェルトも持ってこなくちゃ・・・ふぅ。
左【バイカオウレン(ゴカヨウオウレン)】
将監峠の分岐で渋々和名倉登山口、山ノ神土(やまのかんど)へと向かう。コースは未整備なので注意するようにと立て看板がある。しかし事前にルートははっきりしていると情報を得ていたので心配はしていなかった。登山口からしばらくは笹が登山道を覆っていると聞いていたが、ルートを誤るほどではない。登山口を入って間もなく小さな古い木橋があり、そこに水場がある。今回必要な分は持っていたので気にせず通過。滑りやすい笹の切り跡に注意しながら行くと、その後は踏み跡がしっかりしていた。所々に白い小さな花、バイカオウレンが咲いていて可愛い。アセビの花も所々に咲いていたが他にはこれといった花もなく、新緑もまだこれからだった。花はまだだが、シャクナゲの木も多い。
左【笹原につづく登山道】
笹藪を過ぎると両脇クマザサのような低い笹の原となって見通しがよくなった。歩いている尾根の右、東側には雲取山、三峰山の稜線、左の西側には甲武信岳の方面が見える。また、右後方(北側)には富士山が見える。遠望は霞んでいたが、かすかに南アルプスも見えた。展望を楽しみながら歩けるのは予想通りだ。
左【東仙波山頂で】
東仙波の山頂で、ようやく標識があった。そこで通過した西仙波を振り返った。往きは気付かなかったが、その通り過ぎた西仙波から、和名倉山がよく見えていたのだ(復路で確認)。その頃にはテン場に良さそうなところをチェックしながら進んでいたが、当初は和名倉山頂近辺を予定していたので、少しチェックが甘かった。結果は山頂ピストンのあと、この東仙波で天幕したのだが、山頂周辺に平坦な所は殆どない。それに、ここで天幕と決めればここにテントを置いて行きたかったが、その判断もつきかねそのまま進んだ。
東仙波から登山道は左側へ下りるような形で真北に向かう。殆ど夏道で残雪が少しあり、このあとも数カ所少しずつあったが、持ってきた軽アイゼンは今回不要だった。ところどころにちょっとした岩場もあるが、注意して歩けばそれほど心配はないだろう。
小さなアップダウンを歩いていると、下山者に数名出会った。鹿にも遭遇した。殆どが空身か小さなザックだった。やはり人の少ない静かな山域であった、と、この時は思っていた。登山道には使い古された太いワイヤーがたくさん放置されていた。伐採跡がたくさんあり、その時に使われた物のようだ。これらの残骸が山頂に至るまでかなり見られ見苦しい。
途中で休憩をとりながらのんびりと歩いたが、1965Pを過ぎた辺りで昼食を食べた後、夫のペースがガクンと落ちた。ありゃりゃ・・、やっぱりヤドカリは疲れるよね・・
左【疲れた・・・】
テン場を決めかねるまま八百平まで来て、ようやくそこにザックをデポ。足がつりそうだという夫が薬を塗り少し休んでから、飲み物など持って、登っていくと十字路。十字路と言っても朽ちた道標があるだけ。信号機がつくような立派な分岐があるわけではない。十字路というよりは三叉路ではないかと思うのだが、そこで和名倉山山頂方面へと右へ、山肌に添うように行く。このあたりもテープがいっぱい付いているので見誤る心配は無いと思うのだが、ガスが濃かったり、降雪、積雪の時は注意しないといけない場所かも知れない。
左【和名倉山山頂】
その辺りで沢音が響いてきた。地図では登山道沿いに水場があるのかと思ったが分からぬままに通過。やがて伐採跡の広場のような場所に出た。そこもワイヤーが放置されている。ここから唐松尾山の方がよく見える。テープや踏み跡をたどって奥へ数メートル行くとそこが和名倉山山頂、樹林帯の中にあり、聞いていたとおり展望は全くない。八百平で追いついてきた軽装の単独男性がいただけだったので、少し話をしたが、この山頂から仁田小屋尾根のルートを埼玉大学の山岳部?が開拓したとか言っていた。その人がそのルートを探っているので少し見に行ってみたら、確かに赤いテープがついている。しかしルートというにはほど遠い感じだ。しかし、仁田小屋ノ頭という名の付いている場所があるのだから、以前は小屋があって歩かれたコースなのか、あるいは林業などで使われていたのだろうか?
下山するとき水場を捜しつつ、ザックの置いてある方へトラバース気味に歩いてみたが、やはり分からなかった。しかし豊富な水場であったというのが頷ける沢の水音ではあった。直前に海輪さんから「水は必要な分は持っていった方が良いかも」というアドバイスをもらっていたが、正解。もとより準備は万端(^-^)V それにしても確認できなかったのは残念だった。師匠に叱られそうだ(^-^;
後からふたたび師匠に聞いた話では、私がトラバースは始めたところよりもう少し山頂寄りで、それほど下の方ではないようである。今度行ったら確認したいところだが・・・
空荷でのんびり歩いたせいか、夫の元気もいくらか戻ってきた。テン場をどうするか夫に聞くと、まだ歩けそうだという。同ルートを出来るだけ戻り、テン場は3時を目処に判断することにした(ヨシッ、東仙波まで行けるだろう!(^-^))
左【「気をつけろよ・・」】
復路もまた同じようにアップダウンのあるコースになる。このルートは行きも帰りも同じようなコースタイム、下りとて決して楽ではない。しかし気分的には楽だった。ルートのおさらいをしながら周囲の展望を楽しみ写真を撮りながら戻っていった。岩場の所では「疲れているから足下に気をつけろよ」と、先を歩く夫から声がかかる。
左【やっとテントを下ろし・・】
東仙波の直下で朝から前後して歩いていた単独男性が先にテン場を確保していた。私たちは上まで登ることにし、途中で残雪をポリ袋に入れて持ち上げた。最後のその登りは辛く感じられたがようやく山頂到着\(^o^)/ 思ったような平らなところは無かったが、何とか木陰にテントを張り、テントの外で夕食の支度(良い陽気になった)。残雪を溶かしてレトルトカレーを温め、待つ間にコーヒーで乾杯。至福の時だ。
夕食後山頂で、夕日に輝く展望を楽しむ。既に登る人も下る人もなく、二人だけの静かな山頂だった。近くで鹿の鳴き声が響いていた。
二日目(5/4)
左【朝日】
テン場としては快適ではなかったが、充分体を休め、3時に起床。朝食と片づけを済ませ、山頂で朝日を眺める。実は今回の目的はこの、山頂で朝日を眺めることだった。夫の希望だったのだ。だから重たい思いをしてヤドカリ君をしてきたのだった。目的を達せられ満足!満足。富士山もすっきり見えて嬉しい。周りの山並みも昨日同様、山座同定しながら眺めた。
和名倉山山頂泊で、二日目はそのまま下山の予定だった。しかし東仙波まで戻ってきていたので、この日は笠取山まで足を伸ばすことにした。山頂展望を堪能して5時過ぎ出発。
このあと、西仙波で和名倉山を改めて眺める。全体的に広がって優雅な山容だ。爽やかな朝の空気を吸いながらのんびりと静けさを楽しんでいると、間もなく登山者がやってきた。しかも少し歩くとまたやってくる。何度か道を譲ったが、20人以上はすれ違ったと思う。意外と登山者が多くてびっくり。
左【水場】
山ノ神土の手前の木橋の所で水を補給し、山ノ神土(和名倉山登山口)に戻った。ここから笠取山に向かう。直接西御殿岩に登るルートが分からず、尾根に添ったルートを行くと、大分歩いてからようやくその登山口があった。ここは二回ほど通過しているが、まだこの西御殿岩に登っていなかった。展望が良いというので今回はどうしても登ってみたかった。荷物をデポしても良いのだが、尾根に踏み後があるかもしれないと、そのまま担いで登っていった。尾根に着くと、夫の言うとおり踏み跡があった。そこにザックをデポして側にある西御殿岩へ。
左【富士山:西御殿岩から】
西御殿岩山頂は和名倉山(2036m)より少し高い2075m。そこは素晴らしく、ほぼ360度に近い展望。まず和名倉山までの稜線が一望、富士山も南アルプスも見える。すぐ南は大菩薩、逆に北は両神山や妙義山、東西は昨日同様雲取山方面、反対側に甲武信岳や国師ヶ岳方面、彼方には北アルプスの山並みもかすかに見える。山頂は狭かったが他に登ってくる人もいなかったので、またしても二人占め!ここでのんびりその展望を楽しんだ。ここが今回一番ヒットの場所だった。
左【尾根の踏み跡を行く】
ザックを置いた場所まで戻り、ここから尾根の踏み後を辿っていった。一部分かりにくい所があったので、注意が必要。もちろん誰一人出会わず、爽やかな涼風が心地よかった。やがて登山道と合流、少し登っていくと唐松尾山山頂、ここが今回一番高い場所だった。しかし展望は殆どない。大学生のパーティがいて賑やかだった。私たちもここで休みお腹を満たす。まだ花は咲いていないが、シャクナゲの木が多い。
唐松尾尾根の稜線は静かで落ち着いた山歩きを楽しめるのが魅力だ。唐松尾山を一気に下り、尾根を歩き、黒槐ノ頭のピークを踏んだ後、二つほどピークを捲いて笠取山への登り口へ。
左【埼玉県側の笠取山山頂で】
笠取山まで来ると踏みならされた登山道という雰囲気になる。こちらから登るといくつか小さなアップダウンがあり、やはりシャクナゲの木が多い。とりあえず埼玉県側の山頂標識に到着。いつの間にか立派な標識に変わっている。富士山はこの頃には隠れてしまっていた。
数人でいっぱいになる狭さなので、そのまま山梨側の山頂へ。こちらは広く、今までの静けさとガラリと変わり、案の定賑わっていた。お湯を沸かし、のんびりと最後の山頂展望を楽しんでから反対方向へ下山。
ストレートな下り、ここを登ったのが少々辛かったのを思い出す。振り返って記念撮影!
笠取小屋には寄らずに中島川橋へ。緩やかな登りで、話が違うよと言いたげな夫の表情。多摩川源流の山のせいか、何回か水場への下り道がある。下山路と間違えないよう通過。そういえば、分水嶺の標識の所へは行ったが、水干(ミズヒ)にはまだ行っていない。
長い下りを経て中島川橋へ到着。ここに数台車が停めてあった。以前師匠と来たときは、ここから登ったのだった。登り口を少し間違えたけど。
車道を10分ほど歩き中川橋へ。この緩やかな車道の登りもけっこうかったるいものだ。空き地に戻るとここにも駐車の車が増えていた。翌日は母と温泉に行く約束をしていたので、この日は温泉に寄らず、早めに帰宅することにした。中央道は渋滞していたが、夕方6時半過ぎに無事帰宅。
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