丹沢・塔ノ岳
(とうのだけ1490.9m)
 久々のボッカトレーニング。 いろいろと思わぬトラブルが・・

 H15年7月13日(日)
  天気;小雨のち曇りのち雨
  Member.8人(川口・篠原・田中・山口・三枝・
          木村・清水・石原)

  【山頂で】右
 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む、先頭と最後尾の差あり、コースタイムはアバウト)

大倉バス停8:55〜花立山荘13:25-45〜塔ノ岳山頂15:55〜花立山荘8:20〜堀山16:50着〜大倉登山口18:20
(所要時間約9時間25分・・休憩含む)


 雷の音で目が覚めた。今日は台風でも決行だ・・・やだなぁと思いつつ、起きるにはまだ早いのでもう少し寝ていた。5時、エーイと覚悟を決めて起きあがる。洗濯と食事の準備を整え、支度をしてから出発。荷物が重いので夫に駅まで送ってもらった。そう、今日はボッカトレなのだ。ボッカでその上嫌いな大倉尾根だから夫は全く行く気無し・・

 ボッカの良いところは気楽にいろいろなものを詰め込んで、下山は軽い荷で歩けるというところだ。何故軽くなるか?それは山頂でのお楽しみ!みんなで持ち上げたものを食べて飲んでおしゃべりして、荷物も気持ちもはき出してしまうから。そして下山の時、体は重くなって加重がかかり、一気に転がり下りる!?

左【登る前、まだ元気!】

 その神髄を見せてくれたのが篠原さん。いやぁ、びっくりしました。御身は私の倍以上の目方で自ら40キロ近い負荷をかけるその心意気。山頂で荷をひろげれば、おでんやビールで皆を喜ばせ、下山はまさに転がり下りるような勢い。このメンバー一の古株でありながら、もはや山を忘れたカナリヤと化石の如く思っていた氏が、なんとなんと昔取った杵柄とばかりに大いに名誉を回復したのであった。そのまま倒れてしまうのではないかと思うようなうめき声を急登であげながらも、けっして弱音を吐かないばかりか、自ら課した負荷の石を頑固に捨てない!いつもにこやかで穏やかな表情の内面は、こうも強固な信念の持ち主であったのかと、ただただ驚嘆。みんなで尊敬の眼差し・・・ジィー。

 その篠原さんの車で渋沢から大倉までの往復をしていただいたのだが、8名乗りとはいえそれぞれがボッカの重いザック。思わずブレーキがきかないという一幕に、一同「オォー」と右足を踏み込む・・とこれは冗談。しかしよく耐えた車!(常日頃ご主人様に?^-^;)。と、上げたり下げたりどうもスンマセンですm(_ _)m まぁ太っ腹の氏のことだから、豪快に笑い飛ばしてくれるだろう(^-^)ゞ

左【さぁ、出発】

 家を出るときは降っていなかったが、渋沢に近づくにつれ雨。大倉から出発する時もまだ少し降っていたが歩いていれば気になる程ではない。今回は篠原さんが秤を持ってきており(ギョエッ!何故だ?という声チラホラ)荷物を量ってから、スパッツのみ装着して歩き出した。こんな天気で当然登山者は少なかったが、それでも歩き出せば早くも数パーティの下山者に出会った。

 歩き慣れた道ではあったが、滑らないように注意してとリーダーの川口さんから声がかかる。「ゆっくりねぇ・・」と先頭に呼び掛け、気遣ってもくれる。前回も合宿前のボッカを企画し、リーダーシップをとってくれたが、常に単独でのボッカトレも怠らない奇特な人だ。大倉尾根は最早熟知の域で、もう少し行けばベンチがあるとか、急登になるとか、分岐点だとか、最後尾から優しい言葉かけがある。前回はそれぞれマイペースで登ったのだが、今回は足並みを揃えるようにまとまって行動した。トラブルに備え、これは大事なことかもしれない。今回トラブルはいくつかあった。

左【足が攣った・・ストレッチ!そして田中さんも・・】

 歩き始めてまず木村さんがトラブル。足が攣ったという。こんなことは珍しい。でも落ち込まないのがいい(実は落ち込んでいたりして)。 とにかくハイテンションムードメーカーは健在だ\(^-^)/ 荷物は頼もしい男性諸氏に分配し、木村さんはお得意の自己治療でストレッチなどしながら登っていった。幸い少しずつ回復しているようで良かった。

 かたや田中さんのザックが水浸し。調べてみればカモノハシから洩れていた。

左【靴底が剥がれた!】

 そして更に、次なるトラブル発生。山口さんの靴のソールが剥がれ出した。紐で結んだりテーピングしたりして応急処置。しかし靴の症状は悪化、その都度やり直しては先へと進んだ。その細身の体に課された負荷は体重の半分以上の目方なのに。まだ20代という若さで、やはりめげずに淡々と登っていく姿はあっぱれ!この靴、最後には両方共完全に剥がれてしまったようだ。なんとも・・・(;.;) 翌週予定の北アの時でなくてよかったね。

左【休憩、田中さん大丈夫かな?】

 男性は25キロ以上ということだったが、皆30から40キロ近い負荷を担いでいた(女性は20キロ以上)。そんな中で田中さんは寝不足でお腹の調子も良くなかったらしい。それでも自己判断、自己管理で完登。山頂では美味しそうにビールも飲めて、食事も出来て良かった。皆仕事でしごかれて、その合間の休日にこうしてハードな山歩きをしている。体を酷使しているなぁと思わなくもないが、元気に働くエネルギーとなってもいるのだ、よね?!私にしてもこうして山へ行くためには、それなりにしなければならないことを済ませてからになるし、サラリーマンの息子を見ているから大変な気持ちはよく分かる。そんな同志だから山での感動の共有ができるのだろう。

左【ここを登れば花立山荘】

 花立山荘直前の階段はいつもならきついのだが、ゆっくり登っていくので今回は楽に感じた。川口リーダーの言う30分毎の休憩はコンスタントにはいかなくなったが、チームワークは良かった。思ったより時間がかかったのでみんなの意見は一致、「山頂はやめて、ここ(花立山荘)で、ヨシとしようよ」と提案。しかし川口リーダーが即却下。「お腹空いた、早くうどん食べたーい」といえば「駄目です」とにべもない。やっぱりだめかぁ・・とみんなで笑いながら元気づけ?に少しだけビールを分け合って、気を取り直しまた歩き出した。

 花立も過ぎて山口さんの靴の応急処置をやり直した頃は、山頂に近づいていたので三枝さん、清水さん、私の三名のみそこに残り、あとは昼食の準備のため先に行った。

 靴が完璧ではないといえど、山口さんのペースは快調。金冷シからのわずかな登りが辛いが辛うじてついていった。

 そして山頂。案の定ガスっていた。川口リーダーが無線で呼び掛けていたが、私の無線がいつのまにかoffになって交信できず。 うっかりスィッチに触れてしまったらしい。迂闊であった。

左【美味しいザルうどん】

 山頂に残っている人はわずかだった。遅い到着になったが、日が長い今の時期だからそれでもゆっくり食事が出来た。木村さんが準備してくれたザルうどんは火照った体に冷たい喉ごしで最高だった。篠原さん持参のビールもいただいて、体が冷えた頃には温かいおでんが出来上がっていた。その他にも酢豚やトウモロコシ、お漬け物、メロン、ゼリー、プリンなど持ち寄ったものが次々に出て、今度は我が身をボッカで下ろさねばならないという、みな篠原さん状態!(>.<)\バコッ! とにかく美味しく、楽しいひとときだった(^-^; 食べ終えた頃雨がしとしと降ってきた。食べているときでなくてラッキー!

左【ホタルブクロ】

 下山時にやっと健気に咲くホタルブクロに気がついた。今回はナツツバキやウツギ、そしてノバラ?、それらの他にはこのくらいしか気付かなかった。それだけに足をとめて思わずカメラを向けた。雨は降っていたが体が熱くなってきたので、ここで皆合羽を脱いだ。そこからはそれこそ一気に下った。とはいえ靴負傷の山口さんは早く歩けないので間隔があかないよう、注意して下っていった。樹林帯は薄暗く感じたが、暗くなる前に無事に下山。

 縦走中の天気の崩れを想定して、台風でも実施という今回のボッカトレーニングだったが、まさに不測の事態続発であった。お疲れ様。