会津;  田代山〜帝釈山
(たしろやま〜たいしゃくさん)

思ったより田代湿原は渋かった!


 H9.7/8(火)前夜発 ; Member.計4名(渋谷・青木・伊藤・石原)

猿倉登山口:〜小田代〜田代山〜田代山避難小屋〜
帝釈山〜田代山避難小屋〜田代山〜小田代〜猿倉登山口

 高速も山道もあまり変わらぬ速度の青木さんの愛車で登山口に着いたのは夜半過ぎ。翌日の登山のためにはすぐ寝ればいいのだが、テントを張って中に落ち着くと先ずは青木さん特製のコーヒータイムとなる。久々のテント泊、しかも青木さんとは去年の夏合宿の飯豊連峰以来だ。青木さんが一緒でやはり、安心感が全く違う。渋谷さん共々懐かしく、よもやま話に花が咲く。今回は夫の会社の元社員、伊藤洋(ひろ)さんが初参加。青木さん、渋谷さんだけでなく、私も初対面。24歳の女の子で、うちの長男と同じくらいの年代だ。世代の違いで話しが合うかなと思ったが、なかなかしっかりした子で年配者に話を合わせられるようだった。特別気を遣うわけでもなく、ごく普通に接する。

 川のせせらぎの音と、野鳥の鳴き声で目覚め、朝食をとった後、テントを畳んでいざ、出発。

 夜中は満天の星空だったが、朝の天候はイマイチ。雨が降らないだけいいかと言いつつ、歩き始めた。洋ちゃんのペースが分からないので様子を伺いながらゆっくりと行く。山歩きは慣れていないようだったが何てったって若い。若い人がいるとみんなの気持ちが若やぐ。

 不安定な天候のせいか、登りは一人で登る2、3人と出会っただけの静かな山歩きだった。低い山並みと重くたれこめたガスのために日光連山は霞んでいた。

 山道は歩きやすい。ゆっくり登っていって、ぱっと目の前にニッコウキスゲが現れたとき思わず歓声をあげてしまった。そこが田代湿原だった。ここも大勢の人で賑わうのかも知れないが、尾瀬の華やかさとは違った未開拓の素朴さが残されている。広大な尾瀬ヶ原とは比較にならないが、静けさを求めるならいいかもしれない。どこが山頂か分からないが、この全体が山頂かなと思いつつ、高山植物を物色する。

 木道を抜けた頃、避難小屋がある。中には弘法大師を奉ってあるらしくお堂になっていた。避難小屋として使うのにはちょっと落ち着かない感じだ。小屋の前でひと休みし、帝釈山へと進む。曇りのせいか、人がいないせいか分からないが、その道は陰気なようにも感じる。天気でかなり印象が違ってしまうようだ。見たことのないお花があって気になったが。持ってくるわけにもいかず、写真も撮り損ねたので、今となっては形状も定かではなくなってしまった。やはりすぐ調べないと忘れてしまう。残念なことをした。

 山頂での展望は快晴だったらもっと遠くまで見渡せたのかも知れないが、雨を覚悟していた割には恵まれたのではないかと思う。味噌汁を作り、思い思いのお弁当を広げ、洋ちゃんの手作りのおかずもご相伴にあずかって気持ちの良い山頂でのひとときだった。片づける頃になって雨が降り始めてきた。みんなで合羽を着るが、洋ちゃんは用意が不完全だった為、青木さんが気を配って合羽のズボンの方を貸してくれていた。いつも青木さんには世話になる。それでも洋ちゃんに「ズボンの長さ足りないんじゃない?」と言いながら、青木さんをからかう。しかし信頼できる人だと感謝。

 下山中、洋ちゃんは靴がズックだったため、雨の山道は滑って歩きにくかったようだ。途中数人のパーティとすれ違った。

 さっきの避難小屋の前で休み、湿原の所で写真を撮って湿原を後にする。

 車の所に戻ったときは洋ちゃんの靴はもうぐしょぐしょ。大分足にきているようだった。若くても山はやはり慣れかなと思った。でも若さは回復も早いし、慣れるのも早い。我々にはこの先ますます望めないことだとちょっぴり寂しさも感じる。まぁ自分の体力に見合った楽しみ方をすればいいのだが。

 会津高原駅の側の温泉に入り、美味しいお蕎麦を食べて満足満足!

”湿原の尾瀬に隠れて田代山ニッコウキスゲの咲いて淋しき”
”一人減り二人減りして山友の行くところまた山となりけり”
”晴天に憂いのなくて曇天は遠きを隠して足もと見よと”