丹沢・丹沢山〜塔ノ岳
 (たんざわさん1567.1m〜塔ノ岳1490.9m)
 山頂の賑わいとは裏腹にとっても静かで素晴らしいコースだった!

 H13年10月14日(日)当日発
  天気;晴れ
  Member.4人(斉木夫妻、石原夫婦)

 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)

塩水橋7:40〜本谷橋8:10〜(天王寺尾根)〜堂平分岐〜丹沢山11:00-12:15〜竜ヶ馬場〜塔ノ岳13:05〜木ノ又小屋(1396m)13:30-40〜新大日〜分岐(1241m)〜上ノ丸下で札掛との分岐15:23-33〜本谷橋16:10
(所要時間約8時間50分・・休憩含む)


 久しぶりに斉木氏と歩くことになった。新婚で初対面の奥さんと一緒だ。本当は一泊の山行を予定していたのだが、どちらが間違えたのか、約束した日にちが一週間ずれていた。次週は夫がバイクのツーリングで予定が埋まっていたため、急遽日曜の日帰りで行くことになった。

 行き先は丹沢山で、コースは塩水橋からの周回。今年のはじめに丹沢山へ行ったとき、偶然、JOさんに出会ったのだが、その時彼らが歩いたというコースをいつか歩いてみたいと思っていた。今回そこを歩くことになった。このコースは良かった。丹沢山から塔ノ岳、新大日へ至る主脈から表尾根の辺りはさすがに人が多かった。しかし本谷橋から天王寺尾根を経て丹沢山へと向かう登山道と、新大日から尾根伝いに本谷橋へ向かう道は極端に登山者が少なく、丹沢とは思えない静かな歩きを楽しむことができた。今回は車の中にカメラを忘れてしまい、写真を写すことが出来ず残念だった。

 当日斉木氏夫妻に我が家まで来ていただき、車に同乗して6時前に出発。彼らは若いながら、登山歴、技術共にはるかに私たち夫婦など足下にも及ばないのだが、丹沢日帰りでこんなに早い時間に出たことがないという。短時間でダーッと登り、ダーッと下ってくるタイプのようだ。のんびり歩く私たちとはまた志向が違うのだろうが、私たちではそんなペースについていけるわけもない。新婚の奥さんとは初対面ということもあり、ともかく今回はのんびり歩く事にする。

 東名厚木ICを降り、途中のコンビニで買い物をして、宮ヶ瀬方面へと進む。橋を渡り中津川沿いに塩水橋方面へと向かうが途中からなんとも狭い道になる。舗装はされているが、車のすれ違いのいやな道路だ。しかし札掛からヤビツ峠へと抜けている道なので、ときたますれ違いがある。このコースにした言い出しっぺとしては、気を遣っている運転者に何とも申し訳ない思いだった。

 無事塩水橋に到着。既に数台の車が駐車しており、丁度1台分空いていた所に停めることができた。ラッキー!駐車スペースは充分あるとはいえず、5,6台以上は道沿いに停める状態なので、確実に停めるなら早めに着く必要がある。4,5人の登山者がまさに登ろうとしているところだったが、駐車中の何人かは釣り人や、沢登りの人かも知れない。私たちも支度をして出発。

 ゲートの隙間から入り、舗装されている道を本谷橋へと進む。本谷橋からはいよいよ登山道。檜の植林の中を登っていく。所々防鹿柵があり、気になるが、丹沢ではよく見られる光景だ。少しずつあらわれる広葉樹は、下の方ではまだ青々している。上に行くにしたがい徐々に黄葉、紅葉が広がってくる。まだ少し早いようだ。あともう少しといったところか。それでも所々にナナカマドなどの赤が鮮やかに目に飛び込んでくる。

 ペースの速い斉木氏は先に行き、あとは夫ペースでゆっくりと登っていった。間に入った奥さんには「遅いから先に行って」と夫が時々声をかけていたが、気持ちよく足並みを揃えてくれて、ゆっくり話ながら登っていった。明るくて、爽やかな人だった。

 天王寺尾根を通り過ぎたところだったろうか、ちょっとした鎖場がある。鎖に頼らないまでも、そこをよじ登り、眼下を見下ろすと堂平方面に小屋らしきものが見えた。その辺りになって、きれいに開いて咲いているリンドウが出てきた。日当たりの良い場所で、いかにも気持ちよさそうだ。左に下りで通る尾根、右に丹沢三峰の稜線を眺め、その延長線上の丹沢山へと向かう急登を行く。休憩するたびに喫煙の夫は息が荒い(ったく・・・)。その後を奥さん、私とついていく。

 急登を登りつめると緩やかな山道になり、間もなく丹沢山に到着。こちらから見るみやま山荘は小さく感じた。斉木さん夫妻の知り合い(今はヒマラヤ遠征中)がいるという山荘に寄ると、後輩が手伝いに来ているという。さっそく斉木さんと夫が持ち上げた水(合わせて9リッターくらいだったろうか?)を、進呈。

 山頂ではゆっくり休憩。暑かったので、うどんは失敗だったかなと思いつつ、量は少なかったので、作って食べれば食べられてしまう。チゲ風味のやや辛いものだったので、美味しかった。あとはコンビニ調達のパンや、持ってきた果物など。おじちゃん、おばちゃんはコレだからヤダよと笑わないでね。これが楽しみなんだから・・・(^-^;;

 丹沢山を後にして塔ノ岳へ向かうとすれ違いが多くなってきた。登り優先で待つことが多くなる。驚いたことがひとつ。それは新しい木道が出来ていたこと。今年のお正月に登ったときには無かった、はず・・・。危なそうな所や、入っては行けない場所には真新しい木の杭に太いロープが張られてあった。防鹿柵も増えた気がする。随分整備が進んでいる。木道を歩いているとまだ木の匂いがした。

 今度は夫が先頭になり、斉木さんが後に続いて四人揃って一緒に歩いていった。ようやく始まった紅葉がきれいだった。    

 塔ノ岳に着いて驚いた。びっしりと人、人、人・・・。座る場所を捜すのも大変なくらいの混みようで、そこは通過。木ノ又小屋で一息ついた。しかし、新大日まで行く間にも、登ってくる人が絶え間なく続き、待つことが多かった。

 新大日から札掛と書かれた方向、塩水橋方面へのルートをとると、嘘のような静けさになった。下に降りるまではまったく人に会わなかった。もっともこの時間にここを登ってくる人もいないのだろうが、後ろからも人の気配はまったくなかった。雑木林の中のふかふかした道をあるくのは気持良く、その雰囲気はとても素晴らしい。まだ始まったばかりの紅葉が素敵だ。「いいな〜」と何回も声が出る。こちらからの登りは長く感じそうだが、下りならばこのコースは最高。思わずJOさんに感謝!途中ツチアケビやどうもクロモジらしき木が保護されているらしかった。奥多摩ではよく見るクロモジだが、この辺りでは少ないのかもしれない。  

 たまに登山道が不鮮明になるので、時々地図でチェックしながら下っていった。あまりに静かすぎて、一人か二人の歩きだと、寂しく感じるかも知れない。植林の木を切ったばかりの場所へ来て、上で聞こえていたのはここのチェーンソーだったと納得。鹿のウンチはいくつか見たが、そこには熊?のウンチらしきものがあり、ちょっとビビル。ところで、鹿の柵があるために、人間が通れるように板を渡してあるところが数カ所あるが、その木が老朽化しているので、歩くとき注意が必要。

 上ノ丸の側の札掛分岐までが遠く思われて、途中地図で確認したり、疑わしき場所では斉木さんが確認に行ったりして、なんとかその分岐に辿り着いたときはホッとした。そこで最後の休憩をして、本谷橋へ。沢に出て、徒渉か?と思ったが、沢づたいに少し下ると立派な吊り橋があった。4人で歩くと揺れる。しっかりした吊り橋なので心配はない。渡り終えて登山口を通過し、林道を塩水橋へ。いっぱいだった車は殆ど無くなっていた。お疲れさま。しかし、この後大きい通りに出るまで数回すれ違いがあり、ドライバーはなおも気を抜けなかっただろう。東名の渋滞で246に変更し、自宅まで送っていただいた。本当にお疲れさまでした。