中央線沿線・高尾山〜城山〜南高尾
(たかおさん599、しろやま670.3、おおぼらやま536、なかざわやま494、くさとやま365m)
草戸山に惹かれて久々に南高尾(大垂水峠〜大洞山〜中沢山〜三沢峠〜草戸山)へ
足を踏み入れた。入梅したにも関わらず涼風吹く中気持ちよい散策。
草戸山はわずか365mなのに、歩き応えのある山だった。

 H17年6月12日(日)
  天気;晴れ
  Member.1人

【コ ー ス】(〜は歩、休憩時間含む) 
高尾山口駅〜稲荷山登山口10:10〜東屋10:40〜高尾山分岐11:15〜一丁平11:45-50〜城山12:10-13:00〜大垂水峠13:35〜大洞山14:00-14:05〜中沢山14:35〜展望場14:50〜三沢峠15:30〜草戸山15:50-16:00〜登山口17:00(高尾山口駅へ)

【草戸山山頂】

 5時半ごろ一度目が覚めた。昨夜寝るのが遅かったのに土日山行の周期が自然と現れるらしい。昨日もその頃一度目が覚めたっけ。梅雨に入ったばかりで、降らない日は貴重とばかりに昨日は二度寝しながらも鎌倉を歩いてきた。予報では今日も晴れるらしいと思っていたが、続けてはさすがに出にくいかなぁ・・と寝床でグズグズし、それでも6時半には起床。

予定は全く立てていなかった。母に声をかけてみたが水曜日にゲートボールの試合があるし、疲れがその頃に出るから出かけたくないと言う。「天気がいいうちに行ってらっしゃいよ」と後押しされて、簡単に用事を済ませた後、行き先が決まらないまま8時半過ぎに家を出た。

行きたいところは数限りないが、時間を考え、とりあえず奥多摩、丹沢、中央線沿いのエリアの地図をザックに入れた。・・・そのつもりだったのに後から用意したものを忘れ、持って出たのは昭文社エアリアマップの高尾陣馬だけ。電車の中で考える。いつもより2時間も出るのが遅いのでは選択の余地もない。結局高尾山に決めた。このパターンだといつも高尾山だな・・・と少々新鮮味のない思いでいた。しかし軽く考えていた山から甘くないぞと知らされ、それどころではない歩きとなるのだった。

ところでJRのイオカードが廃止されて初めてスイカを買った。京王線の乗換えではカードならば2枚同時に入れれば良かったのに、スイカはタッチなので慣れないためタイミングが合わず、もたついている間に目の前で一本見送ってしまった。時間が遅いので山歩きのザックを背負った人はもうほとんどいなかったが、京王線高尾山口行きに乗ると小さなザックの人がかなりいた。

高尾山口駅に着くとさすが人で溢れていた。断然若い人が多い。賑やかな話し声と歌声なども聞こえてくる。それもケーブル乗り場までで、稲荷山コースへ入ると途端に静かになった。稲荷山コースを下山路にとる人は多い。早くも次々下りてくる人と出会う。高尾山では挨拶する人が少ないが、街中を歩くような人の多さでは、挨拶をしないのもマナーかなとこの頃では思っている。

東屋で一息つく。展望は遠くが霞んでいるが西武ドームははっきり見えていた。天気は良い。梅雨時にも関わらず、空気は気持ちよかった。昨日、今日と晴れているため登山道はちょうど歩きやすい。

登り坂になるといつもより体がしんどかった。いつものように軽く歩いていたが、昨夜の寝不足とまだ昨日の疲れが残っていたのだろう。昨日は鎌倉をちょっと歩いただけなのに・・・。湿度も影響していたかもしれない。高尾山だからと甘くみくびると、こうしてすぐしっぺ返しが来る。高尾山山頂はまいて城山へ向かった。

それにしても周りの人たちのペースの速いこと。一丁平で休憩していると、側の年配の女性三人の話し声が耳に入ってきた。いつも一人で歩いているとか、高尾は歩くより走っているとか、百名山のこととか、そのトイレ休憩の間にもテンポよく話しがつながっていく。年齢の話題になって驚いた。「もう70歳なんですよ」と聞こえてきて、え〜っ!とても見えませんと口から出そうになった。どうみても60代前半、御見それしました。高尾山はのんびりと楽しんで歩いている人がいるかと思えば早歩きの人や走っている人がいる。まるで公園のような面白いフィールドだ。

【右:城山山頂】
 身軽に歩く人に混じって、ようやく城山に着いた。小屋下の草原では裸になって大の字で寝ている男性や本を読んでいる人、食事している人が大勢いた。私も小屋の方には行かず、木陰にシートを広げてのんびり休むことした。富士山は見えなかった。昼寝したいくらいだったが大勢の中でさすがに出来ず、コンビニで買ってきたサンドイッチを食べる。暑くてしばらくは冷たいスポーツドリンクを飲み、落ち着いてからお湯を沸かしてコーヒーをいれ、ゆっくり飲んだ。この時間が好き。その時点で陣馬山まで行く気は失せ、どこから下りようかと地図を広げる。いつも家に計画書を残してくる私にしては珍しい。山ではいけないと知りつつ、本来こんな自由な歩きが好きなのだ。いくつかのコースを眼で辿って、南高尾のコースを見ていた時、ふと草戸山に目が止まった。
heppocoさんが登ったという山だ。にわかに興味がわいた。時間的には陣馬までいくのとたいして変わらない。これから歩くと4時間と見て17時くらいまでかかるだろうか。今日の私にはけっして楽ではないが、ここよりずっと低くなるから行ってみようか!と即決。13時までゆっくり休んでから出発した。しかしこれが甘くはなかったのである。

城山から大垂水峠への下山路に入った途端に今までの喧騒は嘘のように消えた。下りて間もなく女性二人が登ってきた。そして峠までの間に出会ったのは他に単独の男性二人と小さな蛇一匹。山で蛇に出会うのは何年ぶりだろうか。私は意外にも少ない。枯れ枝かと思って危うく踏みそうになった。いきなり動いたのでさすがにびっくりした。

R20に出て、大垂水峠の橋を渡り南高尾山稜に入る。高尾山、城山の賑やかさが信じられないくらい人がいない。抜いていった男性一人、大洞山で男性一人、大洞山直下で昼寝していた男性二人・・・といった感じだ。このコースは以前にも来ているが、もっと人が多かった。登山道は整備され歩きやすく、所々にはしっかりしたベンチも用意されている。賑やかな高尾山から陣馬山の縦走路をはさんで両側の北高尾と南高尾は比較的人が少なく静かで良い。エゴノキの花がまだきれいに咲いていた。足元にはフタリシズカもかなり見られた。

【左:大洞山山頂】
 「大洞山」は山頂にいた人に聞くと「おおぼらやま」と読むそうだ。木々が多く展望は開けていないがベンチが用意され落ち着く山頂だ。一息ついてから先へ進む。ずっと展望はよくない。この梅雨時に歩く登山道ではないと思ったが、幸いこの日は風の通りが良かった。この時期にしては珍しく涼やかな風が吹いてとても気持ちよかった。

中沢山山頂は登山道から少し登ったところにあり観音様が奉られてあった。再び登山道に戻り、コースは直角に曲がっていく。しばらく行くと見覚えのあるベンチがあった。ここが唯一といっていいくらいの展望場だ。眼下に津久井湖、その向こうに見えるのは丹沢の山並みだろう。遠望はもやっていてはっきりしなかった。

再び展望のない登山道をテクテクと歩き始める。三沢峠には15時半着。ここでようやくベンチで休憩している数名の人に出会う。以前はここから梅ノ木平に下山した。この日の目的は急遽決めた草戸山。

【右:草戸山への散策道】
 緩やかに登り先ずは榎窪山山頂を通過し、車が通りそうな道を進んでいった。右側には木の間に城山湖が見える。草戸山までは途中休憩できる東屋もあり、ファミリーで歩けるような広い散策道でよく整備されていた。階段も多い。間もなく展望台のある広場に到着。そこが草戸山だった。

きれいな高床式のような展望台に上がってみた。津久井湖の対岸の様子が見える。同じ方向に行くという年配のご夫婦と、「後は下るだけですね」などと言葉を交わして見送り、一息ついてから私も下山に向かったのだが、ここからが大変だった。

草戸山から尾根道を辿ったが、下山どころではない。登ったり下りたりの繰り返しを何回したことか。小さいアップダウンだったが20回くらいあっただろうか。いつになったら下れるんだぁ〜と心の中で何回つぶやいたことか・・・。最後にしてこのコースはきつかった。それだけにより印象深い。ここも展望はなかったが、緑がとっても美しかった。心に残る楽しい山行だった。

【左:スイカズラ】
 高尾山口駅とJR高尾駅との分岐からようやく下りに転じた。山から住宅地へ出て、R20を渡る。見慣れた高尾山口の商店の並びを見て、急にお腹がすいた。お蕎麦を食べながら冷たいビールを飲みたかった。しかし時間は予定したとおり17時。急いで帰らねば。駅のトイレで上だけ着替え、電車に乗る。発車までの待つ間に残っていた500ccのお茶を一本一気飲み。この日水分は2リットル以上とった。持っていったのは2、5リットルだった。