中央線沿線;  高尾山
(たかおさん)

久々のハイキングでトレーニング


 H9.10/20(月)当日発 ; Member.計2名

京王高尾山口駅〜稲荷山〜モミジ台(昼食)〜一丁平〜
高尾山〜4号路(吊り橋)経由〜ケーブル利用〜京王高尾山口駅

 次男夫婦の2人目の出産に伴い、その世話で、3カ月以上山とはご無沙汰してしまった。先ずは足慣らしにと、選んだのは高尾山。一人でも気楽に歩ける馴染みの山だ。

 たまたま転居通知を戴いた知人に電話したのがきっかけで、お互い疎遠だった山に足を向けてみようと話がまとまりご一緒することになった。

 京王線高尾山口駅前で8時に待ち合わせ。少し早めに着いたのでゆっくりお茶を飲んでから、いきなり歩いても体がびっくりしないようにウオーミングアップして慣らす。天気予報では晴天で、既に快適な空模様だが早朝はひんやりと空気が冷たい。

 知人と顔を合わせご挨拶した後、私の好きな稲荷山コースに向かった。数年前の伐採後が植林で少々様子が様変わりしていたが、多くの人たちに踏みならされた広い登山道はいくらかでも山に来たという満足感を与えてくれる。陽は燦々と輝き、樹間から遠慮無く射し込んできて快適な気分だ。紅葉もお花も期待していなかった私だが、コウヤボウキ、ヤクシソウ、シロヤマギクが次々と現れ、時期はずれの散策も満更ではないと楽しくなった。植物に詳しい知人と一緒だと、確信を持って花や樹と接せられるのが嬉しい。秋のセンボンヤリなど一人では絶対見落としてしまう。ピンクの花びらの真ん中に青い実をつけたクサギを今回初めて見たが、今までにない配色に驚いた。

 話しながらのんびりと歩いていったが、同行者にはきっと全ての木や植物が目に入っていたのに違いない。いつまでもお元気でこうして歩いていただきたいと思うと同時に、私も享受して活力を持ち続けたい。この日はペースを落として下さったのでとても有り難かった。それほどに今回は自分の体力に自信がなかったのだ。まだ山を楽しむ体力的なゆとりなどなかったのに、ただ山の空気に触れたいばっかりにこうして出てきてしまったのだから。

  賑やかな山頂を避けて巻き、モミジ台に向かった。まだ時間は早かったし、紅葉もしていなかったが、静かな雰囲気だったのでそのモミジ台で昼食ということにした。寒いかも知れないと思って温かい味噌汁を作る用意をしていったが、半袖でも良いくらい汗ばむほどの陽気だった。それでも支度してきたので作り、しかもお餅を投げ入れてお雑煮にしてしまった。木の間から冠雪した富士山が姿を見せ、その左側に見えたのは御正体山の山域のようだった。その御正体山に、深い雪の中歩いたことを思い出す。

 ゆっくり休んだ後、引き返そうかと迷ったが、一丁平まで行くことにした。新しくトイレや休憩舎など出来たりして辺り一帯は美しく整備されていた。桜の咲く頃は最高の場所だ。ナナカマドの木が一本たわわに赤い実をつけていたが、北海道などではもっと枝がしなる程だそうだ。

 再度シロヤマギクの特徴やノコンギクとの対比を伺いながら、道を巻いて5号路から4号路へ進んだ。4号路は来たこと無いと思っていたが、吊り橋が妙に懐かしく感じた。子供が小さい頃来たときに、この道を通っていたのかも知れない。イロハモミジの他にイタヤカエデ、フサザクラの木があって、これも丁寧に教えて下さる。とても有り難く思う。感謝しきり。

 平日の山歩きといえども高尾はやはり賑やかだった。小学生や幼稚園の遠足、そして表参道に出れば多くの参拝客がいた。ケーブルの向かいの席に足の弱った母親と介添えの娘(40前後?)が座って少し話をしたが、とても感じのいい人で、後から私も娘にこうして連れてきてもらいたいなどと冗談を言った。

 高尾山口駅の喫茶室でコーヒーをご馳走になり、少し休んで帰路についた。

”秋晴れに疲れし吾が身を休めんと高尾に歩く心地よきかな”
”青空にイロハモミジの重なりてキャンバスいっぱい色づき初むる”
”山頂のざわめき避けて無人茶屋座れば前に冠雪の富士”