中央線沿線; 高川山&九鬼山
(たかがわやま & くきさん)

一日で二つの山に登る。


 H6年3月12日(土)当日発 ;
 Member.計4名

 【コース】(=は乗り物、〜は歩き)
立川駅6:45=初狩駅(450m)7:53〜椎茸ほだ場8:25〜高川山(975.9m)9:35-10:05〜禾生駅(420m)11:30〜九鬼山登山口11:45-12:15〜九鬼山(970.3m)13:50〜田野倉駅(395m)15:25


 前回登山口が分からなくて登れなかった九鬼山への思いを引きずって、今回はコースを変更して行ってきた。とはいうものの、同じ失敗は繰り返したくないのと、プラスαを求めたい気持ちもあって、高川山をセットしてみた。尾根続きではないためハードスケジュールになることは言うまでもない。だから当初一人で行って見るつもりだった。しかしメンバーの一人は7日にお一人で踏破され、他の皆も思いを残しているのを知り、取り敢えず声だけでも……と、かけたところが即全員集合ということになったわけだ。プランは自分用に作ったものだったがそのまま実行。恐らく1〜2時間のずれ込みはあるだろうと思っていた。ところが皆のペースは順調で、帰りの電車が1本後になっただけ。最終的には約30分の遅れだった。先導はかなり気を遣われたと思う。

 前回の九鬼山のリタイヤはこの日随分と生かされた。当然皆慎重になる。八つの目を八方に配って、標識にも絶えず注意を向けた。不明なときはすぐ地図を広げて確かめた。

 高川山の方が少し高いが標高差は高川525.7m、九鬼550mだった。一番大変だったのは最初の高川山の登りだったのではないだろうか。時間的には短くて楽だと思ったがやや急勾配。でも危険なところもなく歩きやすい道だった。始めは杉や桧の針葉樹林で趣には欠けたが、足を止める回数が少なくなって、今回のような強行軍の時には時間がかせげて助かる。山頂の見晴らしは良かった。富士山が全く見えなかったのが残念だったが、午後からの降水確率50%という予報だったにもかかわらず三ツ峠、御正体山などくっきりと見えた。低山でありながら展望は素晴しい。ここだけ単独で行ってゆっくりとその景観を堪能するのも悪くない。そして、この後登る九鬼山の全容に目を向けた。これから下る禾生の街並を挟んで、この日も静かに対峙している。これから下りて果たして登れるだろうかと、たじろぐ気持ちを抑え、心のうちで優しくラブコールを送った。という訳で、小休止の後間もなく下山。この日は富士山が見えなかったので心を残すことなく早々に下りられた訳だがここでも下山路を間違えないように丹念に下る。

 下山して間もなく最後尾のメンバーがネズに気がついた。岩殿山で見たネズ(あるいはネズミサシ、ビャクシン)で、先生の感激再びであった。天気は持ち直すかのように明るくなり、気は晴れ晴れと、歩みも進んだ。禾生の街で続行するか確認。果たして、皆さん行かれるという。街のコンクリートの道を通過して、九鬼山へと向かった。

 登山口まで来たら何と下山してきた人達数人が座り込んで休んでいる。かなりしんどいコースだったらしい。先生もここを下りられて大変だったそうだが、幸いなことに、少々時間がかかるが別ルートがあるという情報をつかんで戴いていた。登山口で体を休めがてら早めに昼食をとった。30分程で出発し、その杉本新道を進んだが、雑木林の気持ちよい山道だった。クヌギやコナラ、カラマツの落ち葉を踏みしめその柔らかい感触を楽しんだ。無理のないちょうど良い傾斜だった。時間と天候を念頭に置いていたため、休まずゆっくりと、ペースメーカーの先頭に従った。

 山頂に着いた時、パラパラと遂に降ってきた。写真だけ撮って急いで下山。視界は木に囲まれて狭かった事と、天候のためによくなかった。思い詰めた恋人の元にようやくたどり着いたのに、その印象は薄かった。ここでも『マーフィーの原則』は確認された。

 後は帰るだけ、下山するだけだからと思いつつ雨を気にしながら下りた訳だが、先ず初めが急坂、そして次に問題のガレ場があった。先生が5日前に来たときはアイスバーンになっていたそうだ。この日は雪が解けてはいたが、足を踏み外したらそのまま滑り落ちてしまう。前回二回も道を間違えて、予定を変更したのはこの九鬼山が私たちを守ってくれたのだと、つくづく感じ入った。その難関を通り抜けた所にアブラチャンの花が咲いていた。どこまで心憎い演出をしてくれるのだろう。全コース通して、シジュウカラ、カッコウ、カケス等野鳥の鳴き声を聞いたが、ミソサザイの澄んだ鳴き声は、更にその演出を盛り上げてくれた。 今回31,200歩、久々の快挙だった。

        “高川と九鬼を互いの山頂に認めし胸の熱き一日”