谷川連峰;平標山〜仙ノ倉山
(たいらっぴょうやま〜せんのくらやま)

梅雨の合間に谷川の山並とお花見を楽しむ


 H10.6/18(木)前日発・  天気;晴 : Member.4人(渋谷、信田、大川、石原)

【平標山】右

 登山口5:05〜松手山6:50-7:05〜平標山頂8:15-20〜仙ノ倉山頂9:00-40〜平標山ノ家11:00-05〜岩魚沢林道分岐12:00〜登山口(駐車場)12:40

 平標山はお花がきれいと聞いていたので、2年程前から行きたかった山だった。期待に胸弾ませて前夜6時に出発し、数日前に通ったルート関越道を再び行く。今回は山友、渋谷さんのそれぞれの山仲間が集められ、女性三人はそれぞれ初対面だった。ハーレム?の中に身をおいて、渋谷さんは運転しつつ、ひたすら気を遣う。三人の毒舌と弁舌にも常に穏やかにあくまでも紳士的に。

 湯沢ICをおりて国道17号線を20分程行くと平標山用に整備された広い駐車場がある。しかし国道沿いの為、寝るには車の音でうるさい。登山道入り口迄行く手前の、空き地でテントを張る事にした。10時、夜空に輝く星に歓声をあげて、早々に眠りにつく。

 4時起床。青空が広がっている。気を良くしながら食事、テントの撤収を済ませ、車を駐車場(トイレあり)に移動して出発。この時点で車は他に止まっていなかった。登山者カードボックスが見当たらず、そのまま登山口へ。

 初めから割合急登だ。スローペースで登るが汗の吹き出すのが分かる。あらかじめバンダナを頭を巻いて良かった。ヤマツツジが沢山咲いている。急登がひと段楽したところで苗場スキー場が目の前に現れた。冬の喧噪とは全く違い静かだが、山肌をそがれたゲレンデの姿は痛々しい。登山道も似たようなものか?

 再び急登と大きな鉄塔、また急登を通り過ぎるとやがて松手山山頂だ。苗場山の平坦な山並、三国山方面など山座同定。そしてハッキリと道筋のついた先に平標山の標識が目に映る。山容はなだらかでたおやかだ。夏の暑い時期は日陰がない。今回、天気は快晴だが早朝でもあり涼やかな風も吹いて、幸いとても気持ちが良かった。熊笹におおわれた山容は遠目に美しい。

 山頂に近付くにつれヨツバシオガマの群落が広がった。なだらかな登りではあったが振り返るとさっき居た松手山が随分下に見える。同時に数日前平ケ岳に登った疲れがまだ残っていると感じだした。やはり、多少足が重い。

 今回のメンバーは脚力に開きがあった。それを束ねているのはリーダーだったが、平標山頂に着いた時、手がとても浮腫んでいた一番年輩の大川さんの体調を心配したリーダーは、そこから平標山の家に先に行って待っていた方が良いのでは?と打診。彼女も同意して快く指示にしたがい、私達3人は仙ノ倉へ。

 平標から仙ノ倉までの登山道は途中迄ロープがつけられていた。山の人気で道幅が広がり、その結果の保護と思われる。ハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、マイズルソウ、イワカガミ、○○フウロなども見事に咲いていた。

左【ヨツバシオガマと仙ノ倉山】

 ピーク4つ通って山頂に着いたのは40分後。私は自分のペースで後からついていったが、割合早かった。ここも平標山山頂同様展望が良い。更に東へと続く谷川連峰の山並に目が吸い込まれる。このままのんびりと行ってみたくなる。二年前に歩いた白毛門から朝日岳はどの辺りだろうかと目をこらす。そしてそこで昼食。渋谷さん手作りのキュウリに、大川さん手作りの味噌をつけながら食べ、冷えたビールを戴いた。暑かったからとても咽越しが良い。谷川連峰の中では仙ノ倉が一番高い事になっていたが、最近、衛星のお陰で実は茂倉岳の方が高いという事が分かったそうだ。やがてガスが上がってきて谷川や平標が時々隠れるようになった。しかし山頂は限り無く気持ちが良い。ドリップコーヒーを飲んだ後、二人は昼寝をすると言うので、私はゆっくりお花を見たいからと先に下りた。本当は女の人が一人でエビス大黒ノ頭までピストンしてきたのを見て、私も行きたい衝動にかられたが、今回は時間制約付きの温泉に入るという目的も有るのであきらめた。

 写真を写しながら一面のお花畑の風景を楽しむ。久しぶりにのどかな散策だ。同じ道を戻り、途中平標山を巻いて大川さんの待つ平標山ノ家に向かう。見通しの良い稜線には登山者の数が増えていた。通りすがりに挨拶したり話したり、ガスの晴れるのを待って写真を写しながら歩いていた為、昼寝していた二人が追い付いてきた。この巻道は池塘がありチングルマ、ワタスゲ、フデリンドウ、イワウチワなども咲いていた。わずかに雪渓が残っていたが登山道に雪は全く無い。木道があるものの、朽ちていて歩きにくい。平標への分岐迄くると木の階段が立派に作られていた。1、2年前に作られたのだろうか、まだ新しい。

 山の家で小屋のおじさんと写真を写す。とても気さくな感じだ。土日は行列が出来るくらい混むと言うが、平日はのんびりしている。水がポンプアップされており、無料でふんだんに飲める。冷たくて美味しい。顔もついでに洗わせてもらう。ここで待つ間大川さんもゆっくり休めて話も出来て楽しかったと言っていた。

 次の目的地、温泉に間に合うよう早々に下山。樹林帯で展望はもう望めないが、緑が美しい。紅葉の時期も良いだろう。元気回復した大川さんも加わって、又陽気な声が響く。

 1時間弱で岩魚沢林道に到着。途中車が数台止まっていたが、この林道のゲートはしまっていた。いったいどこから入ったのだろう。みんなで首をかしげながら尚も歩いていくと別荘地が続いている。かなりゆったりとした作りの別荘だ。ひとしきり別荘談議に花が咲く。

 途中で登山者カードボックスがあった。ここにあっても今回役に立たなかった。設置場所の再考を願いたいものだと思った。

 林道歩きは40分。駐車場に着くと、朝ガラガラだった駐車場には20台くらいの車が止まっていただろうか。殆どが新潟や長岡ナンバーだった。梅雨時の好天だったから地元の人が多いのだろう。新潟にも行きたい山がまだ沢山残っている。晴れたから行ってみようと出て来れる距離にいられて羨ましく思う。

 次に、日帰りは2時迄しか入れないという法師温泉、長寿館へ。秘湯のひとつとかで歴史が古いらしくとても風情のある造りだ。最近では高峰美枝子(字はこれでいい?)と上原謙(?)のフルムーンのCMで一躍有名になったそうだ。男性は混浴風呂のみ。女性は専用があるので御心配無く。一人800円でタオル付き。石鹸はあるがシャンプーなどはない。シャワーもない。落ち着いた佇まいは楽しめる。

 食事は予約のみだったので、私達は出てから17号線沿いのお蕎麦やさんに立ち寄り、お腹いっぱいになった後月夜野ICから入る。まだ明るいうちに家に帰り着く事ができた。冬のスキーシーズンでなければ新潟も近い。

“谷川と恐い響きに程遠きやさし山並み花敷きつめて”