北アルプス ; 白馬岳
(しろうまだけ)

梅雨空の閣天候の中決行、コースは短縮


 H7年7月7-9日(金-日)前夜発 ;
 Member.計5名(宮沢、津田、新牛込、松沢、石原)

 コース
7日 (23:50発急行アルプス)
8日 白馬駅5:33着〜{タクシー}〜猿倉5:55-6:55〜
   {タクシー}〜栂池高原7:25〜{ゴンドラ}〜
   つがのもり8:00〜{ロープウエイ}〜 栂池平8:10〜
   天狗原9:30〜乗鞍岳10:45-50〜
   白馬大池山荘11:25-12:15〜小蓮華山2:50〜
   白馬岳山頂3:45-50〜村営頂上宿舎4:15
9日 頂上宿舎7:30〜白馬尻荘9:30〜猿倉10:25-55〜
{タクシー}〜みみずくの湯11:15-?〜
   白馬駅15:06発あずさ6号〜八王子18:01    


 いろいろと初体験の多い中、今回は縦走にテントを持ち歩くというのが初めてだった。メンバーは全員女性。

 白馬駅は予想どうり雨。タクシーで猿倉に到着すると、「昨夜からの雨で沢が越せない。栂池に廻った方がよい」と言う忠告に従って再びタクシーで移動。5人という人数はこの際誠に都合が良かった。8時始発を待たずしてゴンドラが稼働していたのはラッキーだった。ガスのかかった空、滝のように流れる川や山道、降りしきる雨を恨めしく思いつつ、楽しもうと気を奮い立たせていた。

 皆の顔は今一浮かないが、乗り継いだロープウエイを降りて歩き始めた。山道と言ってもまるで川のように流れ落ちてくる中をジャブジャブと登って行く。雪渓が早速現れ、ピッケルを手に持つ。初めて持つ私は使い方を聞きながら。結構うっとうしく感じたが、無かったら苦労したと思う。

 天狗原に着いた頃ひと休みしたかったが、ゆっくり休めるような天気でも、場所でも無かったのでそのまま進行。

 広々した乗鞍岳山頂で5分ほど休憩。この時宮沢さんの顔色が悪くて心配したが、間に服を着込んで、その後はいくらか落ち着いたようだった。

 雪渓を登って、白馬大池が目に入ったとき、その景色に新鮮な驚きを感じた。厚い氷が割れて風に流され、まるで流氷のようだった。

 山荘に着いたときは皆温かい甘酒やコーヒーを求め、昼食を済ませた。いくつかのパーティーの殆どはそこで素泊まりを頼んでいた。私たちも再び出発するのはこの悪天候の中、億劫な気もしたが、津田さんの号令の元、出発。

 外は思ったより風が強く吹いていた。雪渓を登ると尾根伝いへと続く。その時は仁王立ちしなければ立っていられないほどだった。かなり体力を使う。風が瞬間止む時は、こらえていた体がふっと逆方向へ流される。後になり先になりしながら進んでいったが、雪渓の踏み跡が無いところはやはりベテランの宮沢さんが先に行った方が断然早い。

 山頂近くで私はザックカバーを風に持って行かれてしまった。まだ新しかったのに。でもカバーの犠牲だけで済んでよかった。

 そして山頂。何にも見えない。写真を写す気にもなれず、それでも握手だけはして、喜びを分かつ。ビデオだけ写して下るとすぐ白馬山荘だ。長野県と富山県の県境に立って、理佳ちゃんと一緒にはしゃぐ。あと一息(約15分)の頂上宿舎に向かうがこの下りの雪渓がまたいやだった。

 風雨の中、テント泊はやめて素泊まりに変更。この決断は良かった。乾燥室で荷物を乾かしながら、冷たい体を温めた(テント泊は乾燥室が使えない)。  

 翌朝5時前に起床。風は強く、雨そしてガス。唐松岳へ向かう予定を変更して、大雪渓から猿倉へ下山する事にした。

 私は皆と同様アイゼンを着装し、注意して歩いたつもりだが、滑ってばかり。前との間隔はすぐ開いてしまう。それでも全く休憩なしで進んだ為、所要時間は30分程コースタイムより早かった。

 白馬駅近くの温泉につかり、もう一泊するという松沢さんと別れ、一日早い特急あずさ6号で無事帰宅。

 今回の山行は天候に恵まれなかったが、お陰で多くの課題を与えられた。荷物を濡らさない工夫、軽量化、必需品の再確認、雪渓の歩き方等、反省材料としたい。

 “雨風に吾は歩みを耐えしかば白馬岳の緑冴えをり”
 “空重く水面に割れし氷片のしじまに揺れて神は目覚めぬ”
 “雪渓に花埋もれて山頂へ出づれば蕾のウルップソウ見ゆ”