丹沢; 大山三峰山
(おおやまみつみねさん)

山登りを始めて二周年の記念登山?


 H6年6月22日(水)当日発 ;
 Member.計4名

 【コース】(=は乗り物、〜は歩き)
本厚木駅7:45発(煤ヶ谷行きバス)〜煤ヶ谷(150m)8:25〜三峰山山頂(934.6m)12:35-13:30〜不動尻キャンプ場(430m)15:00〜広沢寺温泉(150m)16:00-19:00


 山に登り始めて丸2年がたった。もっと時が過ぎている気がする。短期間の間に良く行ったものだ。これが本当に2年間の間の出来事だろうかと感慨深い。

 今回の大山三峰は二回目になる。季節を変えて来た訳だが、ここは何回でも来たくなる所だ。唯一いやなのは最後の不動尻を過ぎた所のトンネルだろうか。長く暗いそのトンネルは一人では歩けない。知らずに来たら、きっと走り出してしまうだろう。

 さてその大山三峰に、2周年記念登山の白羽の矢が立ったのは、低いながらも魅力のある山だという他に、温泉に入ってその後一席もうけましょうという所にあった。後のほうは後述するとして、先にこの山の魅力を記しておこう。

 1000m足らずだが三峰と名のあるようにアップダウンを繰り返し、自然木に恵まれ、大山や丹沢山系へと視界の広がるその立地条件はとても趣きがある。新緑のころや、紅葉の頃はきっと見事な姿を見せてくれるだろう。他の山にも目が向くからそうそう同じところに行っていられないが、ふと、心の安らぎを求めたいとき、ぶらりと行って見るのも悪くない。只、前にも書いたように、あのトンネルが気にかかる・・・

 今回は緑豊かな山の中に清らかな白い花々を随所に見ることができた。遠目にも分かるヤマボウシの白さ。エゴノキは雪のようにはらはらと降り注ぎ足元をうずめていた。ネジキも白い花を咲かせることを初めて知った。ハシゴや鎖場などを喜々として通り、次は何の花が現われるかと楽しみに、目を皿のようにしてその先を追い求めた。

 耳に爽やかなホオジロ、イカル、ホトトギス、コルリなどのさえずりが響く。メンバーの解説付きで確認できるのが嬉しい。

 一際目についた花はタツナミソウだった。昨年先生に教えていただいて、その姿になぞらえたその名のいわれを、こうした山中で確かめられるとなにやらハッとする。山の中に波立つ姿を違和感をもって見たというか、それがまた新鮮だったと言おうか。

 サルナシの花(白)や、イボタノキ(白)、コアジサイ(薄紫)の可愛さも楽しみながら着いた山頂には先客がいた。狭くて見晴らしは良くないが、ほっと安堵の昼食をひろげる。

 下りもまた鎖場があり、少々楽しめる。そこを降りるとそこは渓流のせせらぎ。休憩していると面白い木が見つかった。二葉ずつついているチドリノキ。これはカエデ科だそうだ。へーッと驚きながらそれに見入る。楓とは似ても似つかぬ葉の形だ。これほどに違えば覚えられそうだ。

 不動尻キャンプ場まで来ると懐かしく思い出すのがフサザクラ。花は終わって実をつけていた。そして水の滴り落ちる岩肌にジンジソウらしき花や、ハナイカダが咲いていたことも思い出す。マタタビの光合成をし忘れた様な葉にも驚かされた。病気かと思ったがそうではないと知ると、逆に何やら風情のある木に見えてしまうから、随分と身勝手なものである。ところがこの葉っぱだけでも十分目を引くのにこれにもやはり花が咲いていた。梅のような白い可愛い花だった。

 既に平坦なその道を、トンネルも通りすぎててくてく歩いていると、山頂で出会った男性に再び会った。しばらく山頂で眠ってここで私たちに追いついたそうだ。広沢寺温泉で共通の山の話を中心に盛り上がり、入浴時間を含めてまたたくまに3時間たってしまった。山ではこうしてゆっくり寛いだ会話はなかなか出来ない。こうして一杯飲みながら、今までの山を振り返ったり、これからの山に思いをめぐらすのも良かったのではないかと思う。時間がいくらあってもきっと話はつきなかったのではないだろうか。

     “緑濃く変わりて大山三峰はネジキ、エゴノキ、ヤマボウシ色”