奥多摩・大岳山
(おおたけやま1266.5m)
海沢(うなざわ)探勝路から登り、山頂から鍋割山・奥ノ院山頂を経て、レンゲショウマに会いに。
 H17年9月3日(日)
  天気;晴れ
  Member.1人

【コ ー ス】(〜は歩、休憩時間含む) 
白丸駅8:23〜海沢大橋8:42〜海沢探勝路登山口9:52-10:00〜ネジレノ滝分岐(滝まで往復)10:16-29〜大滝分岐(滝まで往復)10:35-48〜尾根12:03〜鋸山、大岳山分岐12:26〜大岳山山頂12:34-56〜大岳山荘13:08〜鍋割山(1084m)13:47〜奥ノ院(男具那ノ峰1070m)山頂14:05-12〜分岐(天狗の腰掛杉14:40〜長尾平14:43〜レンゲショウマ群生地15:10-40〜ケーブル御嶽駅16:00発⇒滝本駅(ケーブル下)・バス臨時便16:20発⇒御嶽駅(ホリデー快速16:40発)


【レンゲショウマ】

 北海道から帰ってきて二週間、ちょこっと高尾山に行ったけれど、まだ山歩きらしい山を歩いていなかった。

 しかし夫が腰痛のため遠出を諦めた。一人で近場を歩こうと思い、先日Fumikaiさんがこちらの掲示板に寄せてくださった大岳山に行くことにした。思えば大岳山には何回も行っているのに海沢探勝路も鍋割山や奥ノ院もまだ歩いていない。レンゲショウマはもう終わってしまったかもしれないがとにかく寄ってみることにして・・・。

 ところが前夜は娘の帰宅を待って寝付かれず寝不足。4時起床の予定だったがウトウトした頃、目覚ましの音。もう行くのはやめようかとグズグズしながらも少し眠って6時ごろ家を出た。

 珍しく朝食をとらずに家を出たので立川駅でおにぎりを買って食べた。車中文庫を読んでいると眠くなる。ウトウトしてお隣さんに迷惑をかけること数知れず。

 奥多摩駅まで行ってしまおうかと思ったが、駅の混雑を思い白丸駅で下車。ところが意外にもここで下りる人が多い。同じコースを歩くのかと思ったら、みなそれぞれに散らばっていた。海沢大橋を渡って間もなく、海沢探勝路に向かうのは私一人になった。探勝路入口までは車の入れる舗装された林道で時折車が通る。キャンプや釣りをする人たち、工事のダンプ・・・。普通なら暑いと感じる林道が思ったより涼しい。9月になって、キャンプする人も少なくなったのだろうが、アメリカキャンプ場には数台の車。

【海沢隧道】 【滝が滴り落ちている】


 そんな整備された林道を歩きながらも途中には古ぼけたトンネル(海沢隧道)や一筋の滝、渓流と苔むした岩肌、どれも清々しく新鮮だった。イワタバコはもう終わっていたがミズヒキ、キンミズヒキ、ツリフネソウ、フシグロセンノウ、タマアジサイなどが咲いていた。

 海沢探勝路の入口に着くと屋根つきの休憩場と簡易トイレ2つがあった。訪れる人は多いようだ。少し休憩していよいよ歩き出す。しかしこのとき三ツ釜の滝を見落としてしまった。せっかく行ったのに残念。

 ネジレノ滝、大滝、共に見に行ったがどちらも素晴らしかった。下って行くときは又登り返さなければ・・・とイヤになるが、見に行く価値はある。とても涼しくて気持ちよい。大滝を眺めたときは、もうここで引き返しても良いと思ったほどだった。満足感ももちろんあったが寝不足がかなり響いていたのを実感し始めていたせいもあるかもしれない。静寂の中にただ一人、いつまでも眺めていたい美しさ!そばには新しい生花が手向けられていた。沢登りの事故だったのだろうか?余計な詮索に躊躇いつつ、心の中で手を合わせた。

【ネジレノ滝】 【大滝】
 大滝分岐に戻る途中、初めて一人の男性とすれ違った。分岐に戻るとその男性の奥さんがそこで待っていた。

 間もなくご夫婦で後からやってきたが、軽装だったので先に行ってもらった。この探勝路で会ったのはこのお二人だけ。



 寝不足が響いたのかこの日の登りは辛かった。荷物を軽くしてくればよかったが、軽くして歩いたところで、次の山行が辛くなるだけだ。トレーニングがてらのんびり楽しめばいいと気持ちを切り替え、途中で大休止。

 元気を出してまた歩き出す。先のご夫婦の姿は既に見えない。風が涼やかに心地よく吹いてくるのにやたらと汗が流れ落ちる。たいした高さではないのに尾根はまだかと何回も見上げる。登りつつ、元気なときにまたここを登ってやる!と気力だけは元気が良い。いや、現にまた登ってみたい魅力ある海沢探勝路だ。

 樹間に空が見え、そろそろ尾根かと思いつつ、Fumikaiさんの記録を思い出す。たしか手前の枝尾根のはずだと。そこから鋸山、大岳山分岐まで行けば山頂は近い。その分岐を目指して歩いていると、話し声が聞こえてきた。このコースを下ってくる人かと思ったらそのまま左へと行ってしまった。鋸山から大岳山に向かう人たちだった。やっと分岐だ、山頂は近い。

【山頂・・富士山は残念、見えません】
 山頂の手前の涼しい場所で沢山の人が休んでいた。そのまま目の前の山頂に行ってみる。ここからの富士山も素晴らしいのだが残念ながら見えなかった。

 賑やかな山頂の中に居場所を見つけザックをおろした。珍しく食欲はなかった。水分補給だけはしっかり摂って、それでもようやくパンを一つだけ食べた。

 側にいた人たちは百名山談議などで盛り上がっていたが、盛り上がっていたのは一人だけだったかもしれない。山頂で到着した女の子に「やっと来たの!若いのに遅いねぇ〜、その格好は山を走るのかと思ったよ、それなのに遅いんだもん、途中で追い抜いて、山頂でもう30分たつよ。その間にロング缶2本にワンカップ2本空けちゃったよ!」と話している。(ナニィ〜?その上焼酎を飲んでるんだって?@.@;凄いつわものがいるものだ!) しかし、そんな物言いにもその女の子は動じない。上手にあしらっていたっけ。エライなぁ〜と感心。周囲の殿方も上手に話を合わせていた。皆さん偉い!それにしても我が娘が職場の出来事をぼやくのも分かるなぁ・・・と思わず同情。

 一休みし、再び富士山の方向を眺めた。やはり見えない・・と、確認してから下山。ゆっくり歩いていたが、こちらは一人だから、前の人に追いついては「お先へ」と促される。途中で声を掛けてくれた人からレンゲショウマがまだ沢山咲いていると教えてもらい、間に合ったと嬉しくなった。

【ソバナ】 【ヤマジノホトトギス】
 

【奥ノ院(男具那ノ峰)山頂】
 少しは元気が出たので予定通り鍋割山に向かうことにした。鍋割山から奥ノ院山頂(直下に立派なお社を建立中)を経て、分岐の長尾平へ。登りは緩やかで下山はいくらか急斜面。ということは長尾平から奥ノ院、鍋割山経由で大岳山へ向かうのは登りが少々きつい。巻き道がありほとんどがそちらへ行くから(私のことか・・)このルートで出会う人も又少なかった。つまり静かな良いルートだ。ヤマジノホトトギスが沢山咲いていた。

 海沢探勝路といい、このコースといい、大岳山を何回か歩いているにも関わらず初めてだったので今回の山行はとても新鮮だった。


【レンゲショウマ:群生】
 富士峰公園に向かいレンゲショウマ群生地へと寄った。開花時期をいつも逃していたため見るのは初めてだ。可愛い花だと聞いてはいたが、その可憐さに足が止まってしまった。時期が遅いと思っていたのに思いがけなく一面に咲いていてびっくり!せめて一輪だけでも咲き残っていてくれたら嬉しいと思っていたものだから感激だった。何回も座り込んではうつむいて咲いている花を覗き込む。

 じっくりと堪能してからケーブル御嶽駅へと向かった。滝本からは臨時便のバスがあり、電車はホリデー快速に接続。混んで座れないだろうと思っていたら幸い空いていてラッキー。

 朝の出発は遅れたし、疲れたのでこのあとの予定はとりやめ、そのまま帰路についた。