木曽 ; 御嶽山
(おんたけさん3067m)

山頂の散策は是非お薦め!


 H10年10月10日(土)前夜発・ 天気;晴; Member.2人(夫婦で)

【御嶽山(八合目より)】右

 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)
中の湯六合目6:20〜七合目行場小屋7:05-20〜八合目女人堂8:05-15〜九合目覚明堂9:20-30〜剣ケ峰10:00-55〜二ノ池新館小屋〜サイノ河原〜白竜小屋12:10-20〜摩利支天山分岐〜飛騨頂上(五ノ池小屋)12:50〜継子岳13:15-25〜四ノ池〜三ノ池小屋14:20-27〜八合目女人堂15:30-50〜七合目行場小屋4:25〜中の湯17:05

 飛騨高山祭りを見てから中の湯に向かった為到着は昨夜の11時過ぎだった。既に車は1台駐車。

 車中泊で朝5時起床。中の湯の広い駐車場には十数台の駐車になっていた。トイレもあり、バス停もある。大型バスのエリアも設けられているのでこの黒沢口も夏は混むのだろう。

 登山道に入って50m程行くと中の湯小屋があるが、既にしまっている。見た目は普通の山小屋だ。朽ちた木の階段が続き、そこは檜やコメツガ等の針葉樹林と熊笹に囲まれている。紅葉はと言えばポツンポツンと散らばる広葉樹がわずかに赤や黄色に色づいていたくらいで、楽しめる植層ではなかった。途中いくつかの小屋を通り過ぎ、既に終えている湯川温泉への道も見送って七合目に到着。

 七合目の行場小屋を過ぎ、少し先に行くと水場がある。冷たくて美味しい。剣ケ峰山頂迄の間ではここが唯一の水場となる。登り初めより傾斜は緩やかになり、石がごろごろした登山道に変わる。途中から前方に御嶽山の姿が見えて来る。八海山や妙義山の山容にやや似ている。

 八合目女人堂に到着すると、その姿は晴天の青空の中にくっきりと全容を現わす。そこから見る御嶽山の姿は素晴らしい。北には乗鞍や北アルプスの山並が望める。展望には申し分の無い場所だ。ここの小屋も終っているが、きれいで比較的大きい。側にはトイレもあり、作られたばかりのようできれいだった。石碑や銅像、賽銭箱、鐘などあり、なるほど信仰の山だと感じさせられる。

 そこからは森林限界を越え、足下はガレ場の道となる。見通しもよくなり、南の田の原駐車場が見渡せる。そちらは車がいっぱいだ。木がなくなって、急に風が冷たく感じられてきた。長そで1枚で大丈夫だが、汗もかかない。山頂にはすぐ着きそうに思えるのだが、九合目迄は長く感じた。前後して歩いていた女子大生の元気なパーティもため息をつく程に。九合目覚明堂で小休止。鳥居の側の石の器にたまった水には1センチほどの氷が張っていた。

 再び一息登ると眼下に二ノ池が目に入り、同時に風の冷たさがより強く感じられるようになった。剣ケ峰への稜線に出た為だ。フリースを着、軍手をはめ、山頂へ。それほど広く無い山頂には大勢の人が居た。信者さんの御参りする姿も見られたが、殆どは登山客だろう。乗鞍や北アルプスの山々をバックに記念写真。独立峰とあってさすがに眺めは最高だ。富士山も見えたと言うが、遠望は靄ってしまい、その360度の景観は残念ながら次第に霞んでしまった。山頂の側の南面に噴火口があり、白い煙りを吐き出している。田の原にのびる登山道は大勢の人が連なっていた。風をよけて神社の建物の陰で私達もお昼にする。日溜まりはポカポカと暖かい。コンビニで買ってきた名古屋味の味噌煮込みうどん(愛知産の夫は大喜び)で体は温まり、コーヒーを飲んでから、山頂の散策を楽しむ事にする。

 西側に回ると風は更に冷たく感じた。フリースの上に合羽も羽織る。こちらに来ると人はグンと減った。静かな歩きを楽しめる。岩やガレ場で、まるで、富士山頂のお鉢巡りのようだ。草1本生えないこの世の果てのような印象を受けるが少しだけ草は生えていた。山頂や周りを眺めながら行くと再び二ノ池が現れ、前方に二ノ池新館小屋が見えてくる。この先は天気が良ければ行く先が見えるので心配は無い。しかしガスがかかっていたら登山道を見失いやすい場所と思われるので注意が必要だ。ハイマツと葉だけとなってしまった高山植物がたくさん見られる。

 摩利支天山は行かないで待っていると夫が言うが、こんな寒い所で待つのは辛かろうと、私もやめる事にした。そこから飛騨頂上方面に行く道は分かりにくいが、一度左に行ってから右に回っていく。年輩の女性グループが右へ直接下っていたが、難儀したようで私達とは大きく差が開いてしまった。途中三ノ池が見えてくる。一番大きな池で、とても美しい。後から聞いた話では信者さんに御神水と崇められ、下の方ではこの水が売られているという。もちろん飲めるそうだが、念のため加熱した方が良いという事であった。

 飛騨頂上(五ノ池)小屋だけはまだ開いていて、管理人が居たようであった。しかし、台風の影響で雨漏りがするらしい。山頂の小屋はどこも少なからず被害を受けていたようだった。継子岳に至る稜線はハイマツが生え湿原も見られる。この稜線では単独行の男性と二人連れの男性の2パーティを見かけただけだった。御嶽山の喧噪とは程遠い。

 継子岳の山頂は広島のドームを思わせる建造物があった。そこから見る剣ケ峰はなんとも言えず良かった。この御嶽の最北端から北アルプスの山並を眺めたかったが、やはり霞んでいる。

 折り返しは2時をメドにしていた。まだ2時前。丁度良い。四ノ池を挟んで今度は反対側の稜線を行く。継子岳から摩利支天(継子岳の東側で前述のとは違う)へ進み、その岩場を下るが、この辺りは濃いガスが出て見通しがきかなかったら非常に危ない。矢印など書かれていないので分かりにくい。この逆コースは晴れていても分かりにくいようだ。ちょっとした岩場を下った後、小さなアップダウンがあり、いくつかの沢を渡って八合目女人堂に戻る事になる。テントを張るならこの稜線だろう。私達は今回、テント泊にしようと思っていた。地図に水場の表示がなかったため日帰りにしたのだが、こんなに水が豊富なら心配いらない。四ノ池の沢の辺りがお薦めだ。三ノ池ならば避難小屋があり、通年使えるそうだ。

 八合目女人堂に戻って改めて御嶽山を見上げる。信仰の山御嶽山は百名山という事もあって、人工物の多い、俗っぽい山とばかり思っていた。しかしこうしてじっくり歩いてみると、自然豊かな心休まる山だと感じる。夏でなく、今の時期だからそう思えるのかも知れない。

 中の湯まで一気に下ったが、このルートも静かな山歩きが出来た。ただ、ロープウエイの上り終着点にある七合目行場小屋は、朝は開いていなかったが下山時は開いていたことや、駐車場には焼き芋屋さんがいた事を思えば、このコースも大勢の人が溢れたのかも知れない。6時頃出発し、5時頃駐車場に着いた私達にはその人込みが見えなかっただけかも知れない。連休でもあり営業したのだろうが、小屋で見本に出していた力餅、とても美味しそうだった。

 温泉は国道19号線沿いで、川の対岸にある棧(かけはし)温泉。一人800円。露天風呂は男女兼用だそうだ。シャンプー、リンス、ボディシャンプー、ドライヤーあり。