丹沢;  大室山〜加入道山
(おおむろさん〜かにゅうどうさん)

青葉・涼風・ヤマツツジ・ミツバツツジ・・・


 H9.6.5(木)前日発 ; Member.計2名

用木沢出合9:30〜犬越路10:45-11:05〜大室山12:35-13:25〜
加入道山14:25-35〜白石峠14:45〜用木沢出合16:00


 不安定な天候が続いていた中、半ば諦めていたが、前日の天気予報は大当たり。久しぶりに村田さんと丹沢に行って来た。前夜計画書を事務所にFAXしたものの、当日の朝「さてどこに行こうか?」

 車にしたので自由がきく。ちょっと遠いが私の行きたかった大室山・加入道山にした。

 川崎から大井松田までは約30〜40分。インターから西丹沢自然教室までは約1時間。そこで入山連絡を済ませ、さらに用木沢出合まで車を進めた。既に数台の車が止まっていた。狭いので日曜だったらぜったい置けない、その時既に9時半。

 出発して広々とした河原に出たとき、道が分からなくなったところがあった。捜していると後から来た人がためらいもなく進んでいく。あわててついていくと今度はやたら階段が多い。汗は出るしお腹は空くし、途中で休憩。階段は犬越路まで延々と続き、ちょっときつく感じるコースだった。

 犬越路に着くとそこは素晴らしい眺め。汗の流れる全身に、吹いてくる涼風が、とても心地よい。目の前に広がる丹沢の山並みを望み、ボーっとしていると、にわかに眠くなる。マズイ、マズイ!これからまだ登らにゃならんのだ。あぁしかし、温泉には入りたい、ビールを持ってくれば良かったと、限りなく欲望が口をついてくる。

 避難小屋はこざっぱりしてなかなか良さそうだ。村田さんは終始テン場の快適な場所をチェックしている。今時の若者には珍しく、野性的な面を持っているのだなと興味深く拝察。

 小屋の脇を通り抜けた前方には山ツツジがきれいに咲いていた。気を取り直していざ、大室山頂へ。また階段かと気負っていたら、こちらは快適な登山道。期待のヤシオツツジはまだ咲いていなかったが、ツクバネウツギ、トウゴクミツバツツジが次々にあらわれ美しい。

 山頂にはガスが出てきて汗ばんだ体にはひんやりした。早くも天気が崩れるかと心配したが、昼食をとっている内に再び陽が射し込んできた。ラーメンとコーヒーで体を温め(登りながらソーメンの方が良かった、お蕎麦が良かったと、冷たい物ばかり頭に浮かんだのだが…)、ひと息ついて分岐へ戻り、加入道山へと向かったが、この道が又清々しい。散った花びらのじゅうたん(カーペットくらい?)の上に咲くツツジを見上げながら、薄靄と射す光の妙を二人で感嘆しながら気持ちよく歩いていった。

 加入道山へは尾根伝いだろうと気楽に構えていたら、いくつかのアップダウンがあって、思ったより距離感があった。ようやく暑くなって、防寒用に着ていた合羽を脱いだ。途中標識がないが、山頂かと思われるピークがある。山頂には避難小屋があるので間違えないように。大室山同様展望はないが、ここは丹沢の丹沢らしい山道を楽しむところだと思えば十分満足できる。山頂もまぁまぁスペースがあるが、丹沢はキャンプ禁止だそうだ。所定のキャンプ場でしか出来ないらしい。しかしここでも村田さんは「水場がないなぁ」と言いながら、しっかりチェック。

 白石峠でいよいよ急な下りにかかる。どんな急坂かと思ったら、またもや階段だ。閉口すると言うよりもう大笑い。村田さんと一緒だと、どこでもみんな楽しくなってしまう。面白い人だ。こっちを登りにしなくて良かったと言いながら下っていった。

 沢につくと川の向こうに渡ったり戻ったりと何回か繰り返す。一応防水の効いた靴で来た方がよい。

 キャンプ場が見えてくると林道だ。いつもなら長い林道歩きは好きではないのに、階段とゴロゴロした石の上を歩いてきた私達にとって、やっと安心感のある感触だった。

 4時に出発地点に到着。下山連絡を済ませ、今回は温泉に入らず、途中で買ったアイスを食べながら早めに家路につく。お陰でラッシュにも遭わず、6時前には自宅着。主婦にとっては有り難い行動時間だった。

”一歩づつ段登り来て犬越路吹き出る汗にあぁ風渡る”
”薄靄にミツバツツジは鮮やかに青葉繁れる丹沢に咲く”
”あっこれはホトトギスかと耳澄ましひとり頷く君にならいて”