北ア・乗鞍岳(途中まで) 
(クリック地図)(のりくらだけ3026m)

 

 日帰りで歩けるコース、日帰りで歩きたいコースでもありました。でものんびりと行くのが我ら流。ひとたび荒れれば強風とガスでホワイトアウトの心配もある山域、テント泊にしたことでまさにその洗礼を受けたのでした。救世主はGPS!まだ使い慣れないながらもその威力も体感してきました。
H21年3月21-22日(土日)
  天気;21日晴れ、22日荒天
  Member:2名 (トシちゃん、sanae)

【コ ー ス】(〜は歩、休憩含む) 

21日:乗鞍高原スキー場第3駐車場9:15〜=(リフト2回乗り継ぎ)=かもしか平9:52-10:08〜(休憩10:57-11:07)〜(休憩12:09-41)〜テント場13:45テント設営【休憩、リフト含む所要時間約4時間30分】


22日:テント場6:30〜乗鞍高原スキー場第3駐車場10:30【休憩含む所要時間約4時間】

乗鞍岳で:剣ヶ峰をのぞむ

今回のルート
乗鞍高原スキー場〜乗鞍岳途中までピストン
※赤色=往路、登り。青色=復路、下り
往路はリフト2回乗り継ぎ、復路はリフト不可のため歩き。


乗鞍岳は3回目ですが、積雪期は初めてです。

 夜中に乗鞍高原スキー場第3駐車場到着。朝はゆっくり起床。

 7時30分、雲ひとつない青空に乗鞍岳がくっきりと浮かび上がっています。
 駐車場に雪はまったくありません。

 9時15分、ようやく出発。
 側のゲレンデにはさすがに雪。

 リフト2回乗り継ぐため、1回券(400円)を2枚ずつ、計4枚購入(合計1600円)


 ゲレンデを通って国設第一クワッドまで少し歩きます。
 途中トシちゃんがリフト券を落としたのに気付いて引き返すという一幕。早めに気付いてヨカッタ!ホッ!(^^ゞ それでも乗り場まで15分くらいだったでしょうか。

 真っ白な山頂が見えてワクワクします。
 乗り継ぎのリフトは二人用。大きなザックなので一人ずつ乗りました。ところがトシちゃんの様子がちょっと変です。どうも落ちそうな恐ろしい格好のまま・・・

 乗る時、ザックの紐か何かが引っかかったらしい。

 でもどうにか体勢を持ち直しホッ! 

 本人「怖かった」と言っていたけど、後から見ているほうが怖かったです^_^; と言いつつ、しっかりカメラに収めているワタシ・・・(笑)
 リフトを降りるとかもしか平。ゲレンデは滑り降りていく人、上へ登っていく人、それぞれに準備している人がいっぱい。

 我らもスノーシューを履いてかもしか平を後にします。


 山スキーの人のほうが断然多かったのは納得のコースでしたけど、こんな斜面は登りにくいだろうなと思ってしまいます。

 スキーやスノボーを担いでスノーシューで登る人もいますが、後の人はスキー板の両脇にアイゼンが付いていました(@.@;


 背後にだんだんと周囲の山並みが広がり、振り返るのも楽しい♪
 途中に我らと同じテントが一張り。久々の重いザックに、我らも早く・・・と気持ちがそそられますが我慢。

 ガシガシ・・・・
 10分ほど一休み♪

 納得のツアーコース。ゲレンデ外といえどもまるでゲレンデのよう。
 剣ヶ峰と富士見岳。

 奥に南アルプス、右側に中央アルプス。
 樹林帯の奥には北アルプス。

 今回は丁寧にルートコースを入れてきましたのでちょこちょこGPSをチェック。多少のズレはありますが、ほぼ順調に来ています。

 気温は5度くらい。


 登りつめて目の前に剣ヶ峰が大きく見えてきた所で一休み。お昼休憩にします。趣のあるダケカンバは厳しい状況の中での造形。さすがに冷たい風が吹きつけてきました。。

 

剣ヶ峰と富士見岳の鞍部に肩の小屋が見えてきました。


振り返ると鉢盛山
その奥に中信高原、八ヶ岳、南アルプスがズラリ。


剣ヶ峰


ぐるり展望


位ヶ原


中央アルプス


ダケカンバの向こうに北アルプス


この広い雪原
好天なればこそ快適ですが・・・





 肩の小屋の手前、肩の小屋口でテントを張ることにします。
 快晴ですが風があり、テントが飛ばされるのではと不安もありましたが、ここでテントミータカさんを真似て雪壁を作ることに。

 さすがトシちゃん、スノーソー(百円ショップの品をトシちゃんのオリジナル製作)とスコップを持ってきています。本日のザックの重量はトシちゃん24キロ、sanae20キロ・・・おおぉ〜ついにトシちゃんがsanaeのデカザックを超えました!って、このところずっと、トシちゃんと逆転で嬉しい♪



 宇佐美冷蔵の氷を切り出している気分(^^ゞ



 雪洞やテント泊でそれらしき風除けの囲いを造ったことはありますが、このような雪壁を作るのは初めて。なので不恰好です(^^ゞ 





 それでも何とかできました♪ 風で崩れてきたりして・・・^_^;









 気持ちの良い展望。

 5時くらいになると外の気温はマイナス1、5度。

 明日は天気が崩れる予報。

 山頂まで行っておきたい気持ち満々でしたが眺めているだけでも満足でした。

 本日はこれにて閉店。夕餉の仕度に取り掛かります。

 豚汁を作りながらかんぱ〜い!





最高だね!




7時。早々に眠りにつきますが雪。
早くも崩れだしているようです。



夜中は強風であまりよく眠れませんでした。

そして翌朝、とうとう4時前に起き上がり外に出ると
雪がテントを押さえてくれていました^_^;



天気は下り坂。
午前中はもつかと期待したのですが
早めに崩れだしたようです。

暖を取りながら朝食は温かい飲物と
昨夜作っておいたプリンで済ませ、
明るくなったら下山することに決定。

でも、そろそろ明るくなったかな・・・と
外を見たら、なぁ〜んにも見えません。

見事なホワイトアウトです。

こんな時は動かないのが鉄則!

でも状況は益々悪くなると思われ、
GPSを頼りに下山することにします。

まさに実践!大丈夫かな・・・(汗;




強風の中テントを飛ばされないよう気をつけましたが、
ロールペーパーの入ったポリ袋が飛ばされました^_^;

追いかけましたがすぐに真っ白なガスの中に
吸い込まれてしまいました。
危険なのでそれ以上追えませんでしたが
ゴミを残してきてしまったと心が痛みます。

小屋を後にします。
小屋は視界からすぐに消え、
前方に手がかりになるものも見えません。
元々何も無い広い雪原ですし、
前日にいっぱいついたスキー跡も消えています。
パウダー♪と嬉しくもありましたが^_^;




まっすぐ下りますが、先に行くトシちゃんが
どうも右へ右へと行くように見えます。
呼び止めますが、声が届きません
GPSで確かめようにも、このホワイトアウトの中、
姿を見失ったら大変です。

呼びながら必死に追いついていくと
ふと振り向いて、「黒いものが動いている、熊かな?」と言います。

目を凝らすとそのようにも見え、
歩いて行くとそれがぐんぐん近づいてくるようにも見えました。

すると、あろうことかトシちゃんソッチへと突進していきます。
恐ろしいことにカメラを構えて!

「チョット、やめてよ〜!(~_~;)」・・・・

それは熊ではなく木か看板のようでした。
動いていないものが動いているように見えただけ。
まだ疲れているわけではないのに幻覚?

雪原では強風と、煽られた雪でGPSの確認が思うようにできませんでした。

眼鏡をしたままゴーグルをつけ、手袋の上にはゴアのグローブ、
操作も思うようにできなければ、打ちつける雪でゴーグルも雪まみれ。

それでもゴーグルを拭き、グローブを外して操作しながら
GPSでコース修正




木のあるところまでくれば分かるかと思いましたが、
ルート図とトラックが微妙にずれていたため、
ここで少し判断を誤ってしまいました。

というのも、トラックの破線が細かくて見えず、
あらかじめ入れてきたルート図の方に従ったためでした。

「行き過ぎた、もっと左」と言えばまた行き過ぎ・・^_^;

GPSを持っているsanaeが後ろで、
トシちゃんがどんどん先に行ってしまうから
GPSチェックが遅れがち・・・





樹林帯に入ると風が少しおさまりました。
ゴーグルをはずし、地図とGPSで再度確認します。

ここでようやくsanaeの入れてきたルートと
トラックのズレに気付き、現在地も確認。



時々GPSで確認し、途中休憩もしながら
コースへと向かいます。



確信が持てれば後は落ち着いて行動するだけ。
アウターの上から履いた雨合羽は伊達じゃない!
途中シリセードしながら下りていきます♪
ゴーグルを上下反対につけていたのはご愛嬌!
あぁ、心の動揺がこんな所に出ていたのかと・・^_^;



ようやく往路のコースに戻りホッとしていると
側をスキーヤーが滑り降りて行きました。

「どこに居たんだ?」と思いつつ見送ります。
あっという間に真っ白な中へと消えていきました。
スキーは早くていいな・・・
ここはやっぱ山スキーだね・・・


スキーヤーが通り過ぎて行ってしまえば
再び静かなスノーハイク♪

もうルートを外すこともないでしょう。




最後にシリセード滑落編
我ながら笑ってしまいました(^^ゞ



上では雪でしたが、下は雨。
そんな中スキーヤーはまばらでした。

下りのリフトは乗れませんが
雨のお陰で静かなゲレンデをシリセード・・・と
楽しみにしていたのに雨のせいで急斜面も
思うように滑りませんでした、残念。

こうして無事下山しました


*****

みなさんに刺激されて気になっていたGPS。
カズさんに背中を押していただいて手に入れた英語版のGPS。
それでも使いこなせるのかとグズグズいじっていたGPS。

さすらい人さんのお陰でコツをつかんで、
ようやく使い始めてきたGPSですが
今まではほとんど登山道。


今回が初めての実践と言ってよく
お陰様でちょっと自信がつきました。
みなさんに感謝です。


 ゲレンデの脇に咲いていたふきのとう。
 今年の初物。その夜酢味噌和えにして、自宅で美味しくいただきました。\(^o^)/