富士山周辺;三ツ峠山
(みつとうげやま)
富士山の迫力がすごい!雪の時期に見てみたい。

 H5年7月28日(水)当日発 ;
 Member.計2人

 【コース】(=は乗り物、〜は歩き)
立川5:25=大月6:19-24=三ツ峠 駅6:53〜達磨石8:30〜 八十八大師10:30〜三ツ峠 山頂(1786.1m)11:55-13:00〜送電鉄塔下〜天上山ロープウェイ16:10=河口湖16:13〜河口湖駅16:38発=立川駅18:40発
(登り約5時間、下り約3時間)


 前日になってメンバーの一人から、具合が悪いため行けないと連絡あり。先生と二人で行くことになった。初めての事で、はてどうしたものかと一瞬日延べを考えたがその気になっている私は一人でも行くだろうし、先生も雨のなか一人でも石老山に行ったくらいだからきっと明日もそうされるだろうと思い決行することにした。

 行くとなれば、時間的に可能となった早朝出発を念頭において先生と連絡をとる。先生も了承されて即決定。

 二十日前に乾徳山に登ったのと同じ中原駅始発(4:43)に飛び乗る。楽しみにしていた三ツ峠、心がはやる。いつものように立川駅で先生と合流。お互いはやる気持ちで会話も弾む。山への思いが堰を切ったようにお互いの口からほとばしる(とはいえ静かに話していたつもり)。

 メンバーの不参加を残念に思いながら、天候に恵まれるらしい青空に目をやる。電車は早や大月へ。富士急行に乗り換えてコ−ヒ−を飲みながら手作りのアップルパイを食べようと思ったらここに思わぬ客人。83才(だったと思う)の、歳に似合わぬ若々しいお爺さんが、切符を買っている時から「三ツ峠駅からのコ−スは荒れているから止めた方がいい。」としきりにちゃちをいれてきた。今回四度目の先生は確信を以ていらっしゃるからそう言われてもまったくたじろがない。私も乾徳に登っているから?少々の事なら驚きはしない。そんな二人の自信のようなものを感じとってくれたのか今度はそのお爺さん、ご自分の武勇伝?を語り始めた。週三回くらい山に登っている事、富士を写真に撮り続けている事等。

 結局三ツ峠駅でそのお爺さんと別れ、私達は予定どおり(実は早朝出発に切り替えた為裏ではなく表口コ−スに変更している)歩き始めた。とにかく用心するに越した事はない。そのお爺さんの忠告を肝に命じて歩きだす。(しかし先生のおっしゃる通り最後までけっして荒れたコ−スではなかった。83才のお爺さんにとってはきつかったのだろう)。

 天気は良かったが照りつけられるほどではなく、時折吹く風が終始気持ち良かった。三ツ峠駅を七時には出れた為、ゆっくり歩くことが出来て気分的にとても楽だった。登山口に着く前から次々に現われる花々、その時点から丁寧にビデオをまわす(後から振り返って見ると私は同じ花の名を先生に聞いている。そして先生はいつもと変わらず初めて質問を受けるように答えてくれているのだ)。

 後から再現したらなんと113種の植物が収められていた。種類の多さに驚きながら歩いた三ツ峠だったがまさかこんなにあったとは、今更ながらびっくりしている。しかも今回はマンツ−マンの個人授業。なんて贅沢な登山だっただろう。ビデオのためペ−スが遅くなったりして先生の足取りを狂わせたかもしれないが、このビデオの力を借りなければとても覚え切れるものではない。文明の利器をおおいに活用して、咲いている時期の短い花々とのふれあいを少しでも深めたい。でも何より印象に残してくれるのはその花そのものの存在、そのインパクトに加えて先生の分かりやすい説明。直接見て、聞いて、触って、自然と体のなかに溶け込んでくる。この感触はたまらない。たとえばヨモギにも色々種類があって、オトコヨモギやヤマヨモギを間近に比較しながら見れたし、しかもそれらは食べられないということも初めて知った。ウツギのオシベには翼があるということも、今迄はっきりしなかったシモツケ(木)とシモツケソウ(草)との違い、あやめの花の仕組み(めしべの裏側におしべが隠れ潜んでいたのを見た時はまるでマジックみたいだった)、ヤマオダマキの距をはがしながらガクとはなびらのしくみを見せて戴いたときなども新鮮な驚きだった。ただ単純にこれは何々ですよと言われるだけでなく、その名の言われ(九階建てのクガイソウ、金の鈴と書いてキンレイカ、ヒヨドリが鳴く頃咲くというヨツバヒヨドリ、先が伸びて棹のように見えるからというヤマハタザオ、馬が足をかけても切れないほど根が丈夫というコマツナギなど)も自然と先生の言葉のなかに出てくるのでとても印象に残りやすい。

 今回新たに出会って嬉しかったものは沢山あるが、中でもやっとお花に会うことが出来たイチヤクソウはヤァヤァと肩を(あれば)たたきながら握手したいくらいだった。奈良の都に咲いていたからその名がついたミヤコグサ、細かい花がいっぱいついてそのひとつひとつにかわいい距がついているキンレイカ(金鈴花)、高山植物のフウロソウ(ハクサンフウロ?)・ミツバキンバイ(ウラジロキンバイ?)・ヒメシャジン・ホソバイワベンケイソウ・ヤハズハハコ(少し前、先生から押し葉を送って戴いた後で、すぐこうして復習できた)・テガタチドリ(山頂に近いところに咲いていて先生が遠くからいち早くみとめた)・ネバリノギラン(まだ咲いていなかったので感触だけ)・ワレモコウ(吾亦紅)・マツムシソウ(普通は群生するとのことだがこの時は一本だけ咲いていた、今も強く瞼に残る)等。こんなにたくさんの出会いは初めてではないだろうか。

 そしてキヌタソウが沢山咲いていた。鷹ノ巣山で先生に教えて戴いたがその清らかな白い花は今尚記憶に新しい。あれは10月だったからアレッと思ってしまった。今ごろから咲くんだぁと意外に感じた。レンゲショウマが群生していたことも発見だったがまだ蕾で花が見られず残念だった。咲く頃に見に行きたいという衝動にかられたが又別の所で見る機会もあるだろう。レンゲショウマも最近減った植物だそうだがこの三ツ峠にこれだけ豊富にあるということは、他の植物が沢山揃っているということも併せて、あまり荒らされていませんねという先生のお言葉だった。とにかく思ったとおり魅力溢れる山だ。  

 登りの途中に「(三ツ峠 は)40数年ぶりです」と言われた年配の男性と会った(いくつぐらいか見当がつかない)。初めはそれほどペ−スが早いとは思わなかったのだが私達が花など見ながら歩いているうちに随分と差が開いてしまった。富士を眺めながら一生懸命メモをとられていた。「感想をちょっと…」と、とてもなつかしそうだったがどんな感想だったのだろう。丹沢で出会った80いくつのお爺さんを思い出した。その時は32年ぶりと聞いて驚いたのだがまたその上。それぞれ前も良い思い出があったのだろう。

 今回32,000歩。いつか又同じコ−スを歩いてみたい、40年後?いいえせめて数年後!

三ツ峠 植物一覧  H5・7・28(水)
イヌワラビ(先端が特徴)、ノウゼンカズラ(中国から)、リョウブ(白い花)、ビロ−ドモウズイカ(外国)、アレチマツヨイグサ、コアカソ、クサコアカソ(鋸歯が多い)、コンフリ(むらさき科、食べられる)、キンミズヒキ、リュウノヒゲ(群生)、クワ(葉だけ)、ヤハズソウ(まめ科)、オトコヨモギ(葉が細い。ヨモギは葉の裏が白い)、コマツナギ(マメ科、根が丈夫)、ヒメコウゾ(赤い実、イチゴみたい)、タカトウダイ(花)、イタチササゲ(花は黄色い)、ツノハシバミ(種食べられる)、コマツナギ、ウド(大木)、紫陽花

[登山口]…ほたるの里  7:45

オオマツヨイグサ(花大きい)、ミヤコグサ(マメ科、花は黄色い)、アカマツ林、?イヌホオズキ、ヤマヨモギ、アブラチャン(実)、ナンテンハギ(花可愛い)、ヤマハギ、キハギ、コマツナギ…比較、コウガイゼキショウ(髪…)、カナウツギ(バラ科、夏)、キツネノボタン、ウツボグサ(カコソウ)、オトコエシ(秋、オミナエシではない)、ヤマアジサイ(花びら4まい、葉がとがっている)

小川
8:26 だるま石

コメザクラ、コウヤボウキ、イヌガンソク(シダ)、ミズナラ(木)、イチヤクソウ(花、終りかかっていた一輪)、ヤマトウバナ(シソ科)、バライチゴ、キヌタソウ

富士山(股のぞき)…見晴らし良好

カシワバハグマ(キク科)、キンレイカ(おみなえし科、又はコキンレイカ、距がある)、コアジサイ、シオガマギク、ナツツバキ(葉がツバキらしくない、木はリョウブに似ている)

(ヒガラの鳴声)

カナウツギ(バラ科…花目立たない)、トリアシショウマ、ウスユキソウ、マイヅルソウ…標高1545m、オオバギボシ、ウツギ…オシベの側に翼がつく(ウツギだけ)、シモツケ(木)

(八十八大師)

  シモツケ(木)とシモツケソウ(草)を比較

レンゲショウマ(蕾、葉はミツバみたい)、ベニドウダン(花なし)、シモツケ、オヤマボクチ、カラマツソウ(アキカラマツの仲間、花が線香花火みたい、色は白)、ヤマアジサイ

(岩肌に水が流れている所)
  ↓
ツルネコノメ、コンロンソウ、ミゾホオズキ、イワデンダ(シダ)、ミヤマタニタデ(タデ科)、クガイソウ、フウロソウ(ハクサンフウロ?)、ミツバキンバイ(又はウラジロキンバイ、ミツバツチグリと同じ仲間)、イワアカバナ、フクロシダ(シダ)、クジャクシダ、ジュウモンジシダ、ヤグルマソウ(これから咲く)、ヤマアジサイ、コウモリソウ(五角形)

11:07 石塔の所

ウラハグサの通り。富士山の眺め良し(後はお花畑)

クマヤナギ(葉は小判型、赤い実、蔓性の木)

(ロッククライミング練習場)

ヒメシャジン(高山)、ホソバイワベンケイソウ(ベンケイソウ科)、ヤハズハハコ(綺麗に咲いている)、ヨツバヒヨドリ(輪生、ヒヨドリが鳴く頃に咲く)、ヤマオダマキ、テリハノノイバラ(葉が光っている)、蝶…ヒトスジチョウ、シナノキ(居住地にあるのは菩提樹という)、サンショウバラ(ハマナスの仲間、バラ科)、ヤグルマソウ(花が咲いていた、ユキノシタ科)、フジアザミ(花はこれから)、クルマバソウ、テガタチドリ、ナナカマド(羽状複葉)、ネバリノギラン、ワレモコウ

三ツ峠山頂 11:55  富士山を含め、眺望は絶景

アヤメ、コバイソウ、バイカウツギ、マルバダケブキ、ワレモコウ、ノアザミ(ねばりがある)、アキカラマツ、トウヒレン(蕾、ニシキギみたいに茎にヒレがある)、カワラマツバ、マツムシソウ、シュロソウ(又はアオヤギソウ)、ヘビノネゴザ、ヤマハタザオ、ノカンゾウ、ハナイカダ、ドクウツギ(イチロベエゴロシ、実が毒、一回複葉)、メタカラコウ、ツリガネニンジン、イケマ(馬を生かす)、クマイチゴ…オイシカッタ!、コウゾリナ、オクモミジハグマ、クサレダマ(綺麗)

河口湖駅