奥多摩; 御岳山〜大岳山
(みたけさん〜おおたけさん)
H6の初歩き

 H6年1月6日(木)当日発 ;
 Member.単独

 【コース】(=は乗り物、〜は歩き)
立川駅6:54発=御岳駅7:56発=ケーブル下(滝本)8:35発=御岳山駅(830m)〜御岳神社(929m)9:05〜大岳神社(大岳山荘)10:15〜大岳山山頂(1266.9m)10:30-11:30〜大岳山荘11:45〜馬頭刈分岐12:00〜大岳鍾乳洞〜養沢13:35=五日市駅14:52着15:00発=立川駅15:44発南武線へ


 知人の年賀状に、6日に三岳〜大岳登頂予定とあった。行ってみたいなと即座に思い、行けたらその知人を驚かせてあげようと思って連絡はしなかった。このコースは初めて登った思い出のところ。

 そして当日、朝の弱い私だが山ヘ行くとなると寝不足だろうとしっかり起きる。街灯の灯りで洗濯ものを干し、星も月も雲に隠れている空を眺めつつ、気分はハイ!

 この時期の割には暖かい朝、初登山に向かう自転車のペダルは軽い。冷たい空気を肌に感じながら、歩く人もいない通りをひた走る。明るいコンビニの中を覗けばバイトらしい女の子のまぶたが重そう。

 いつもなら車中からオレンジ色に輝く夜明けを眺めることができるのにこの日は雲が厚かった。が、青梅線から見た奥多摩の山々はうっすら白々とした中に浮かんできた。いつもの時間なのだが乗客が多いようだった(山に行く人は少なくて、派手なウエアを着込んでいた私は冷たい視線を感じながら一生懸命体を小さくしていた)。

 三岳駅に着いたが登山客は私の他に、わずかに一人。知人の姿はなかった。コースが違うのだろうか、もっと早かったのだろうか、それとももっと遅くに来るのだろうか、とあれこれ思いながらバスに揺られあっという間にケーブル下駅に着いた。ケーブルを待つ間に自家用車で来た人も増え、その中の荷物を運んでいるおじさんに雪は降ったか聞いてみた。暮れに降っただけだから、三岳も大岳も大丈夫でしょうと聞いて一安心。「ここのケーブルは私が子供のころ出来たものだからもう60年位たつんですよ」と、その頃のことを懐かしそうに話してくれた。

 せっかくだから三岳神社も参拝して一番ポピュラーな道を大岳へと進んだ。奥の院のコースも歩いて見たいしロックガーデンの方も行って見たい。でももしかしたら知人が先に行っているかもしれないと思い、一度歩いた慣れた道を選んだ。花はもちろん見られない。落葉した間から差し込む日差しが嬉しかった。歩いていると暑くなる。山あいには所々白い雪が見える。周りには霜柱。歩いている道は霜柱で大きく盛り上がって固くなっている。後ろにも前にも人がいない。その柔らかい日差しをふんだんに受けて、気持ち良く一人歩きを楽しむ。落ち葉が粉々になって散っている。途中先を行っていた男の人を抜いて行くと間もなく水場があり、私にしては珍しく口にした。喉が乾いていたのだ、とてもおいしかった。大岳山荘が見えてきた。修理でもしているのか青いシートのかけてあるのが見える。山荘の傍まで来たらやっぱりボロイままだった。前に来たときとちっとも変わっていない。懐かしく辺りを見回しながら小さい大岳神社にお参りする。ここまで来れば山頂はもう近い。

 この辺りに来たら前に降ったと思われる雪がアイスバーンになってその上に土が被ていた。注意して歩けば滑ることはない。また少し行くと、前方の木からバラバラと落ちるものがある。何だろうと思ったら木に張り付いていた雪の結晶だった。大粒の雨が降っているようにばらばらと音のする中を歩いてやがて山頂に近くなると驚いたことにそこは樹氷の白い華。息を飲む美しさだった。アア、仲間にも見せたかったなと思いながら見とれていた。あとから来た人がここでこれが見られるのは珍しいと言っていた。その割に山頂は暖かく、上着は全く着ないですんだ。久しぶりにラーメンを作って食べたがこれならざる蕎麦にでもすれば良かったと思うほどだった。山頂には10時半に着き、1時間居たが知人は来なかった。