妙高山周辺・黒姫山(長野県)
              (くろひめやま2053m)

 ガスがかかっていたが
 途中で瞬間富士山が見えた
 早朝の雨に驚かされたが
 お天気が一日もってくれてラッキー

 H16年7月19日(月)
  天気;曇り時々晴
  Member.2人(夫婦)

右写真【黒姫山】


 【コ ー ス 】(〜は歩、休憩時間含む)

登山口(1140m)5:05〜種池5:15-20〜古池5:27〜古池登山道へ5:35〜新道分岐(1485m)6:43-47〜しらたま平(1998m)8:40-45〜大池分岐9:02〜黒姫山山頂9:15-10:15〜しらたま平(1998m)10:45〜新道分岐11:50〜古池12:40〜種池12:55〜登山口(1140m)13:05
(標高差約913m、所要時間約8時間くらい・・休憩含む)


 【飯綱山・黒姫山:前書き】今回東北の山、朝日連峰に登ろうと前夜日暮沢まで行った。しかし活発な前線による集中豪雨が予想以上に激しく、一晩車中泊した結果断念。この朝日連峰は9年前にも荒天で、当日南アルプス白峰三山に変更していた。ずっと楽しみにしている山域なのに遠いためなかなか行けず、やっと計画すれば何故か縁がない。又の機会を楽しみに、崩壊の不安を感じた林道を引き返した。とりあえず大井沢温泉「ゆったり館」へ行き、その名の通りゆったりと朝風呂に浸かった。浴槽独り占めという贅沢なひとときは300円という格安なお値段だった。

左【月山湖】

 そのあと道の駅月山で、月山湖を眺めながらどうするか相談。候補をいくつかあげ、前線を避けて南へ下ることにした。しかし移動中の天気予報によると、前線も南下しているという。一気に山梨の方まで行ってしまおうかとも思ったが、不安定な空模様に迷いつつ夫の提案で、結局まだ未踏の飯縄山と黒姫山に決めた。土曜日は集中豪雨の被災地のニュースを複雑な思いで聞きながら、山形から長野までの移動日となった。

 途中で地図を購入し、雨のためテント泊はやめて信濃町観光センター(026-255-3226)に電話で黒姫高原のペンションを依頼。紹介してもらったペンション「わたぼうし(026-255-5544)」は突然の予約だったにも関わらず気持の良い応対だった。オーナー夫妻のお人柄の良さに加え、新鮮野菜いっぱいのお料理はメニューが豊富でとても美味しかった。宿泊客のニーズに合わせた対応をしてくれるのも有り難い。ということで、通常朝食8時のところを7時にしていただいて、少し早めに出発することができた。この日は飯綱山、翌日黒姫山に登ることにした。【前書きは以上】


 登山口でのテント泊は慣れているはずなのにこの日は全く眠れなかった。夫も眠れなかったという。暑がりの夫のために風を入れていたのが良くなかったのかもしれない。寒いと思いつつ我慢していたからだろう。それならば上に掛けるものを車から出せばいいものを、テントの外に出るのが嫌でそれもしなかった。

 3時半に起床。朝食は胃に優しい雑炊で体が温まる。突然の激しい雨の音にびっくり!出鼻を挫かれたような感じで、今日は合羽を着て行くのかと覚悟をしたが幸い間もなくやんだ。準備をしてテントを撤収し、濡れた笹やぬかるみを考慮してスパッツをつけた。歩いていると暑くなるので状態を見て外そうと思っていたが、登山道が思った以上にぬかるんでおり、結局最後まで着けていた。

 歩き始めて間もなく、夫がストックを忘れたのに気づき取りに引き返した。5分から10分ほどのタイムロスだっただろうが、薄暗がりの樹林に一人で待つのはあまり気持ちの良いものではなかった。熊がヌッと出てきそうで気持ちが落ち着かず、まわりを見ながら行ったり来たり。その様は熊より熊っぽかったりして(雄の熊ちゃん、惚れないでよ!)。

左【種池】

 間もなく戻ってきた熊と、いや夫と再び歩き出し、種池の前へ。近いので見に行ってみた。ここは湧出と流出口のない池で、干ばつの年にこの池の水を汲んで戸隠神社に祈願すると、必ずその里に雨が降ると言われているそうだ。夜明け間のない時間帯なだけに池を目の前にして、静寂な林の中に思わず足が立ちすくむ。

左【古池で:バックは黒姫山】

 登山道に戻り所々にある木道とぬかるみに注意しながら先へと進んだ。次は古池だ。目の前にこれから登る黒姫山が水面にも映し出されている。写真を撮っているとポツポツを雨が落ちてきたが間もなく止んでしまい、この後再び降ることはなかった。池は一周出来るようだが左側から登山道へと進んだ。もう少し早い時期ならば、もっといろいろな花が見られたことだろう。ミズバショウ、リュウキンカ、ミツガシワなども咲くようだが、この日はウツボグサやクルマユリ、コバギボウシ、ネジバナ、シロツメクサなどがわずかに咲いていた。

 登山道に入ると徐々に登りになっていく。下草のお花は既に終わっているし樹林帯の中で視界もない。前日のような涼風もなく、泥道に気を遣いながらひたすらの登りだ。気温は登山口で18°、途中も20°くらいで歩けば暑い。ポカリでこまめに水分補給しながら登っていった。小さな沢を横切り更に登って行く。休憩は1時間で一本約10分の割合だった。

 新道分岐で大橋林道と合流し、その先は大ダルミから西登山口方面と、しらたま平方面の新道とに分かれ、新道方面へと進んだ。最初は緩やかな勾配だが徐々にきつくなっていく。木の間から戸隠山、高妻山が見えてくるが山頂の方はガスがかかっていた。黒姫山内輪山の御巣鷹山(小黒姫)が見える頃には青空が広がってきた。もう少し行けば展望が開けるだろうと思いつつも無理せず休憩してからまた歩き出した。足下にはゴゼンタチバナの花が少し咲いていた。まだ待っていてくれたのねと嬉しく思いながら歩いていくと、しらたま平で視界が開けた。

左【飯綱山:肉眼では富士山が見えたのだが・・しらたま平より】

 目の前に前日歩いた飯綱山、そしてその右方向に相変わらずガスのかかった戸隠山、高妻山。妙高山、火打山も間近に見える。戸隠山の左には、かすかに北アルプスが望めた。快晴ならばもっときれいにすっきりと見えたのだろうに・・と思いつつ眺めていると、「富士山が見える!」と夫の声。えっ!?びっくりしたが、指し示す飯縄山の少し左側に確かに富士山はあった。そしてその左(東南から東にかけて)に、四阿山、志賀方面が見える。なぜにこうも嬉しいものか!感激してしばし眺め、そのまま山頂方面に進んだが、富士山が見えたのはその時だけで、その後は再びガスに隠れ、私達が下山するするまではもう姿をあらわさなかった。しかし雨に降られず展望も得られて今回はラッキーだった。

左【イチヤクソウ】

 笹原の広がる尾根を歩くのは気持ちよい。日射しの無いのがかえってありがたかったかも知れない。飯綱山よりお花は少なかったが、それでもミヤマアキノキリンソウ?ニガナ、タカサゴソウ?イチヤクソウ、ギボウシ(オオバギボウシ?)、ギンリョウソウなどがあった。植物に詳しければ、もっと分かるのだろうが、私にはこれくらいが精一杯だ。

左【黒姫山山頂】

 大池への分岐を過ぎて岩の多い急登を少し登れば山頂だ。一番乗りは気持ちよい。早く登ったお陰で富士山も見られたし・・(この時は既に見えなくなっていた)。食事にしようとお湯を沸かしながら周囲を見回していると二番手、三番手の登山者の姿が目に入った。どちらもご夫婦連れのようで、その後も10名近いグループや単独者などゾクゾクと来て、山頂は段々と賑やかになってきた。

左【沢で】

 のんびりしたあと同ルートを下山。当初は西登山道の方から回ろうと思ったが、下山後に斑尾山にも行ってみようと、早めに下山することにした。しらたま平では30人パーティと行き合った。大人数にもかかわらず全員足並みが揃っているのでちょっと驚いた。山頂は一気に賑やかになることだろう。新道分岐からは大橋林道の方が早いと地元の人の話であったが、林道歩きはあまり好きではないのでやはり同じルートにした。途中の沢で少し休んでからそのまま駐車場へと向かった。

 下山後斑尾山に向かったが、道路工事中で最短距離の駐車場に行けず、結局は断念。そのまままだらおの湯に行った。一人500円(18時以降は300円)で、休憩室あり、食事も出来る。昨夜は眠れなかったので入浴後その休憩室で少し横になり、食事も済ませてから帰路についた。