紅葉の時期の涸沢と木曽駒ヶ岳の千畳敷カールは是非ともその最盛期に行ってみたいものと思っていました。でもどちらも並みの混み方ではありませんから、いつも足が遠のいています。

 今年は暑さが続いたせいかいつもより紅葉の時期が遅れているようで、日程的にも距離的にも丁度良さそうな木曽駒がリストにあがります。ロープウェイの混雑を避け、しげぞうさんかいねこさんが歩かれた桂小場コースに白羽の矢が! 超ハイペースの彼らのように日帰りなんて無理!当然一泊です(^^ゞ

 たまたまsanaeの肋骨にヒビが入っているため(・・ってそれで山行くんかい!というツッコミもごもっとも^_^; でも症状軽いですから!と言い訳)、テント泊は考えていなかったのですが、珍しくトシちゃんが任せろとばかりに「荷物は背負うから」と頼もしいことを言います。私としては両日日帰りが良かったのですが・・・^_^;

 前夜出発。いつものようにETC割引を活用します。伊那ICを降り、ナビ(マップコード420268625)にしたがって登山口の桂小場へ。R202を通る途中にはキャンプ場、そして信州大学農学部の宿舎があり、その先100mぐらいの所が登山口。零時40分ごろ到着。夜中でしたが登山口の標識を見つけてひと安心。駐車スペースには簡易トイレも二つあり、割合きれいに使われていました。車はけっこう置けますが、バスの周回場所と書いてありましたので置き場所に注意が必要です。

6:40
 出発する頃には車の数も随分増えていました。

 この標識が登山口。木曽駒ヶ岳でなく西駒と書かれてます。西に対し、甲斐駒が東駒だそうです。

 登山口辺りが標高1250m。信州大学農学部のプレートがありました。しばらくは50m毎につけられているようです。所々気付かなかったり割れていたり無くなっていたりしていましたが。

 最初の内はなだらかな登りが多く、なかなか標高があがりません。木曽駒の標高は2956.3m、標高差は約1700mだというのに・・

 R202沿いには立派な民家が並んでいましたが、この登山道を行くと発電用の太くて白い導水管が目に付きました。

 人工物とそしてたくさん咲いていたこのノコンギクが印象的です。

 お天気は良さそうで気持ちよく、緩やかな登りを行きます。

 今回トシちゃんはウエストバックを含め20キロ(下山時16キロ)、sanaeは15キロ(下山時13キロ)。ワーイ\(^o^)/トシちゃんの方がこんなに多い!この差ははじめてかも〜♪ これからもよろぴくね〜♪

7:09-11
 30分ほど行くとぶどうの泉と書かれた水場があります。ちょっと飲んでみましたがそれほど冷たくはありませんでした。

 気持ちのいい、ブナと落葉松の林です。

 アケビが落ちていましたが、見回してもそれらしい木はありませんでした。人間か動物か、食べた後の落し物。

これはブナハリタケ?
斜面で届かなかったので、近くで見れませんでしたが
もしそうなら食用で美味しいんですよね♪
でもびっしりついていて、気持ち悪いくらい!(~_~;)





 センボンヤリがありました。小さかったのが大きく伸び、可愛かった白い花は、ヤリに変わっていました。

【ハナイグチ(食用)】

【 】

 頂上まで7,5キロですがあと何時間なんでしょう?(^^ゞ

 野田場の水場はもう過ぎてしまった?と思うくらい時間がたってしまいました。古い地図(1997年)では野田場まで1時間ですが、1時間半すぎたころ下りになりました。

8:25-35
 少し下るとやっとそこが野田場。いくらテント装備とはいえあまりに時間かかりすぎです。下山時に気付いたことですが、途中斜面が崩れているところがありました。気をつけないと分かりませんからもう大分前のことなのでしょう。登山道はその後崩落場より上にとられ、遠回りになっているようです。

 帰宅し、本屋さんで新しい地図を見ると案の定コースタイムが1時間半になっていました^_^;

【↑ ナンブアザミ?】

【↑ オヤマボクチ?】

【↑ アキノキリンソウ】
 この日の気温は朝の出発時で8度。暑かった夏も過ぎ、山道も空も秋色です。空に向かってまっすぐ伸びている落葉松はもうすぐ見事な黄金色に変わることでしょう。足元はふかふかと気持ちのいい登山道でした。



9:07
 野田場から20分程で横山分岐を過ぎ、10分程で馬返しです。馬返しは権兵衛峠方面への分岐ですが、横山コースもこの権兵衛コースも通る人は少ないような感じに見えました。
森のきのこたち♪(ほんの一部です)





 食べられるかどうか全然分かりませんが、見ているだけで楽しくなってしまいます。森の芸術品ですね。

 赤い実をつけたマイヅルソウ
 そしてゴゼンタチバナ 

 シラタマノキがたくさんありました。一つ潰して匂いを嗅いでみたりしました。なるほどサロメチールの香りです。ちょっと刺激があって、疲れた時など元気が出るかな〜? (^^ゞ
 ツリバナ? 

 周りを見回しましたが大きな木がありませんでした。鳥か獣が種を落としたのでしょうか?まだ小さな木、こんなのが他にもいくつかありました。


9:16
 白川分岐。奈良井宿、白川方面へのルート。分岐にはどこもしっかりした道標が建っています。

9:20
 標高2000mくらいの樹林帯の登山道沿いに建つ落雷事故現場の碑。昭和50年のことだそうです。一見安全そうに思える場所ですが、雷はどこに落ちるか分からないものです。

 7月には今も地元の中学生が集団登山をしているようです。

 足元にはイワカガミやイチヤクソウらしき葉っぱがいっぱい残っています。春もまた楽しみなルートなのでしょう。

9:44-55
 無雪期なら間違えようの無いしっかりした登山道ですが、雪が降るとルートを誤りそうな場所も見受けられました。この大樽小屋の手前も注意が必要に思えます。

 無人の小さな避難小屋ですが、この小屋が目に入ったらホッとすることでしょう。

 裏手の先に水場があるというので100mほど行ってみましたが、10分ほど先のようで結局途中で戻ってきました。確認しませんでしたがコースガイドには当てにしないほうがよいと書いてあります。 

↑ 小屋の中(入口から)・・床下にもキノコ!(笑)

↑ 小屋の中

 この日天気予報は良かったのですが、五合目の大樽小屋を後にしますと、次第にガスが出てきました。

10:11
 大樽小屋から間もなく信大ルート分岐です。この信大ルートからも桂小場に戻れますが、登山道の様子が分からないので翌日の下山は同ルートを辿る予定です。

 いよいよ胸突八丁、急な登りを覚悟します。といっても普通の登りでした。ここが胸突八丁なら山道みんな胸突八丁?^_^;


10:42
 六合目のやっとこ平。休息に良さそうなベンチが二つ。北アルプスや南アルプスが見えるそうですが、ガスで見えません。そのまま通過します。

10:46
 弘法石の側を通ります。

11:05-23
 途中でお昼休憩にしますが、休むと寒く、驚いたことにバラバラと雹が降ってきました。幸いすぐにやみました。

 寒いので食べたらすぐ出発です。

 この後、朝先行した男性と分水嶺辺りですれ違ったのですが、その雹に驚き山頂を諦めて下りてきたということでした。でもその頃には再び日が出て気温は14度まであがりました。

11:29-34
 津島神社。どこが神社なのか良くわかりませんが、津島様とも呼ばれ、それは大きな石を指しているようです。その岩穴の中にヒカリゴケがありました。

 久々に見るヒカリゴケで、トシちゃん興奮です。植物に疎いですが、何しろsanaeより先にその存在を知っていたのでちょっと優越感を持っています^_^; 

 写真では光って見えませんが、岩穴の中のヒカリゴケ。

 ずっとブナや落葉松林でしたが、津島神社から先は低い広葉樹林になりました。

 黄葉がきれいです。


12:02
 七合目。

 木の間から南アルプスが見えます。鋸岳と甲斐駒ケ岳でしょう。西駒から東駒を眺望です。

12:11
 胸突の頭。七合目まで来ればあと一息の場所。ここから少しの間平行移動です。

 胸突の頭から少し行くと前方の山が見えてきました。

 山肌の紅葉を見て歓声をあげます。

 この景観を眺め思わず立ち止まってしまいましたがまだまだ先があります。



12:25
 行者岩。ルートを少し行くと行者岩分岐があり、踏み跡がしっかりあったので行ってみました。行者岩まで行けるようですが、今回はこの展望場で眺めるだけ。

 そしてそこの展望は行者岩(写真中央奥)だけでなく、sanaeの目の先には・・・・

 木曽駒ヶ岳への稜線が眺められたのでした。素敵な展望場です。

コチラは手前の分水嶺



 展望場を後にして分岐に戻り先に進みます。

12:35
 分水嶺。西駒山荘と将棊頭山の分岐になります。

 「あのぉ・・・トシちゃん、そっちは西駒山荘ですよ・・・」

 将棊頭山には行かないんですか・・・・?

 こちらなんですけど・・・

ということで結果的にトシちゃんは西駒山荘へ、sanaeは稜線から将棋頭山へ^_^;
こちらトシちゃんコース
こちらsanaeコース

巻き道は紅葉シャワー


ウラシマツツジが真っ赤できれいです。



イワツメクサが咲き残ってます



ウラシマツツジがいっぱい



振り返ります。ん?sanaeがいない!



振り返ります。ん?来ないなぁ・・!



左に行けば水場、前方に西駒山荘


前方には伊那前岳、宝剣、木曽駒



山荘からも将棊頭山が・・。
ん?山頂にsanaeか?


将棊頭山へ
トシちゃん今頃、山荘で休憩かな?



なんとまだコマクサが♪(山荘前で)



こちら山頂に到着♪


チングルマもありました



宝剣、木曽駒への稜線:将棋頭山より


天水岩から分岐に向かうsanaeが見えます
(トシちゃんが振り返って撮影)


天水岩を眺め、山荘分岐へ
(岩の上に水溜りがありました)


ハイマツ帯を行き、やっと前方のトシちゃんに気がつきました。
ガスが上がってきていますが前岳、宝剣、木曽駒をバックに座っています。



13:30-13:39
合流してしばし休憩の後、先に進みます。
中央奥に木曽駒ヶ岳が見えますが
まだまだあんなに遠い!



 ここから再び一緒に進みます。

 岩がゴロゴロしていますが、登山道は岩を避け緩やかに下っていきます。

 前方の一際大きい岩は遭難記念碑でした。

13:41
 遭難記念碑。大正2年の出来事だそうですが、新田次郎の「聖職の碑」という作品となっています。昔読んだと思うのですがはっきり覚えていません、またいつか読み直してみましょう。

 歩き易いコース。こちらもウラシマツツジが真っ赤できれい。

 ガスで残念ですが紅葉もきれい!

 宝剣岳と中岳。間に小屋も見えます。

14:03
 伊勢滝、宮田高原分岐。少し先には濃ヶ池、宝剣方面分岐もありますが、馬の背から頂上小屋に向かいます。

 生憎ガスが出てきましたが、見ごろの紅葉を楽しみながら進みます。とはいえかなり疲れてきてますので馬の背の急登は辛いものがありました^_^;





【↑ トウヤクリンドウ】

【↑ ミヤマキンバイ】

 寒くなりました。気温6度です。

 疲れてsanae遅れ気味・・・

 中岳と木曽駒の間にテント場が見えてきました\(^o^)/

 木曽駒山頂に人がたくさんいるのが見えます。

15:23
 山頂より先にテン場へ向かいます。

15:35
 頂上小屋到着。テント場は空いてました。100張可とのことですが、石が多いので良い場所となるとそんなにはないように思います。

 山頂まで近いですが、テントを張ったら行く気が失せました^_^;

 この頃はまた太陽が出て気温8度くらいでしたが寒かったのでテントに入り、小屋で買ってきたビールと鍋で宴会!宴会!・・・といっても二人で500ml一缶ですけど(^^ゞ

※テント場一人600円(トイレ、水代込み)。水はトイレ側の水道から自由。ビール500ml=750円、350ml=550円。

ご飯はお米を炊きましたが、今回はレトルトでした。




 二日目へ

中ア・木曽駒ヶ岳(1日目)  2日目はこちら
(クリック地図)(きそこまがたけ2956.3m)

 

 折角の三連休ですが今回も所用のため土日しか空いていません。ということで遠出は諦め、紅葉目的で近場の木曽駒ヶ岳に行ってきました。丁度見ごろを迎えていたため混雑するロープウェイは避け、桂小場からのピストンです。千畳敷カールを期待していましたが、この桂小場ルートもまた見事な紅葉でした。
H19年10月6-7日(土日)
  天気;晴れ一時曇り
  Member.2人

【コ ー ス】(〜は歩、休憩時間含む) 

6日:桂小場(1250m)6:40〜ぶどうの泉7:09-11〜野田場8:25-35〜馬返し9:07〜大樽小屋9:44-55〜六合目10:42〜津島神社(ヒカリゴケ)11:29-35〜七合目12:02〜胸突の頭12:11〜行者岩分岐12:25(行者岩展望12:27-32)〜分水嶺12:35〜将棊頭山13:10-12〜遭難記念碑13:41〜山頂分岐15:23〜山頂小屋15:35(幕営)・・・所要時間約9時間

7日:テン場5:35〜木曽駒ヶ岳山頂5:50-6:40〜テン場?-8:05〜千畳敷カールまで散策?-9:43〜乗越浄土10:14〜テン場(テント撤収)10:35-11:20〜西駒山荘13:20-25〜分水嶺13:44-55〜胸突の頭14:00〜大樽小屋14:48-15:00〜桂小場16:17・・・所要時間約8時間45分

↑ 将棊頭山より宝剣岳、木曽駒ヶ岳を望む