中ア・木曽駒ヶ岳(途中敗退)
(きそこまがたけ2958m)
いよいよ雪山。ワクワクして出かけたが強風で途中ひき返した。
 H17年12月3日(土)
  天気;雪(朝は晴れ)
  Member.2人

【コ ー ス】(〜は歩、休憩時間含む) 
菅の台BC8:12始発(バス37分)しらび平駅9:00始発(ロープウェイ7分)千畳敷駅

千畳敷駅9:40出発〜乗越浄土11:35〜宝剣山荘?(12:00引き返す)〜千畳敷駅12:50

千畳敷駅12:55発(ロープウェイ7分)しらび平駅13:10発(途中乗り換え)菅の台BC13:50着


所要時間約3時間10分(登り2時間、下り50分)

【ラッセル】

 いよいよ雪山シーズン。ワクワクしながら夫がまだ行っていない木曽駒ヶ岳へ。のんびりとテントを持って行こうかと思ったが、それこそのんびりと雪山歩きを楽しもうと軽い荷物で日帰りにすることにした(とはいえ12爪アイゼンやピッケルなど持つからそれでも10キロ強のザック)。お助けロープくらい持っていきたかったが、一本駄目にして以来まだ買い換えていない。心もとないザイルワークではあまり意味ないし、大変そうならすぐ引き返すつもりでいたので太い方(何ミリだったっけ・・・)も持っていかなかった。最近ザックに入っているためしがない。

 車で行けるのは菅の台バスセンターまで。その先は一般車通行止めなのでバスに乗り換える。バスの始発は12月から1時間遅れの8時12分(菅の台バスセンター)。早朝出発でも良かったが、ETC割引を使いたかったので今回も前夜発にした。菅の台BCそばの駐車場は400円。無人だが入り口の機械に投入すれば自動開閉なので夜中でも入れる。以前(もう8年前になる)は無料だったような気がするがはっきり憶えていない。ガラ空きの広い駐車場に車を入れ、側にテント泊。近くにきれいな水洗トイレもあり、電気が点いているので明るい。
 アラームをセットし忘れていたが6時40分ごろ起床。外に出ると車は全部で4,5台だった。簡単に朝食を済ませ、その間にテルモス用のお湯を沸かす。テント撤収して支度し、バス停に並ぶが全部で10人足らずだったろうか。皆日帰りのようだった。
 定時に来たバスはチェーンを巻いていた。しばらくは雪など無く、チェーンは大丈夫かと気になった。30分ぐらい走ると路面が白くなり、雪もチラチラ舞ってきた。

 しらび平で下車。ここからロープウェイに乗り換える。料金はバスが往復1600円(駒ヶ根駅からは2000円)、ロープウェイは往復2200円(片道1180円)。ということでBCからは合計3800円だが、インターネットのクーポン券を持っていくと、日帰りの場合割引になり3420円になってお得。ちなみにロープウェイは通年営業。7分で千畳敷駅へ。千畳敷ホテルの宿泊も今の時期はやはりクーポンで安くなっていた。この日は一応特別な日だったので、天気がよかったら泊まりたいとも思ったが、翌日は八ヶ岳の方に行く予定なのでパス。
 ロープウェイを降り、通用口にあった登山届けに記入して箱に入れた。出口に向かうため売店のあるフロアーの方に行くと皆しっかりハーネスをつけていた。みな本格的だ。というより私たち安易?と思った瞬間、山岳関係者という若い男性がやってきてザイルは持っていますかと聞かれた。ギクッ!昨年の死亡者のことを例に、宝剣岳は非常に危険ですからと言われ、ひょっとして今回は登れないのか?と思ってしまった。テントの有無も聞かれたが、日帰りの予定だからツェルトだ。「木曽駒は行けますか?」と尋ねたら、「木曽駒は大丈夫です」という返事。こんな厳しいチェックがあるとは知らなんだ。
ホッとして一回外に出て積雪の状態を確かめ、アイゼンを出してザックに括り付けた。身支度を整えて出発。
 外は雪で山頂方向はガスでかすんでいる。最初に歩き出したが、写真を写している間に4人と2人連れが通り過ぎて行った。先頭はラッセルだ。登山道で積雪は30センチくらい。4人パーティはガイドさん付きなのか、先頭の人がいろいろと説明しながら登っている。それぞれに早めの休憩でアイゼンを装着していた。
その間に先になり、しばらくは私たちが先頭でラッセル。今シーズン初めてだ。夫が疲れる前に交代し、私が途中から先に行く。大変だが先頭は気分良い。アイゼンを着け終えた2人は登山道をはずれ、左へトラバースし登っていった。宝剣岳直登だろうか。
 私たちはもちろん正規の登山ルートを行く。それでも積雪は膝上になり、さらさらの雪でも重くなる。吹き溜まりは大変だ。別の二人連れが来たので、私たちも休憩して先を譲る。先頭の男性はラッセルの礼を言って登っていった。既に12爪アイゼンをつけ、後ろの女性とザイルでつながれていた。
 彼らはラッセルしながらゆっくり登っているように見えたが早かった。というよりコチラが遅いだけ?トシちゃん既にバテ気味。しかし早いはずだ。あとから名刺を戴いたが立山の真砂沢ロッジの佐伯さんだった。有名な芦峅寺のガイドさんだ。いつか行ってみたいと思っていた所だが、一緒の女性も絶賛のロッジなのだそうな。もちろん山で話したわけではない。何しろ気温マイナス14度の中の登山なのだから、下山してから聞いたのだった。
 私たちは乗越浄土についてからアイゼンを装着。風は冷たく強かった。ワンタッチの私はすぐに装着できたが、もらい物の旧式のアイゼンを使っているトシちゃんは手間取っている。低い気温で冷たく強い風が吹く中、待つのは辛い。装着する方も手がかじかんで思うように出来ないでいる。これからも雪山に行くなら、新しいものに買い換えましょ!でも近頃のトシちゃんは行かないと行ったり行くといったり、まったく気ままなんだから・・・・ふぅ!

 待つ間しっかり踏ん張っていないとズズズ・・・・と二歩、三歩飛ばされる。この時点で、途中で引き返す選択肢がすでに用意されていた。宝剣山荘まで歩くだけで様子が分かるだろう。4人パーティはここでザイルをつないで先に進んでいった。視界は悪い。トシちゃんがようやく準備できて左へと進むころには、一緒に登っていた人たちはもう見えなかった。途中で宝剣岳への分岐を分け、木曽駒方面へ。ようやく宝剣山荘がうっすらと目に入るが、標識で方向がつかめず、地図を出そうとしたら先に行っていた佐伯さんたち(まだこのときはお名前すら知らなかった)が戻ってきた。空木へ行く予定だったそうだが、木曽駒にだけでも行こうと変更し、それも強風で結局断念して戻ってきたのだった。もう一組の男性2人連れも戻ってきた。
 みんなで宝剣山荘の手前の小屋の陰で風をよけ、私たちも引き返すことにした。写真を撮り、戻ろうとすると先の4人も戻ってきた。

 左写真:眉毛も睫毛も真っ白で霧氷状態
 結局同ルートを下山。途中先に下りていた男性が一人少しだけ転がり落ちた。幸い手すりのあるところで良かった。階段になっているところでアイゼンを引っ掛けたのだろうか。私たちも注意しながら下りていく。

 下山途中、登ってくる5人くらいのパーティもあり、宝剣山荘に泊まると言っていた。冬季避難小屋だろうか?未確認。

 千畳敷ロープウェイが見えてきた頃(天気がよければ上の方から見えるがガスで見えなかった)、次の出発時間をアナウンスする声が聞こえてきた。アイゼンを外し、中に入るとまだ乗れるようだったのでそのままロープウェイへ。後ろの4人パーティは見えなかった。

左写真:登りの途中写したもの

 しらび平でバスに乗り換え、途中で今度はチェーン無しのバスに乗り換えた。そのまま菅の台バスセンターへ。少し雪が降っていたが、山頂方面とまったく異なりまだ積雪はない。しかしこの夜大雪注意報が出ていたから翌日はこのあたりも一面白くなっているかもしれない。山の様相もどんどん変わっていくのだろう。

 近くで食事し、時間が早かったので一般道を走りながら八ヶ岳へと向かった。

左写真:駐車場の車は増えていた。ロープウェイに向かうバスはどれもいっぱいだった。