足尾・袈裟丸山
(けさまるやま1961m)
アカヤシオを見にお花の山へ。昨年はシロヤシオ、トウゴクミツバツツジ、シャクナゲと共に
とても見事だったらしいが、今年はどうやら裏年のようだとのこと。
 H18年05月20-21日(土日)
  天気;初日晴れのち雷雨、二日目晴れ
  Member.2人(夫婦)

【コ ー ス】(〜は歩、休憩時間含む) 
1日目;塔ノ沢登山口6:55〜登山カードポスト7:08〜寝釈迦8:10-30〜避難小屋9:35-55〜賽の河原10:05〜雨量計10:30〜小丸山11:20-50〜避難小屋12:05-10〜前袈裟丸山(1878.2m)13:45-50〜袈裟丸山14:45(泊)

2日目;袈裟丸山5:55〜前袈裟丸山6:40-7:10〜避難小屋7:50-8:10〜(巻き道)〜雨量計8:55〜賽の河原9:15-40〜避難小屋9:45〜寝釈迦10:25-40〜登山カードポスト11:15〜塔ノ沢登山口11:20

【袈裟丸山:小丸山の手前稜線より】

 以前皇海山に登ったとき、そこから袈裟丸山に伸びる稜線に心惹かれるものがあった。アカヤシオの花で有名とは聞いていたが、それだけでなくシロヤシオ、トウゴクミツバツツジ、シャクナゲなど次々と咲くのだという。ようやく今回、できれば袈裟丸山から皇海山まで足を伸ばしてみたいと出かけてみた。

 天気予報は土曜日雨、日曜は全国的に晴れ。その晴れを当てにして、土曜日は雨の中歩くのを承知の上で、今回は新車のデビュー山行!予報が予報だから道路渋滞もなくほぼ順調に走行。しかし環状八号線の手前で追突事故処理中、なんと帰路にも練馬ICを出たところで追突事故処理が始まったばかりの所を通過だった。

 行きも帰りもちょっと緊張。だからというわけでもないが、今回のトシちゃんの運転は穏やかだった。いつもはそれはもうレース好きなものだからおとなしい訳がなく、私などいつも荷物扱い!それが100キロを越えることがなく、左端の走行車線をゆったりと運転。新車だからいきなりは飛ばさないのがトシちゃん流。実はトシちゃんは今日が初めての新車運転。その隣で私はナビやらAVやらで遊ぶ?。CDだったナビがDVDに変わり、その3D画像やらタッチ操作やらで物珍しさにいちいち驚きの反応を示していた。

 道に迷うこともなく、塔ノ沢駐車場に着いたのは夜半過ぎの1時。ナビの当初の予測時間を過ぎていた。トシちゃんのゆっくり走行証明。

 誰もいない駐車場は広く感じられた。一番奥の登山口に近い場所に停車(一番奥は狭い)。側には一つだがトイレもある。

 後の座席を倒し、シュラフで久々に身体を真横にして車中泊。心地よく熟睡。


【登山口】
 朝6時前に起床。簡単に朝食を済ませ、支度してから出発。

 予報に反して空は青空。

 雨を覚悟していたがラッキー。新緑が目に眩しい!一本のヤマツツジが目に付いた。

 少し歩くと沢に木橋がかかり、その手前に登山者カードのポストがある(駐車場の登山口のは外されていた)。書いてきた物を投入するようになっている。

 木橋を渡ると沢伝いに気持ちのよい緩やかな登りの登山道が続く。

 沢音が耳に心地よく、新緑が目に優しい。

 足元にはキジムシロ(の一種?)、クワガタソウ、ワチガイソウ、タチツボスミレなど各種スミレ、咲き終わったコチャルメルソウなど目を楽しませてくれたが、中でもその多さに驚いたのはニリンソウだった。
【ニリンソウ】
【キジムシロ属の一種】 【ワチガイソウ】 【コチャルメルソウ】 【クワガタソウ】

【この階段を登ると・・→】

【寝釈迦像・・・この階段を少し登る】


 このような立像に守られ、その上に寝釈迦像はあった。

【寝釈迦・・・大きさが分かるだろうか】

【いつ、だれが?】
 

 寝釈迦からみえる相輪塔。これは高さ13m、自然の岩峰だそうだ。周りにはトウゴクミツバツツジやムシカリ(オオカメノキ)の花が咲いていた。

 せせらぎを聞きながら一休みできる場所もあり、相輪塔へ行く道もあったが、その場を後にして先に進む。

 登山道の両脇にはこのような自然の形でニリンソウが咲いている。

 何回かこうした渡渉を繰り返す。

 バイケイソウの葉も美味しそう・・いやいや、これは毒草です。

 熊笹の茂った階段を登っていく。

 そして水場から避難小屋が見える。

 人が住んでいるように見えるのは気のせいか・・。小屋は古いほうと新しい方の二棟、小さいけれど、数名ずつ宿泊できそうだ。近くにはトイレもあるが、いくらか傾いていた。

 周囲は落葉松の新緑が柔らかく芽生えていた。

 そこからひと登りすれば賽の河原だが、向かう途中にようやくアカヤシオが現れてきた。

 賽の河原。袈裟丸山がちょこっと見えてきた。

 そして少し下ると彼方に袈裟丸山。真ん中が前袈裟丸山(だと思う・・)。


 昨年は山一面ピンク状態となるくらい、稀に見る見事な開花だったそうだ。今年は逆に珍しいくらい裏の年だという。それを聞いてちょっとがっかりしたが、満開状態を知らないからこれでも充分楽しめた。

 雨量計の辺りでまとまったアカヤシオを楽しむ。この日は雨予報だったため登山者は賽の河原で一人出会っただけだったが、この雨量計の所で数名に遭遇。この人たちはこの先の小丸で引き返していた。

 皆さんの身軽さが羨ましかった・・

 一泊装備は先月の二王子岳以来だが、水を担ぎ上げているので重い。体重を絞って動きの軽くなったトシちゃんについていくのが大変。

 「疲れた〜、一休みしようよ・・」と休んだ足元に可愛いヒメイチゲがいっぱい咲いていた。

 小丸山は巻き道があるが、せっかくなのでピークへ。

 小丸山ピークは狭かった。袈裟丸山から皇海山、日光方面が見えるので昼食をとりながら休憩。

【袈裟丸山と小丸山山頂のアカヤシオと桜】

【皇海山、庚申山、日光方面:小丸山山頂より】

 小丸山を下ると広々としたテン場。避難小屋とトイレがあった。避難小屋は5人くらいは入れるだろうか?ダケカンバの林が落ち着いて安らぐ感じだ。巻き道もここに出る。

 ここからが私にとって苦しい道のりだった。

 無様な格好で・・・。珍しくsanaeダウンです。しっかりトシちゃんのシャッターチャンス!

 それでも頑張って前袈裟丸山山頂。ところがガスが出て・・・

 こんなものが・・・

 え〜っ!聞いてないよ・・・

 私たちの前の20人ほどは戻ってこないから先に行っている筈。ご夫婦連れのご主人も後袈裟丸山までピストンしたとのこと・・・・。

 私たちも自己責任で様子を見ながら一先ず先へ・・・

 ところが下り始めた途端に雨がポツリ・・。合羽を早めに着て歩き出すと、ナ、ナント!雷!

 雷雨の中の八反張(はったんばり)通過は怖かった!鎖が取り付けられているものだから雷が落ちないようにと祈る気持ち。一人ずつ通った。

 晴れていてもきつい登りを疲れたなんて言っていられず歩き通し、ついに山頂。げんきんなものでもう笑顔だ。雨は上がり、雷は遠くで鳴っていた。

 この日はもっと先に行く予定だったが進む気にならず、なんとかテント場を見つけて設営。テントを張れるような場所でなく居心地はけっして良くなかったが、一先ずホッとした。

 山頂からは通ってきた方向や町並み(桐生の方だろうか?)赤城山、皇海山方向など望めた。快晴ならばきっと遠望も望めたことだろうが仕方ない。

 もう人が通ることもないだろうと、テントの中で、のんびりしていると、単独男性が4時半ごろやってきた。なんとこれからまだ奥袈裟丸山の先まで行ってテントを張るという。翌日庚申山の方から下るそうだ。

【後袈裟丸山山頂から小丸山方向を振り返る。】
 夕暮れ、といってもまだ夕方5時半過ぎ、雷雨はおさまり、周囲は明るくなってきた。

 翌日の予定を検討。テン場から皇海山までピストンし、同ルートを戻る予定だったが、雷雨で手前の後袈裟丸山足止めでは私たちには無理。翌朝六林班か、奥袈裟丸山までのピストンにしようということで6時過ぎ眠りについた。

【赤城山:後袈裟丸山山頂より】
【二日目】

 夜中、風が強かった。幸いテントへのあたりは弱かったので良かった。天気は良いというが、風音に気持ちが萎える。

 朝食のラーメンを食べながら、のんびり下りよう・・・と軟弱な我ら。

 後袈裟丸山はシャクナゲの木が多かったが花芽のついているものが少なかった。シャクナゲも今年はあまり咲かないのだろうか・・

 青空の下、後袈裟丸山を後にする。

 前方の前袈裟丸山に向かって。

 八反張(はったんばり)。昨日は雷雨で写真どころではなかった!

【前袈裟丸山から皇海山、白根山方向を望む】

【前袈裟丸山から後袈裟丸山の左に見える白い山塊は谷川?】

 前袈裟丸山山頂。

 ここでゆっくり展望を楽しむ。遠望がきけば富士山も見えるそうだが残念ながら霞んで見えなかった。

 前袈裟丸山を下り始めると早くも登ってくる人がいた。避難小屋に着くまでの間に10名ほどだったろうか。小さなデイパックの人が多かった。

 白樺に囲まれた避難小屋の広場でゆっくり休憩。ここで雨露と防寒のため着ていた合羽を脱いだ。

 もう一度小丸山から展望を楽しみたかったが、アカヤシオがきれいだという巻道の方を行く。

 小丸山分岐と合流し、賽の河原に向かうと次々に登山者がやってくる。だれもが日帰り装備で、こちらが恥ずかしいくらいだ。道を譲るため遅々とした歩みで進んでいく。

 途中袈裟丸山の見えるところで写真を写す。

 賽の河原で休憩。殆どの人が折場口からやってくる。

 休憩後、塔ノ沢口へ向かうと途端に静かになった。

 新緑と沢のせせらぎを楽しみながら気持ちよく下る。寝釈迦の近くで最後の休憩。森林浴と水音の中にしばし身を置いて、あとは一気に登山口へ。

 お昼前に下山。

 温泉は国民宿舎サンレイク草木へ。子宝の湯に入ってしまった。アラどうしましょう!大人一人500円。

 お昼はここのバイキングで済ませた。一人1500円くらいだったかな?帰りに富弘美術館に寄りたかったが、温泉から湖岸を逆に回ったため通過してしまった。残念。私は行ったことがあるがトシちゃんに見て欲しかったと思ったのに・・・。トシちゃん、帰りは疲れて眠ってしまった。運転は途中で交代。