中央線沿線・陣馬山〜景信山〜城山〜高尾山
 (じんばさん857m〜かげのぶやま727.1m〜しろやま670.3〜たかおさん599m)
 78才、母の山デビュー

 H13年12月24日(月)
  天気;快晴
  Member.単独→3人(夫・母と合流)

 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)

藤野7:00発バス(和田行き)=和田7:15-20〜陣馬山8:30-35〜明王峠9:05-10〜景信山10:5-10〜小仏峠10:28〜城山10:45-11:00〜高尾山11:40-13:10〜ケーブル駅14:10=ケーブル清滝駅14:20〜高尾山口駅?
(所要時間約7時間・・休憩含む)

  【高尾山山頂で】右


 山歩きをしたことがないという母を夫が誘った。足や腰が痛いと常々言っているが、その気になって一緒に行くことになった。そんな話になっているとは知らず、夫から「お母さんと高尾山に行って来る。だから陣馬山の方からおいでよ」と言われて、びっくり。そして高尾山山頂で落ち合うことになった。

 いつもなら藤野発8時6分発に乗るのだが、高尾山山頂で昼食を一緒にとるとなると出発時間を早めなければならない。仕事や年賀状や大掃除など、暮れの仕事は山積しており、連日睡眠不足ではあったが、頑張って、その前の7時発に合わせて私だけ先に家を出ることにした。娘が勉強で珍しく徹夜していたのはラッキー、駅まで車で送ってもらった。

 電車に乗ると極力目をとじる。JR南武線は寒かったが中央線は温かくて気持ちよかった。

 温かい電車を降りるのは後ろ髪が引かれる思いだったが藤野駅で下車。すぐ7時発の和田行きバスに乗る。同乗者は男性二人連れのみ。彼等は陣馬登山口で下車し、終点までは私だけだった。

 終点にはトイレがあり使用可。水洗で水も流れたが、水道水は凍結しているのか、あるいは止水栓を止めてあるのか出なかった。

 バス停の先を少し行くと登山口と書かれた場所がある。そこを登っていくが、民家のお庭先を通らせていただいているような感じだ。登山道に着くまではコンクリートで固められ、やや急なため、凍結すると滑りやすくなる。この日は霜がおりていたもののその心配はまだなかった。

 土の登山道に出るとホッとする。落ち葉を踏みながらしばらく行くとうっすらと雪がのっている。今シーズン初めて雪を踏んだ。キィーンとしたこの空気の冷たさが何とも言えず心地よい。

 陣馬山頂は誰も居ないだろうと思っていたら、男性が一人写真を撮っていた。和田峠から登って来られたようだ。小屋も開いて準備を始めていた。山頂から望む富士山は雲一つなく、すっきりと素晴らしい眺めだった。カメラもデジカメも今回は夫に渡してきたので写せないのが残念だった。一期一会を楽しみつつ、お茶を飲みながらその冨士を眺めた。とってもきれいで、のんびりしたかったが、時間的にあまり余裕がなかったのでこの先も休憩は5分とし、捲き道をどんどん行くことにする。

 ところどころうっすら積もった雪の上を歩いていく。明王峠も小屋が開いて準備が始められていたが他に人はいなかった。富士山の眺めがここも素晴らしい。ここでパンを食べ、富士山を眺めながら5分休憩した。

 朝早いため、このコースとしては信じられないくらい人が少なかった。景信山に着くまでに出会った人は12人、殆どが単独の男性で2人連れは2組だった。景信山山頂はもう人が多かった。ここも5分休憩。側に座っている人が、しばらく合っていない知り合いによく似ていたので声をかけてみたが人違いだった。なぜか懐かしさが甦る。ここからの富士山も美しかった。しかしほんのすこし雲が出てきている。

 小仏峠を少し過ぎた頃だろうか、携帯が鳴った。夫からで、今母と稲荷山コースを登り始めたという。現在地を伝えて携帯を切るが、この分だとこちらの方が早く着いてしまいそうだ。丁度分岐のところで携帯が鳴ったためそのままうっかり捲き道の方へ進んでしまった。しかし相模湖へ下りる登山道と合流し、そこから城山へと登っていった。ここは間違いやすく、だいぶ以前にもうっかりそのまま下ってしまったことがある。

 城山も人が多かった。相模湖と富士山、丹沢方面が望めて眺めの良いところだが、富士山はやはり雲がかかってきてしまっていた。時間を見るとやはりそのまま進んでも早すぎてしまいそうなので、ここでゆっくり休むことにした。といっても15分くらいで再び出発。

 一人だとつい早足になってしまうが、一丁平からモミジ台へ行く途中、数人のグループが何やら立ち止まっていたので、「なにかあるのですか?」と聞いてみた。するとシモバシラがあるという。霜柱ではない、植物のシモバシラだ。話には聞いていたが、実際に見たことがない。どれどれと目を凝らすと、その中のお一人が説明をしてくれた。短髪で小柄な、笑顔のきれいな女性だった。このあと高尾山頂でも見かけて挨拶をしたが、そのグループの中でもとても爽やかで面倒見の良い方のように見受けられた。

左【親子】

 高尾山頂で夫と母を捜したがまだ着いていなかった。山頂では初詣の準備をしているらしく、大きなテントを数張り、張っていた。トラックも2台停まっていた。山頂からの富士山は最早隠れて眺められなかった。せっかく登った母に見せたかったのに残念だった。喉が乾いたので先にビールを買って飲んで待っていた。待つこと約40分。山頂に笑顔の母の姿が見えた。

 山頂の三角点で記念写真を撮り、茶店に入って改めて乾杯。お蕎麦とおでんを食べて、私はようやく体が温まったが、日当たりが良かったので夫と母はずっと暑いと言いつつ汗を拭いていた。

 山歩きが初めての母のため、下りはケーブルで下りることにする。奥の院や茶店など眺めながらゆっくりと山道を歩いていった。

 ケーブルに乗るとあっという間に下に到着。思わず「2時間かけて登ったのに5分で下りちゃうの?」と母のつぶやきが出ると側にいた人の笑い声が聞こえてきた。母の山歩き初体験は楽しかったようであった。