富士山周辺 ;  石割山
(いしわりやま)

ハプニングが続いたけれど・・・


 H9.5.23(金)当日発 ; Member.計2名

武蔵中原駅4:43発〜立川駅〜大月〜富士吉田〜平野8:15〜
石割山10:50-11:35〜平尾山12:10〜大平山1:00-20〜大出山入口2:25
〜ホテルマウント富士入口バス停2:50着3:19発〜富士吉田〜大月〜立川〜中原


 いつもより早い出発だったが、順調に朝食の用意と洗濯を済ませ、余裕を持って家を出た。

 中原始発だったため、駅に着くと既に電車はスタンバイしていた。車中にてしばし待ち、間もなく発車。既に明るい窓の外を眺めていると、稲城長沼での停車がいやに長い。一番前の車輌だったため、運転士とホームにいる駅員の悠長に話す声が聞こえる。不思議に思っていると「立川駅の近くでポイント故障の為、しばらく停車します」と車内アナウンスが流れた。エッ?立川での乗り換え時間が3分しかないのに困ったと、時計を眺めていたが、3分経っても動く気配がない。繰り返し同じアナウンスが流れるばかりだ。同行者はもう家を出てしまっただろうか?早朝の迷惑を顧みず携帯から電話してみた。申し訳ないことに奥様が出られて「もう出ました」という返事。とりあえず連絡が取れたときの伝言を頼んで、後はそのまま行くしかない。とんだハプニングだ。

 7分の遅れは立川で次の電車を待つ事となり、更に高尾でも乗り換えとなってしまった。大月で見回したが同行者の姿はない。そこの乗り換えも時間待ちし、その間に再度同行者のご自宅に連絡をとった。バスの時間もあることだし先に行ってくれて構わなかったのだが、富士吉田に着くとそこで同行者が待っていらした。結局バスには乗れず、次は1時間ほど待つというのでタクシーに変更。予定外の出費。しかしここでやっと予定の時間に追いついた。

 石割神社前から歩き始めたが、登山口になかなか行き着かない。通り過ぎてしまったかと戻ったらやはりまだ先のようだったので、再び同じ道を歩き出す。更に先に歩いていったら《石割山ハイキングコース》と目立たない場所に立て札があった。ここだと左の道に入り、進むがだんだん道が怪しくなってきた。戻ろうと思ったが上を見上げるとどうやら尾根のようだ。同行者に待っててもらって様子を見に行ってきた。すると用意されたように立派な遊歩道があるではないか。同行者に声を掛けて上がってきてもらい、かくして通常のルートにもどれた訳であった。

 どこでどう間違ったものか、多分入口と思った場所よりもっとしっかりした登山口があったに違いない。

 災難続きの今回の山行はこうして騒々しく幕が上がった。しかしその間にも、靄のかかった風景と新緑の瑞々しさを気持ち良く堪能していた。迷って道を捜している間にも、可愛らしい花がそこかしこに顔を出していて楽しませてくれた。印象の残る山行とはなった。

 明け方雨が降ったらしく植物は生き生きしていたが、道は適度に水分を含んで歩きやすかった。野鳥の声すら涼やかで、同行者の説明を有りがたく聞く。その鳴き声を自分で聞き分けることが出来たらどんなに素晴らしいことだろう。その場でしか覚えられないのだから、気長に教えて戴くしかない。ホトトギス(テッペンカケタカ)・ホオジロ(イッピツケイジョウツカマツル)・カッコー(死んだ妹の名のワッコが変化した)・イカル(口笛を吹いているような声)・ツツドリ(寂しそうな声)・ウグイス・シジューカラ等。姿が無く鳴き声だけで覚えるのは難しいが、それが分かるようになってきたらとても楽しいと思う。教えていただいて覚えるのが楽しみだ。

 木はかなり水を含んでいて、先を行く同行者はズボンがびっしょりになってしまった。着替えている間に周りを見回すと、ウツギの一種だろう赤くきれいに咲いていた。桜の木に似た花も、白とピンクがかったのと沢山咲いていたが、特定できない。とにかく素敵だった。

 石割山頂直下は少し急登だった。登りにくいので自然と草の方に道が出来ている。山頂はガスがかかり山中湖方面など全く見えなかったが、食事している間にちょっとだけ晴れてくれた。一生懸命歩いたからご褒美!

 下りは途中まで同じ道を通り、途中から大平山、ホテルマウント富士方面に足を向けた。大平山の手前で別荘地が目に入り、少々興醒め。面白味のない道だ。

 大平山頂は広かった。ここも見晴らしがよいようだがガスでおおわれてしまった。このガスもなかなか良いもので、静けさの中にしっとりと身の回りをゆっくり眺められる。静かな山歩きを楽しんで山中湖へ出、30分ほど待ってバスで朝の富士吉田へと向かった。

”朝もやに青葉の濡れて迷い道小花を愛でつさえずりを聞く”
”鉄道の故障で遅刻せし吾を君はカメラを構えて待ち居り”
”石割に幾多のウツギは白緋色景色なくともガスのまにまに”