秩父; 飛竜山
(ひりゅうさん)

秩父の奥深い山を堪能


 H10年9月6日(日)前夜発・
 天気;曇り : Member.2人(夫婦)

後山林道終点9:25〜三条の湯9:50-10:00〜北天ノタル12:25〜飛竜権現13:00〜飛竜山13:25-14:10〜北天ノタル14:40〜三条の湯14:05-10〜後山林道終点16:30

 昨夜林道終点に着いたのは9時。途中降り出した雨にもかかわらず、既に数台の車が停まっている。車中泊。明け方の雨音に半ば諦めたが、再び目覚めると雨は止んでいた。車はいっぱいで、さらに次々とやってくる。予定より遅くなってしまったが、私達も支度して出発。

 雨が降ったお陰で緑が生き生きとしている。三条の湯までの原生林の素晴らしさったらない。カエデ科の多さに驚く。紅葉の時期に是非又来たいものだ。数日来の大雨の影響か木が谷側に崩れ落ち、一部補修箇所があったが歩くのに差支えはない。沢といくつかの滝を気持ち良く眺めながら2、30分行くと、きれいなテン場が現れ三条の湯の小屋が見えてくる。ちょっと小屋の感じが以前と違うと思ったら、2年程前に増築したそうだ。茸採りに来た男性がいたので話してみたが、今年はやはり茸が採れないと言う。

 飛竜への原生林も同様に美しい。道沿いの、沢に流れ落ちる水量が豊かだ。火照った顔を洗ったり水を含んだり出来て嬉しい。トリカブトやシシウドの花が美しく咲いている。途中数パーティとスレ違ったが、後から登ってくる人はいない。皆、雨の中、早出をしたのだろうか。

 北天ノタルで単独行の男性が休憩していた。今朝雲取の方から飛竜を回って来て、これから下山だと言う。私達の出発は遅かったから先を急ぐ。しかしこの先は道が結構荒れていた。木梯子の道は朽ちていたり、崩れ落ちていたりで信頼できない。木や岩を掴まりながら通り抜ける。熊笹の中を歩きしばらく飛竜山を廻り込むとおそらくそこが飛竜権現なのだろう、飛竜山頂と示す分岐があった。祠と思われる建造物は無惨にも道の下に崩れ落ちている。これも大雨の仕業なのだろうか。

 登って行くと「足がつる」と夫。少し立ち止まって足を摩り、再びゆっくり登り始めた。大丈夫のようだ。山頂までの間は石南花の木が多い。何と言う苔むした山だろう。山頂は樹林帯で展望はないが、静かで自然味がいっぱい残っている。丹沢山に似た雰囲気を持っていると思った。

 ラーメンを作って遅い昼食をとり、ココアを飲んで、地図には載っていない近道を下山する事にした。しかしこの道はしっかり整備されている訳ではなく、赤いテープを辿りながら道なき道を行くと言った感じだった。間違えやすいので、慣れない人は避けた方が良いかも知れない。それでも思った以上に早く北天ノタルに着いて、ほっと一安心。あとは普通に下るだけ。

 天気はどうにかもってくれた。いつもなら同ルートを下山するよりは違う道をとるのだが、天気の関係で遅い出発だった為、今回やむを得ない。もし時間があったとしても丹波から三条の湯を経て雲取へ行った事のある夫は、サオラ峠から三条の湯までの長い道程は歩きたくないと言う。

 雲取よりは高いが展望がきかず、人気には負けるだろうが、自然が残っている。良い山だった。

“夜の雨に木々の緑の輝きて足踏み入れし吾は森の子”