丹沢・檜洞丸(ひのきぼらまる1600m)

 マルバダケブキとシモツケソウが雨に映えて
 大阪から丹沢へようこそ!

 H16年7月31日(土)
  天気;雨
  Member.4人(水谷、まきた、つぐみ、石原)

右写真【山頂】


 【コ ー ス 】(〜は歩、休憩時間含む)

西丹沢自然教室駐車場=(車)=林道終点(東沢上流)9:00-10〜ツツジ新道9:25〜展望園地9:33-40檜洞丸山頂11:15〜青ヶ岳山荘1:20-12:40〜石棚山〜箒沢15:35〜西丹沢自然教室駐車場15:50
(所要時間約6時間40分くらい・・休憩含む)


 この時期の丹沢は暑く、進んで行こうとは思わないのだが、大阪から水谷さんが丹沢へやってくるということで、久々に一緒に歩いてきた。台風十号の影響で雨が降り続いていたが、そろそろ晴れるだろうと期待していた。しかし予想に反して雨。今回は関東の方へ来てから西へ進むという珍しいコースを辿る台風で、二つの強い高気圧に阻まれて進度がかなり遅くなったようだ。その為の余波が長引いたのだが、平野の方は一日晴天だったという。

 新松田駅に着くとつむぎさんが待っていてくれた。初対面の青ヶ岳山荘のしんちゃんと挨拶を交わし、車に乗せていただく。そのまま役場の駐車場へ行き既に到着していたまきたさん、水谷さんと合流。彼等とも久々のご対面。しかし、水谷さん?と半信半疑のまま挨拶、その疑問は間もなく解けた(かなりウエイトを落としたそうだ)。そのまま車に分乗して西丹沢自然教室へ。

左【西丹沢自然教室で】

 西丹沢自然教室へと続く中川川の水量はいつもより多かった。上流に行くほどにその流れは強いものとなった。これでは用木沢もゴーラ沢も不安だ。予定では用木沢から犬越路を通るコースだった。しかし用木沢もゴーラ沢もこの状況ではかなりの水量で靴を脱いでの徒渉となる可能性大だ。ゴーラ沢に取り付けられたきれいな木橋もその後6月の台風で流されたといい、その後補修したもののこの雨でまた流されているかも知れないと言う。水は濁り下が見えない状態で渡るのは危ない。橋だけでなく人間まで流されては大変だ。万が一渡れたとしても、日帰りで戻って来れないのでは困るし・・・。そんな状況の下、西丹沢自然教室に着いてからしばし検討。通常なら取りやめるパターンだが、わざわざ大阪からきている水谷さんのために何とか方法はないものかと皆で考え、箒沢から石棚山コースを行くことに決定。距離が長い同ルート往復もこの天気ではやむを得ない。ここならば徒渉の場所が登山口から近いから早めに判断もつく。

左【登山口】

 そのように決めた所で、とても魅力的な代替案が出た。なんと青ヶ岳山荘のしんちゃんのお陰で、通行許可証の必要なボッカコースから行けることになったのだ。通常の登山ルートではない上に最短の2時間ほどで登れるということで、一気に気持ちが盛り上がる。未舗装のガタガタ道をものともしない頼もしい四駆RV車(今はSUVだとか・・)に揺られ、登山口に着いたのは9時。それから支度して、つむぎさんを先頭に登り始めた。初めてのコースはなんてウキウキするのだろう。

左【ツツジ新道を行く】

 急登を登ること15分ほどで従来のツツジ新道に出た。オーッ!ちょっと感激。ここからは傘をさして歩き出す。雨でいくらか涼しいが、合羽のズボンだけは履いていたため熱かった。晴れていたらもっと暑くて大変だっただろう。ここからは水谷さんが先頭になる。夜行で早朝着だったというから疲れているかと思いきや快調のご様子、やはりかなりのパワーアップと拝察。というよりこちらが亀なのでそれでもペースを抑えていたのでしょう。

左【展望園地で】

 すぐ上の展望園地で休憩。好天ならば富士山の好展望場なのに残念。しかし水谷さんには何もかもが新鮮に映るらしく、表情は好奇心に満ちてとても爽やか。その周辺にはハコネランが咲くとつむぎさんから聞き、それをいち早く見つけたのは水谷さんだった。既に花期は終わっていたのに驚いた。他にも可愛い小さな白い花などあり、この時期なればこその丹沢を見つけてこれもまた楽しかった。そして生き生きしている樹林や苔、小さな小さな植物たちを見て、雨の山もいいものだと思う。「負け惜しみでなく雨の山もいい」という水谷さんの言葉には同感だ。

 傘をさしての登りは時々不自由な所もあるが、のんびりと登っていった。シロヤシオの5月(今年)の時以来だが、山の斜面にマルバダケブキの黄色い花が広がり、小ぶりの可愛いシモツケソウやホタルブクロなど、まったく違った風景に私も感激。次のテーブルのある展望台で少し休憩してから整備された木梯子など辿って石棚山分岐に出ると、シロヤシオでも楽しめるそこはやはりマルバダケブキが一面に広がっていた。雨に弱いようで、降られるたびに腐ってしまうようだが充分楽しめた。

 山頂直下の木道周辺も見事だ。雨が醸し出す幻想的な風景もまた素晴らしい。木道を過ぎて、新しい人工物が目についた。以前にも何かあったが、また最近作られたものらしくソーラーと風力の設備(風力発電機併用ソーラーパネル四基)が設置されていた。植物調査の為か、神奈川県で設置したオゾン観測用電源設備らしい。必要なものかもしれないがちょっと興醒めだ。

左【マルバダケブキが群生】

 山頂のブナ林は雨でひとしおはえている。苔むしたブナの大木に何故か宿り木のようにギボウシが咲いていた。黄色い小さな花まで咲いて、そこには今まで知らなかった世界が広がっているようだった。こんな日に登ってくる人は他になく、誰もいない静かな山頂をしばし堪能してから青ヶ岳山荘へと行った。この檜洞丸にはけっこう来ているが、青ヶ岳山荘へ寄るのは初めてだった。

左【青ヶ岳山荘】

 思ったより立派な(失礼!)小屋で、トイレも新しいのが設置されていた。ようこそいらっしゃいと、温かく迎えてくれる感じの入口に向かって「ただいま」と言うつむぎさん、「お邪魔します」と入っていく水谷さん。そして私、まきたさんと続いて入っていった。中の明るい雰囲気にみな居心地良さを感じて思い思いに休んでいると小屋の人たちがやってきた。

左【青ヶ岳山荘で】

 乾杯して歓談していると外の雨がどんどん強くなってきた。台風は通常のコースとは異なる西へととっくに行っているはずなのに、丹沢にはまだ影響を残していた。1600mといえども山の気象はやはり分からない。つむぎさんからは「泊まっていったら?」と何回か誘惑され(笑)、その気にさせられそうに?なったが翌日の用事を控えてそうもいかず、雨の中まきたさんと下山した。

左【雨で幻想的】

 小屋から山頂を巻いてツツジ新道分岐へと戻り石棚山コースへと向かった。富士山はもちろん見えない。でもまきたさんが先に気付いて鹿の姿を遠くから見かけた。ユーシンへの分岐辺りもマルバダケブキの群生が見事だ。ブナやシロヤシオの樹林が雨でよりいっそう感動的。それをすっかり写真に映し出せないのが残念。でも登ってよかったと思えるひとときだ。

 一人だったら不安だったかも知れないが、まきたさんも一緒だったので心強かった。稜線はおしゃべりしながら軽いアップダウンを行き、そろそろ急な下りになるだろうと思われるところで傘はたたんだ。滑りやすい登山道になるが、これだけ降ると、逆に足下がしっかり固まって歩きやすいように感じた。

 沢沿いの道に出るとひとまずホッとするのだが、今回の場合気がかりはこの先の徒渉だった。しかし登山口まではあとわずか、30分とかからないはずだ。左側に見える沢のいつにない轟音を聞き、水量を見ながら、何とか渡れるだろうと思ったが、足下が濡れるのは仕方ないと思っていた。

左【キャンプ場へ、無事下山】

 最初の堰堤はそのまま階段を伝って下り、次の小さな木橋も無事。広い河原に再び出て、問題の徒渉地点となった。当然いつもより水量が多い。しかし渡れないという程ではなかった。ホッとして渡れそうな場所を捜して無事通過。キャンプ場のある登山口までくるとバーベキューの匂いが漂ってきた。週末ということもあって雨にもかかわらずキャンパーが多かった。中川川は朝より増水しているようだった。

 箒沢登山口から一般道を西丹沢自然教室まで戻ると警察の車らしきが二台停まっていた。入口にズラリと並んで注目されながらのお出迎え?山岳警備隊の方々だそうだった。数日前の鍋割山遭難の捜索が雨で中止になり、こちらへ巡回してきたそうだ。こんな雨の日の登山、何とも間の悪いことだったが、皆さんのにこやかな笑顔に救われた。この日は他に登山者がいたが青ヶ岳宿泊者で、私達同様最短コースで登ったということだった。下山者はもういないという。私達の無事を確認して?警備隊の方々は引き揚げていった。

 まきたさんの車でブナの湯に寄った。キャンプの人たちで混んでいるかと思ったら満杯だった駐車場の割に中は幸い空いていた。サッパリして新松田まで送っていただき、まきたさんには感謝。

 ご一緒していただいた皆さんありがとうございました。水谷さんは大阪より遠路はるばるお疲れ様でした。またのお越しをお待ちしています(^-^)v

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  関西の山々.....水谷さん