八ヶ岳;  権現岳〜編笠山
 (ごんげんだけ2715m〜あみがさやま2524m)
 夫が趣味のツーリングで奥多摩、八ヶ岳、南アルプス方面に泊まりで出かけたので、私も前から行こうと思っていた八ヶ岳のアミゴンに一人で行って来ました。編笠山は以前夫婦で歩いていましたが、権現岳は行かなかったので気になっていたのです。一人の前夜発は初めてでしたが一度行ったことがあったため、様子が分かっているという安心感がありました。

 H11年6月13日(日)・晴 ; Member.単独


【編笠山】右
 権現岳からの展望

【コース】
途中の休憩時間含む 。=は車の移動。
八王子IC=小淵沢IC=観音平24:00(車中泊)
観音平(1570m)4:25発〜展望台5:05〜押手川(分岐)5:40〜見晴台5:45-55〜青年小屋6:50-7:00〜のろし場7:25〜権現岳(2715m)山頂8:05-15〜(休憩8:35-45)〜のろし場9:00〜青年小屋9:15〜編笠山(2524m)9:40-50〜押手川(分岐)10:35-45〜展望台11:10〜観音平11:35着
観音平11:50発=小淵沢IC=八王子IC
 (所要時間 7時間10分)


 途中息子の家に寄るため今回は往復八王子ICを起点にしている。R16に八王子バイパスが出来、有料(¥250)だが便利になった。

 夜の高速は空いていて快調、しかし登山口に夜中の12時着はやはり厳しい。しかも観音平には、天文のマニアが集まって星の観察をしていたためずっと話し声が聞こえてきた。乗用車の助手席へ移動して寝ようとしたものの、これも初めての経験で寝付けなかった。

 4時起床。早くも出発しようとしている人が何人かいる。私も支度を整えて出発。その前にトイレ、ここはキャンプ場になっているので使えるのが有り難い。きれいに清掃されており、水も延命水がひかれている。林は若葉で清々しい。ヤマツツジのオレンジがとても映えていた。

 早朝の登山道は野鳥のさえずりと可愛いリスのお出ましで始まった。カッコーとホトトギスは分かるのだが、他は残念ながら分からない。咲いていた花はコアジサイ、タニウツギ、ツマトリソウ、マイヅルソウ、他。落葉松の新緑が美しい。

 最初の雲海展望台には椅子があるが通過。押手川(分岐)の先の見晴台まで行くことにする。押手川分岐は以前夏に来た時、水が全くなかったが、今回はあった。飲用には適さないようだった。そこから青年小屋方向に5分ほど行くと見晴台がある。見晴らしがそれほど良いわけではないが、青空が明るく広がる中でひと休みする。

 その先はしばらくなだらかなコメツガと白樺の林が続き、やがてやや急登になる。シャクナゲの木が沢山あったが花は咲いていなかった。視界が遮られているものの、イワカガミがたくさん現れ嬉しくなってしまう。キバナノコマノツメやヒメイチゲ、ワチガイソウ、と楽しんでいると、今度は下りにかかる。えっ?こんなに下ってしまっていいの?と不安に思い地図を確認するが間違いない。やがて青年小屋方面へ20分の標識がありほっとする。合間に見える山頂はどうやら権現岳のようだ。そこで下ってくるご夫婦に出会ったが「早いですね」と声をかけられる。時計を見ればまだ6時半だった。

 青年小屋は賑やかだった。朝食を作っている人たち、キャッチボールをしている人たち、歯を磨いている人、小屋の中からもこちらに視線が投げかけられる。その人数に圧倒されて、やや視界を避けた場所に座り休憩。眼前に編笠山のなだらかな山容が目に入る。

 小屋に荷物を置いて権現をピストンするらしい人や、縦走するらしい人に混じって、荷物はそのまま背負ったまま私も権現へ。登りながらもペースが上がらないのを感じる。殆ど寝ていないのが響いているようだ。しかし両足は着実に一歩一歩前に進んでくれる。

 のろし場は編笠山、権現岳の両方を眺めるに丁度良い場所だが、この日は南アルプス方面はガスっていて展望はきかなかった。八ヶ岳赤岳方面ですら見えない。天気は良いのに残念だった。

 権現岳への稜線はひんやりと空気が冷たく、半袖では少し肌寒かった。チョウジザクラ、キバナシャクナゲが咲いていた。ミヤマタネツケバナ?コメバツガザクラ?らしき花々も(アァ、デジカメが欲しい、帰ればすぐ確認できるのにと思ってしまう)。

 ギボシは巻き、権現小屋前を通過して権現山頂へ。山頂は写真を写すために登ったが休めるようなスペースはなかった。何人かの人と譲り合うようにピークを踏み、写真を写し、場を移して展望を楽しむ。しかしやはり遠望はガスのためきかなかった。赤岳も隠れていたので再びギボシを巻いて同じ道を戻る。巻道といえど、岩場とガレ場で、天候が崩れたときなど注意を要する場所だ。鎖があるので気をつければ安心して歩ける。途中見晴らしの良い場所があったので休憩。丁度赤岳がぼんやりと姿を現した。そこから権現岳、編笠山を、両手の花の如く眺め、再びのろし場を経て青年小屋に戻る。

左【阿弥陀岳、赤岳、 権現岳】
編笠山で

 小屋から編笠山への登山道は一変して大岩を踏み越えていく。赤丸や矢印がついているのでそれを頼りに行けば間違えることはない。ハイマツや潅木の急な登山道をなおも登っていく。コヨウラクツツジも咲いていた。やがてなだらかな道になり、そのまま山頂に出る。権現から見たとき山頂には大勢の人影が見えたのに、この時は一人の男性しかいなかった。ちょうど赤岳、阿弥陀が姿を現したので写真を撮っていただく。快晴であれば大きく見える筈の南アルプスは霞んで、やはりほとんど見えなかった。男性はすぐ下山してしまったのでしばし一人の山頂、静かな時を過ごす。

 観音平に向け下山しようとしたとき数人が登ってきた。下る途中も何人かに出会う。フワフワした落葉松林の登山道は足にやさしい。うかっりすると登山道を離れてしまうので赤テープを目印に下っていく。

 押手川分岐でひと休み。そこで朝登山口で話した若い男性と出会ったので少しおしゃべり。そのまま雲海展望台辺りまで話しながら下っていった。足にきていると笑いながら言いつつ、そこで休んでいくというので、私はお先に下山する。

 一人歩きで休憩時間が短かったせいもあり、思いがけなく昼前に下山できた。これならば中央道の渋滞にも巻き込まれないで済みそうだ。ロッジでアクエリアス1缶買い、飲んでから小淵沢ICへ。

 思った通り中央道は快調に流れ、八王子からのR16もまぁまぁ流れていた。 今回温泉はパスしたので、息子の家でシャワーを浴び、ひと休みしてから今度は娘の運転で帰路につく。充実した山行だった。