奥秩父;大菩薩嶺
(だいぼさつれい2056.9m)
   マツムシソウやウメバチソウが満開

 H12年9月3日(日)
  天気;晴 :
  Member.3人(村田・石原夫婦)

【展望のない大菩薩嶺山頂】右

 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)
上日川峠(1600m)6:50〜石丸峠〜熊沢山〜大菩薩峠(1897m)8:50-9:20〜賽の河原〜雷岩〜大菩薩嶺(2056.9m)〜雷岩〜 上日川峠12:30

(所要時間約5時間40分・・休憩含む)


 夏休みが終えた後、用事やら疲れなど残ってなかなか山に行けず、ようやく日帰りで行くことになった。近場で涼しい山ということで大菩薩へ。電車で行ってゆっくり歩く予定だったが、早く登って中央道が混む前に帰って来ようと車で前夜発とした。

 車を上日川峠に置き、車中泊。翌朝6時起床、7時前に出発。電車から車に変更したため、石丸峠から大菩薩峠、雷岩へと進んだ後、大菩薩嶺をピストンして唐松尾根を下ることにした。コースタイムが短いため初めからゆっくり進む。

 しかし、石丸峠へは最初下ってばかり。「えっ?えっ?」と3人で言いながら進んでいった。水場の沢を二回渡り、舗装された林道も2回横切った。天気はよいが、西斜面を登っているため空気は爽やかだった。富士山が顔を出した辺りで足を止めてしばし見入る。更に登ると小金沢連嶺から延びてくる稜線が目に入ってくる。まるで山頂にゴルフ場があるのかと思うほどきれいな尾根だ。日があたってさぞや暑かろうと思っていたが、風があって気持ちよかった。

 石丸峠周辺はマツムシソウ、ウメバチソウ、アキノキリンソウ、ハクサンフウロなどがいっぱい咲いていた。今年は開花が少し早いのか、以前来たときが遅かったのか、とにかく今回も丁度良い時期に来たようでラッキーだった(メモをとらなかったし、このレポートも忙しくて登山後2週間以上たってしまったので、記憶が薄れてしまったが) 。

 熊沢山の山頂標示は登山道の途中にあり、ピークは通っていなかった。そのまま下ると大菩薩峠まではすぐだが、その辺りはしっとりとした樹林帯で奥秩父らしい山域だった。そして今回人に会わずに静かに歩けたコースだったのだが、大菩薩峠に着くと人が徐々に多くなっていった。峠の介山荘にかき氷が売っていて、そこで食べていくことにした。私は小豆ミルクを頼んだが何とガラスの器に大盛り。富士山や南アルプスが一望できる眺めの良い場所で食べていたが、気持ちいいと思っていた風が冷たくて、そのうち寒くなってきてしまった。

 この時期、大菩薩峠からのお花畑はとてもきれいだった記憶があるが、今回はヤナギラン、シオガマギクなどは開花が早かったようで終わりかかっていた。その年によってそれぞれの花の開花が微妙に違うようで、今年はいっせいに咲くという状況ではなかったようだ。しかしマツムシソウなどは丁度見頃だった。

 賽の河原の避難小屋は新しいようで、あけると木の匂いがしてきれいだった。1992年のエアリアマップには小屋マークがついているから在ったと思うのだが、以前はどんな小屋だったか記憶に残っていない。側に水場はないが、冬の降雪期などいいかも知れない。

 そのまま歩いていったらお昼前には下山してしまうので、ふたたび神部岩の辺りでゆっくりコーヒーをいれることにした。早いがついでにランチタイム。 登山者が増えてきたが展望がよく、人のいないところを見つけて腰を落ちつけた。下界は暑いだろうに、ここは誠に涼しかった。

 1時間ほど休憩してから雷岩へ。そして展望のない大菩薩嶺山頂をピストンして再び雷岩に戻った。正面に富士山や南アルプス、その周辺の山々が眺められ、そのまま下るには時間が早くてもったいないと、ここでもまたゆっくりすることにした。ごろりと横になりたい陽気だったが人が多かったので、座ったままその風景を眺めたり周りの花を写真に撮ったりして、なんと贅沢な時間を過ごしたことだろう。こんなにのんびりとした山歩きは久しぶりだった。それでも中央道の混雑を気にしてそろそろと重たい腰をあげた。

 下る途中、一組のご夫婦に花の名を尋ねられた。シオガマの一種らしいが・・と思って、その方が持っていらした小冊子の図鑑を借りるとトモエシオガマだった。思いがけなく確認できて私も嬉しかった。こういうのって、意外と忘れないものなのだ。

 下山後は裂石温泉に行こうと思っていたのだが、来る途中新しく「大菩薩の湯」というのが出来ていたのを見つけていたのでそこへ行った。塩山市の施設で市外在住者は大人3時間で600円。温泉受付時間は午前10時から午後8時まで。休業日は火曜日(祝日の場合は翌日)となっている。露天風呂あり、シャンプーなどもあり。下駄箱に鍵はかけられなかったが帰るとき、誰かの悪戯らしく履き物が全く違う所に入れられていたというハプニングがあった。農産物や土産品の直売コーナーがあったので購入。中央道では少し(10キロくらい)の渋滞で済み、明るい内に帰宅できた。