越後;  浅草岳
 (あさくさだけ1585.5m)
 まだ時期的に早いかなと思いつつ、今回はヒメサユリを見るため、浅草岳、守門岳に行って来た。梅雨時で雨から逃れることは出来なかったが、両山ともお目当てのヒメサユリは咲いていた。一部雪渓が残っており、もう終わっていると思われたカタクリ、ショウジョウバカマも見られたが、登山道はほとんど夏道で、アイゼンはもう全く必要ない。合羽を着たり脱いだりの忙しい山行だった。

 H11年6月19日(土)・雨時々曇り ; Member.2人(夫婦)


【ヒメサユリ】右

【コース】
途中の休憩時間含む 。=は車の移動。〜は歩。
自宅18日21:45=練馬IC22:40=小出IC?=田子倉登山口19日2:30(車中泊)
田子倉登山口(520m)7:10発〜大久保沢の水場7:55-8:05〜剣ヶ峰(1131m)9:05-20〜浅草岳山頂(1585.5m) 10:50-11:10〜(前岳方面へ散策)〜浅草岳山頂11:30〜(昼食11:45-12:15)〜剣ヶ峰13:05〜大久保沢の水場13:55〜田子倉登山口(520m)14:35着

 (所要時間 7時間25分)


(18日)21:45
 仕事が遅かったため前夜の出発は遅くなってしまった。天気予報も雨のようで出鼻を挫かれる形となったが、それでも出かけてしまうのが我々夫婦。行けば何とかなるさと車を走らせる。それにしても小出インターから田子倉までは睡魔との戦い。無事についた田子倉登山口の駐車場はとても広かった。外は雨、広すぎる駐車場に車は我が家の1台だけ。とにかく寝る。就寝3時。

(19日)
 6時起床。3時間の睡眠は辛い。外は小雨だった。しかし今回の目的は花見山行。朝食をとりながら、ためらうことなく登山の用意を始める。車は他に1台止まっているのみ。持ち主は既にいない。

7:10
 登山口で登山者カードに記入して出発。ただ一つ気になることは熊の出現。今日の下山後会うことになっている須原の友人の情報によれば、登山道に熊は出ていないと言う。このような天候の時に行動するかどうか分からないが、登山者が少ないのでとりあえず熊鈴をつけていく。雨に濡れた樹林は生気があって気持ちがよい。林床には両面シダが群生し、その黄緑が鮮やかだ。そして合間にクルマバソウ、イカリソウの白い花などいろいろ。周辺はタニウツギ、オオカメノキ(ムシカリ)、山ツツジが彩りを添えている。しかし、徒渉点で立ち止まる。雨で水量が多いせいか、対岸に渡るには靴を履いたままでは少々深そうだ。すこし上流に移動し何とか脱がずに対岸へ。登山道に入る。

7:55
 思ったより早い時間に大久保の水場に到着。最後の水場でひと休み。小雨が降ったりやんだりで、登山者に出会うこともなく、鳥の鳴き声が響きわたる。静かだ。雨もいいものだと思ってしまう。そこからは少し急登だった。大きなブナの木に「熊の爪跡」と書かれた縦の彫り込みのような跡があり、驚かされる。本物かどうか分からないが、その先にマタギの熊狩りの場所とか手分け場とか書かれた札があり、一瞬、熊鈴を振ってしまう。

  9:05
 登山道はぐんぐん高度を稼げる急登が多い。寝不足の体にはこたえるが、ゆっくり行くとやがて剣ヶ峰に到着。終始ガスがかかって鬼が面の尾根はここでは見えなかったが、休憩後登っている途中、見えかくれしながらも時折姿を見せてくれた。大変そうだが、何回か足を運べればいつか通ってみたいコースかも知れない。それにしても悪天候の中、あそこを通った上で入叶津にぬけた白石さんや岡本さん達はすごいと改めて思ってしまった。振り返れば田子倉湖が見える。剣ヶ峰を過ぎるとまたもや急登が続くが、お目当ての花が突然現れた。ヒメサユリ。驚きと喜びの声を上げつつじっくり見入る。枯れたのはまだ一本もなく、蕾が沢山ある中、 山頂までの間に何本も。雨に濡れて生き生きと咲いていた。梅雨時だけれど来た甲斐があった。そして久しぶりにみるシラネアオイ。他にスイカズラ、チゴユリ、アカモノ?、イワカガミ、ゴゼンタチバナ、サラサドウダン?、ベニサラサドウダン?、ナナカマドetcの花々が咲いていた。

10:50 浅草岳山頂(1585.5m)
 山頂は狭かった。ネズモチ平からの先客が数人でいっぱいだ。写真を撮ってひと休みした後前岳方面 へ下ってみる。十数名のグループとすれ違い、私達は直下の湿原へ。しかし雪渓も残っており、この辺りに花は見られなかった。ヒメサユリもまだ蕾だ。アブ(ブヨ?)が多くて刺されるため、早々に山頂へと引き返す。(服の上から見事に刺され、今やアザのようになって数カ所腫れている。なぜか私だけ。)

11:45
 山頂はいっぱいだったので同じルートを下山し途中で昼食。その間、遠望はきかないものの、鬼が面の稜線は一時、すーっと姿を現してくれた。八海山も駒ヶ岳方面も中腹しか見えなかったが今回の天気ではそれだけで充分だった。ふたたびヒメサユリを愛でながら下山する。雨に濡れた下山道はピッチが上がらない。下りの道のりが長く感じるのはやはり寝不足がたたっているのだろう。最後の難関、徒渉点を通過してようやくホッとする。

14:35
 無事下山。登山者カードにその旨を記載する。どろんこになった靴や合羽、ザックを片づけ、地元の友人に会うため入広瀬駅に向かう。7年程前に尾瀬で知り合って、その後も2、3回会っているが、何年ぶりだろうか?友人の案内で駅の側にある寿和(すわ)温泉ドリームタウンに行く。料金は彼のパスでタダだったため、金額は分からない。大きな立派な建物で、2Fの大浴場にはサウナや水圧風呂や打たせ湯などあり、1Fには温水プールもある。別棟に露天風呂があるが、つながっていないのが残念。シャンプーリンス、ボディシャンプー、ドライヤー等あり。TEL02579-6-3033。

 入浴後は彼お薦めのお蕎麦やさんへ。福寿庵というお蕎麦やさんで麺にコシがあって、おいしい。温泉から車で数分の場所にある。

 そして彼の案内で明日登る守門岳登山口へ。二分キャンプ場へ車を置き、明朝二口まで歩き、そこの登山口から二口尾根を登っていくことにした。彼は腰を痛めているため一緒には登れないが、いろいろと情報を戴いて、有り難かった。別れた後、私達は明日の登山の用意を済ませ、疲れていたため8時前に就寝。