新潟県;浅草岳
(あさくさだけ  1585.5m) (
クリック地図


 粟が岳のヒメサユリが丁度見頃だろうとそちらに行く計画でしたが、同じくヒメサユリが見られる浅草岳はどうだろうかと12年ぶりに行ってきました。丁度12年前と同じ日に行っていたのに後から気付きましたが今年はまだ早く、一輪も見ることはできませんでした。今年は遅いようなので来月に入ってからの方が良さそうです。 
H23年6月19日(日)
天気;曇り
Member.2人(トシちゃん&sanae)

【コ ー ス】(〜は歩、休憩時間含む。=は乗り物) 
登山口(ネズモチ平P)6:56〜浅草岳山頂9:45-11:27〜カヘヨノボッチ(1484.7m)〜林道13:13〜〜登山口(ネズモチ平P)13:48

↑ 前岳直下の雪渓から見る浅草岳


トラック(赤線)
青は入れていったルート


 前日の湯の丸山から新潟に移動。粟が岳のヒメサユリが見ごろだという情報に、行ってみようかということになりましたが、浅草岳もそろそろ咲き始めるのではないかと思いつつ、両方のプランを携えて一先ず越後へと車を向けました。粟が岳のヒメサユリはまだ記憶に新しいので、今回はまだ早いかもしれないけれど久しぶりに浅草岳に行ってみようと途中で決定。

 道の駅いりひろせで車中泊し、朝ネズモチ平登山口へと向かいました。

 以前は田子倉湖から登っています。素晴らしいブナ林で、そちらの方が長いコースタイムでした。その時から次に行きたいコースは鬼が面山でしたが今回その元気がありませんで、あっさりと短いコースに決定です^_^;

 南面の方がヒメサユリは咲いているかと思いましたが後からの情報では田子倉湖からのコースは蕾、鬼が面山の方はまだそれほど咲いていなかったようです。
 ネズモチ平の駐車場は広く、100台以上置けそうです。

 トイレも水洗できれいでした。

 駐車場からは浅草岳の前岳から山頂方面への稜線が望めます。


 駐車場の先はゲートがあり車両通行止め。
 浅草岳のこの時期はブヨなどの虫が多かった記憶があるので私は最初から虫よけネットを被って出発。

 駐車場を振り返ると守門岳。昨年の守門岳、今年の蔵王と続けてバッタリしたJOさん夫妻に会わないかなと冗談を言いつつ登り始めますがさすがに今回バッタリはありませんでした(^^ゞ


 林道を行き、ブナソネ分岐を左へ。周回して帰りは右の林道から戻ってくる予定です。
 歩き始めてまもなく椿やタムシバも咲き残っていました。赤と白、イイ感じです(^^♪

 この浅草岳は12年ぶりですが、私達にとってある思い入れがあります。
 この麓には山で知り合った友人がいました。私にこの浅草岳を教えてくれた人でした。名前はIさん。
【イワナシ】
【ツバメオモト】


 渡渉も少しありました。前日雨が降ったのでこの日はスパッツを装着していますが石伝いに渡れました。
 雨降りの後でしたから多少の泥んこ道あり。ロープの付いている急登も あります。頼らなくても登れますが、あれば助かります。

 Iさんは私達よりずっと若い男性でしたが尾瀬の山で知り合い、その後は何度か会ったり手紙のやりとりをしたり、とても気さくな人でした。
 振り返ると守門岳。昨年、雪庇を見にいったのを思い出します。



 Iさんはこの守門岳もこよなく愛していました。守門岳も浅草岳も一緒に歩こうと話していたのですが、体の具合が悪く一緒に歩くことは叶わず。私達が下山した後一緒にお蕎麦を食べながら明るく話していたのですが・・・

 
【チゴユリ】

【イワカガミ】


 途中に残雪。登山道ではありません。
 そうそう、Iさんはスキーがとってもお上手でした。近くの須原スキー場に家族ぐるみで来て、スキーを教えていただいたこともありました。主に子供たちに教えてもらったのですが^_^;

 
 ある年、そのIさんの奥様から年賀状でなく喪中はがきが届いて驚いたこと。。。
【ゴゼンタチバナ】

【マイヅルソウ】

【ユキザサ】

【チゴユリ】

【ツクバネソウ】

【ツボスミレ(ニョイスミレ)】
【エンレイソウ】

【タケシマラン】

 健康上の理由から自ら命を絶ってしまったとのことでした。数年前のことです。

 思ったより虫は少ないと思いましたが、私は手袋もしていたのに早くも手首が刺されました。

 きれいなブナ林、自然が豊かな証拠ですね。
【ギンリョウソウ】

 
【ミツバオウレン】

 Iさんはこのブナ林が大好きでした。
会うたびにいつかこの浅草岳に来て歩いてみてくださいと、
この地の方言で話していました。

その強い訛りが最初はなかなか通じなかったりして・・・^_^;

それも今は懐かしい。



 
 
浅草岳と稜線

【ムラサキヤシオ?】

【ショウジョウバカマ】

 前岳直下の分岐はまだ雪渓がたっぷり残っていました。

 ちょうど地元の方がいらして、あぁ・・・とため息をついていました。ヒメサユリはこの雪の下。この雪が融けないとヒメサユリが咲かないと。


背後に守門岳と右奥に粟が岳


 
 


 途中から木道になりました。
 オオカメノキ

 展望台に寄ってから山頂へ。
 途中にシラネアオイ。ちょっとショボくれていましたが、今年は見られないと思っていたので嬉しかったです。

 浅草岳山頂。

 1585.5mとそれほど高くはないのですが、雪深い地の山ですから展望も植層も十分楽しめます。

手前に鬼が面山の稜線。
その向こうに荒沢山や未丈が岳や毛猛山の山並みでしょうか。
一番奥には越後三山の中の岳、越後(魚沼)駒ケ岳、八海山・・
その左の方は丹後山方面でしょう。



丹後山から中の岳へと歩いている時に
新潟柏崎で大地震(新潟中越沖地震)が起きたのでした(コチラ)。
まだ4年しかたっていないのですね。
それなのに今年また東日本大震災が起きてしまいました。
どちらにも原発があり、今回は津波と重なって大災害になってしまいました。
絶対に忘れられない、忘れてはいけない出来事、
これもまた折に触れ思い出すことでしょう。




 
 
山に行けば行くだけ思い出も重なります。
楽しいこともあれば悲しいことも思い出します。
それでいいのでしょう。。。



この年になると忘れることも多くなりましたが^_^;
忘れられない出来事をこうして思い出したり思うことが
生きているということなのかもしれません。
 
奥に越後三山(ズームで)

【】

【シラネアオイ】


田子倉湖
以前はあそこからここまで登ってきたのかと
今更ながら人間の足は凄いと思ってしまいました。

 

中央奥に燧ヶ岳
その左に会津駒ケ岳、右は平ヶ岳の方かな・・・と
地図を見ながら山座同定 

 
反対側にはかすかに飯豊連峰


 
今回行き損ねた粟が岳方面

 守門岳
手前左に前岳と歩いてきた雪渓

 ウラジロヨウラク
   気温は25℃。風も無く寒くも無く、心地よい山頂でした。
 山頂の上には青空。

 梅雨時にラッキーでした。 


 一時間以上ものんびりした山頂をようやく後にします。

 守門岳を目の前に眺めながら
前岳まで戻ります。




 
 


浅草岳山頂を後に

 

前岳のピークらしき所へ行ってみましたが
何もありませんでしたので
再び分岐へ戻り周回コースを辿ります。

前方に守門岳。どこまでも絵になります。
 
 

【タムシバ】

【ミツバオウレン】





【オオバキスミレ】

【アカモノ】

 

嘉平与ボッチ(カヘヨノボッチ)
1484.7m
ここからは前岳で隠れて
浅草岳山頂は見えません。 


越後三山方面は少し雲があがってきてしまいました。

 
 陽射しも出て虫は少なくなりましたが虫よけネットは日除けに早変わり^_^;

 大きなタムシバの花。
 先に休んでいた若いお二人にお邪魔虫で申し訳ありませんでしたが^_^;次のピークで最後の展望を一緒に楽しみます。

 お互いに写真を撮り合ってピース(^_^)v ちょっとトシちゃん、重たいわよ・・・(こっちの方が重いぜ〜って下の石が言いそう^_^;)


 振り返ってカヘヨノボッチと前岳。やはり浅草岳山頂は見えません。
 山頂で飲み忘れたビールを呑んでのんびりしていたら後続の団体さんが見えたので慌てて下ることにします。

 急いで空の缶をトシちゃんに渡したら「えっ?一滴も残ってない・・・(-_-;)」と珍しくトシちゃんがボソリ。暑かったですからね・・・って、アナタ運転がありますから(^^ゞ


 一気に下って突然“浅草の鐘”の所に出ました。皇太子御成婚記念だそうです。
 “浅草の鐘”から階段を少し下ると林道、桜ゾネ登山口でした。

 この林道沿いでは思いがけなく、いろいろな花が楽しめました。

【シラネアオイ】

【キクザキイチゲ】


 一部にはまだ残雪がありびっくり。
 念のために軽アイゼンも持ってきていましたが、この日使うことはありませんでした。
【ミヤマスミレ?】

 
【アズマシロカネソウ】


アズマシロカネソウは初めて見ました♪

 
 

【サンカヨウ】

【キクザキイチゲ】



 
 ホウチャクソウ

 登りでは気付きませんでしたがブナソネ分岐登山口の側には殉職者慰霊碑がありました。

 雪崩による二重遭難があったことを思い出しました。

 2000年6月18日に4名の殉職。もっと雪の多い時期だと思っていましたが11年前の昨日のことだったのですね。しかも私達が前回登った翌年の事でした。前日には献花に訪れていたのでしょう。
一年前の記事ですが魚沼WEBニュース(2010/07/02)より抜粋:

平成12年6月18日に発生し、小出署員ら4人が殉職、殉難した浅草岳ブロック雪崩災害から今年で10年となり、災害のあった6月18日には魚沼市大白川の「浅草岳殉職慰霊碑」前で合同献花会が行なわれた。
 同災害は、前日から行方不明となっていた遭難者の収容作業中、浅草岳北側斜面でブロック雪崩が発生、作業にあたっていた小出警察署警部補・佐野弘晃さん、同・大平義則さん、小出郷消防署消防司令長・磯部三郎さん、小出地区山岳遭難防止対策協議会副会長で音松荘主人の浅井乙一さんの4人が殉職、殉難した。
 献花会は県警本部と魚沼市が合同で行なったもので、遺族や関係者約70人が参加した。
 献花会ではまず、全員で黙祷した後、遺族や同僚、関係者が順次、慰霊碑に献花。遺族の中にはハンカチで目を押さえる人の姿も見られ、家族を喪った悲しみの深さをうかがわせていた。
 遺族の浅井ふみ子さん(54)は「毎年、この時期は辛く悔しい。事故の発端は山菜取りであり、山には山のルールがあるので守ってほしい。事故を忘れてはいけないと思う」と悲しみを新たにするとともに、悲惨な災害が二度と起こらないことを願っていた。

魚沼WEBニュースは以上

なお、浅井乙一さんに関してはコチラもご参照ください。
 私達も手を合わせ、ネズモチ平へと戻りました。

 駐車場へ。

 ここで写真を撮り合ったお二人と再び雑談。趣味の話などして楽しいひと時でした。
 この日ヒメサユリには出会えませんでしたが梅雨の合間に天気に恵まれ、素晴らしい山歩きができました。

 下山しても駐車場からの浅草岳はくっきりと見えて良い締めくくりになりました。


 この日前回の浅草岳の記録を見ずにやってきましたが、偶然にも入ったお風呂は前回と同じ寿和温泉。前回はお友達のお陰でタダでしたが実は一人700円でした。

 一緒に食べたお蕎麦屋さん(美味しいへぎそばでした)はココかなと話していた所が後から調べてそうだったと分かりました。この時は定かではなかったので、別のお蕎麦屋さん(須原のよしみやさん)へ行ってしまいましたが、コチラも安くて美味しかったです。
 ETC割で土日の高速料金千円は残念ながらこの日が最終でした。今回びっくりするほどの遠出ではありませんでしたが今までの1,000円の恩恵は有り難く、これからの出費を思うと正直痛いです^_^; 山は逃げませんけれど、体力とお財布と家庭事情から山が逃げてしまいそう(-_-;) でもまだまだ頑張って楽しむゾ!p(^-^)q