天子山塊;雨ガ岳〜竜ガ岳
(あめがたけ1771.7m〜りゅうがたけ1485m)
   2000年、タツ年の始めに竜を初歩き

 H12年1月7日(金)当日発・ 天気;晴:Member.4人(青木、村田、石原夫婦)

【貯水池より見た竜ガ岳】右

 【コ ー ス 】
(〜は歩、休憩時間含む)
根原貯水池建設記念碑965m位8:40〜端足峠(はしだとうげ)1270m9:25-35〜富士山展望場10:30-50〜雨ガ岳山頂11:05-12:20〜端足峠13:15-25〜竜ガ岳山頂14:10-30〜端足峠15:10-15〜根原貯水池建設記念碑15:50

(所要時間約7時間10分・・休憩含む)


 天子山塊は富士山の西に位置し、雨ガ岳・竜ガ岳はその北端になる。中央道河口湖ICからR139へと進み、本栖湖南の根原(ガソリンスタンドの少し先、根原バス停手前)を右折し貯水池建設記念碑の所まで車を入れた。道は細いが舗装されており道なりに行くと、記念碑の側には端足峠方面を示す標識がある(根原の標高が965mだが貯水池の辺りはもう少し低いようだ)。目の前には雨ガ岳、竜ガ岳の山並みがあり、当然大きく富士山も望まれるのだが午前中はガスで隠れてしまっていた。そこに車を置き、身支度して出発。気温が高く、雪もないため、薄着になり、フリースやアイゼンは車中に置いていく(積雪はまったくなかった)。

 「端足峠ってなんて読むんだ?たんそくとうげ?みんな足が短いから丁度いいや!?」などとふざけながらその端足峠(はしだとうげ)までなだらかな山道を登っていく。昨夜から今朝にかけて降った雨のおかげで登山道はぬかっていた。端足峠で右竜ガ岳、左雨ガ岳への分岐になる。どちらを先にしようか?きつい方を先にしよう、ということで雨ガ岳を先ず目指す(登山口から山頂までの標高差約800m)。始めは気持ちの良いなだらかな雑木林の中を歩いていく。東海自然歩道でよく整備されている。しかしやがて山頂までの急登となる。ぬかった登りは歩きにくいが下りはもっと嫌だなと思いながらゆっくり登っていった。

 左【笠を被った富士山】
 被らない富士山も見られた。

 山頂の手前で、やっとガスがとれ大きな富士山が現れた。丁度眺められる場所があった。別に標識があるわけではないが勝手に富士山展望場とした。テン場に丁度良い場所で一張りなら楽に張れる(水場は無いが)。誰かがそこで焚き火をしたらしく焦げ跡があった。その時の富士山は雲の笠を被っていた。これもまた良い姿だ。休憩しながら眺めていると昼寝したくなるほどこの日は気温が高い。

 再び急登を登り、山頂はもっと先と思っていたらあっけなく山頂に到着。ここも真正面に富士山が大きくそびえている。登山道はタカデッキ、毛無山へと続き行きたい誘惑にかられる。しかし今回は竜ガ岳にも行くことでもあるし予定通りそこでストップ、昼食とする。いつもと変わらぬ山行ではあるが、一応新年山行だ。定番のカレーうどんに加え、お汁粉・コーヒー・甘いお酒で秀麗富士を愛でる。しかも眼下に雲海、何とも優雅な眺めだ。陽気が良かったためついのんびりしてしまった。

 下りは同じ道を端足峠まで戻る。M女史の「キャッ」という可愛い声を聞いて、「やはり女の子だった!」とからかいつつ。ぬかるんだ急坂はややペースが落ちる。途中竜ガ岳山頂が目に入り、あちらも展望が良さそうだと思ったが、ガスが流れ、見えたり隠れたりしていた。

 端足峠から竜ガ岳方面へ行くとすぐ、山頂へ一直線に直登するコースが目に入る。メンバー全員「ほーっ」と驚きの声があがる。遠目に眺めたとおり、こちらも急登だ。両脇背丈ほどの笹薮で視界がきかないが、ルートは割合はっきりしている。笹薮を掴みながら30分も登れば一瞬、山頂かと思われる平坦な道になるが、相変わらず視界のきかない背丈ほどの笹薮とガスの中を進んでいく。途中登山道が数カ所キジ場と化しているので足もと要注意。つまり大、プラスペーパー・・非常識だがこの場合ペーパーがあったため踏まずに済んで良かった、しかし最悪。そしてその場を過ぎるとすぐ山頂だった。

 竜ガ岳山頂は広々と整備されていた。8年前出版のヤマケイ『東京周辺の山』には展望が悪いと書いてあったが山梨百名山と杭が打たれているところを見るとその頃からきれいになったのだろうか。タツ年に備えたものか分からないが、標識が新しいのは多少は意識したものなのかも知れない。ガスの切れ目に南アルプスがきれいに姿を現した。北岳から赤石岳まで、そして八ヶ岳・金峰・三ツ峠 ・富士山と素晴らしい展望場だ。本栖湖の方へ登山道も整備されているようだ。しかし一方竜ガ岳から雨ガ岳へのルートは登山道とは認知されず?上記のようなキジ場になる羽目になってしまったようだ。それにしても竹薮とはいうものの、いつ登山者が来るか分からない場所でするなんて、迷惑をかける上に知らなかったでは恥をかくというもの。

 この日はガスで一度に全部の展望は望めなかったが、年内に又ここだけでも来てみたいと思った(今度は本栖湖から)。メンバーの青木氏差入れのリンゴをみんなでほおばりながら記念写真を写し、束の間の展望を楽しんで同ルートを下山。要注意地帯を通過し、再び急坂をアッという間に下っていく。

 端足峠まで来る頃にはガスがすっかりとれて、富士山が全容を現していた。竜ガ岳山頂もきれいに見える。端足峠からはこんなに楽な傾斜だったっけと思いながらのんびりと下山。この辺りは植林が多いが、雨ガ岳は落葉樹が多く良い山だった。竜ガ岳は笹薮だったが展望が素晴らしかった。下山した後、歩いた山と秀麗富士を眺め、新春にふさわしい山を歩けたと満足!正月後で連休前でもあり、誰にも会わない静かな山歩きを楽しめた。